
コロナ禍もようやく落ち着きを見せ、また海外に行きたい、海外で暮らしてみたい、と考えている人も多くなっているのではないでしょうか。「世界を楽しめばあなたの人生がもっと輝く」をコンセプトに、世界を知るための様々なコンテンツを提供しているONECOSMOPOLITANですが、今回の記事では、日本人が大好きな国「台湾」での生活について取り上げます。台湾をはじめ、海外で生活することはきっとあなたの視野を広げ、人生をより豊かにしてくれるでしょう。
さて、本記事では台湾での生活について、そのメリットなどを解説しつつ、「日本在住の台湾人」にインタビューを実施し、そのリアルを聞いてきました。移住はもちろん、留学、長期滞在から旅行にまで活かせる台湾生活の実際のところについて、是非、参考にしてみてください。

プロフィール
Jason ジェイソン(台北出身)
日本のアニメが大好きなジェイソンは、ご両親の転勤を機に台湾〜シンガポール〜日本を渡り歩いてきました。現在はサスティナビリティを学んでいて、環境問題にも造詣が深い自然派の英語講師。

台湾ってどんな国? 日本からのイメージ
さて、台湾といえば、アジアの中でも日本人が最も親しみを感じる国の一つではないでしょうか。台湾人は非常に親日な方も多く、日本語が話せる方もしばしば。首都である台北市のタクシーでは日本語の広告が流れているほどです。
旅行先として非常に人気があり、特に食べ物が美味しいと評判です。夜市はもちろん、若者の食文化の発信地などにもなっており「台湾かき氷」などは一度は食べてみることをおすすめしますよ。
また、英語のレベルは日本人と同程度とも言われていますが、最近では話せる人が増えています。お互いに母国語でない言葉を使うことは、ときにコミュニケーションを円滑にします。日本語でのコミュニケーションにおいて「おや?」と感じたら、英語を使ってみてはいかがでしょうか?
2025年現在の台湾の状況
最新データ(2025年):
人口:約2,340万人
親日度:アジア1位(92%が日本に好感)
治安ランキング:世界2位
訪台日本人:年間約150万人
在台日本人:約2万8,000人

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台湾で暮らすメリットについて
●メリット1:食事が美味しい
まず、真っ先に上げたいのが、食事の美味しさです。生活する上で、食事が合うかどうかは非常に重要なポイントとなります。その点、台湾の食事は日本人の口に合うものが多く、生活を豊かにしてくれるはずです。日本から進出している飲食店も多く、慣れ親しんだ味を気軽に楽しむこともできるでしょう。
●メリット2:暮らしやすい気候
温暖な気候でとても暮らしやすいのも台湾の特徴のひとつ。寒い季節は1年の中でほんの数週間で、それ以外は暖かいです(当然、暑い時期も多いですが、それも湿気の関係か日本と比べると過ごしやすいという声が多いです)。また、「花粉がない」という点も人によっては大きなポイントになるのではないでしょうか。
●メリット3:親日である
台湾の発展に日本が寄与した期間があることもあり、親日家が非常に多いのが台湾で暮らすメリットです。日本人を快く受け入れてくれますし、日本人であることで一目置かれることもあるほどです。日本語が通じることも多く、困ったら日本語で説明してみても良いかもしれません。

さて、リサーチすると以上のようなことがわかりますが、実際の生活はどういったものなのでしょうか。そこで、日本在住の台湾人にも話を聞いてみました。これだけは知っておきたい台湾生活のリアルについて、買い物、食事、休日、家族といったキーワードでインタビューしています。是非、参考にしてみてください。
知っておきたい台湾生活のリアル(買い物)
――日本人にびっくりされた台湾での買い物の仕方、買ったものはある?
台湾は、オンラインショッピングがあまり整っていないから、ナイトマーケットによく行って買い物をするんだ。台湾のナイトマーケットではなんでも買うことができるんだよ。ユニークなのは、全てのお店が商品を床に置いて売っているということ。テーブルや棚はなくて、ただ床に布を広げて、その上に商品を置いているんだ。まるでインドやパキスタンの市場に行ったかのように感じるかもね。
そうそう、このナイトマーケットでは、日本に来てから見たことがない、面白い買い物の仕方があるんだ。例えば果物や野菜を買う時、その鮮度をチェックするのに、台湾の人は商品を叩いたり、押したり、時には振ったりするんだ。例えばスイカを買う時には必ず叩いて音を聞いてから、どの商品を買うかを決めているよ。これは日本ではするべきことではないよね? でも台湾ではOKなんだ!笑

そのほかにユニークな台湾での買い物と言えば、屋台かな。福岡も屋台は有名なんだよね。それと同じ感じで、簡易的なテーブルとイスを道端に置いて、外でいろんな料理を食べることができるんだよ。
屋台の代表的な料理と言えば、台湾ソーセージや油飯、ラーメンかな。台湾ではごく一般的な料理だけどね。台湾フライドチキンも有名。あ、あと臭豆腐も!
そしてなんと言っても「しゃぶしゃぶ」はぜひ台湾に行ったら屋台で食べてほしい!台湾では日本のように大きな鍋をみんなでつつくのではなく、1つの小さな鍋をそれぞれが使って、1人で食べることができるんだ。これは美味しいから、ぜひ試してみて!

あと、台湾に来ると、ハンディキャップを負った人や貧しい人々が花やガム、宝くじを売っているのを多く目にすると思うよ。道を歩いてる時やコンビニの前、車を運転していて信号で止まっている時でさえ、彼らは近くまで売りに来るんだ。僕はこれはとてもいいことだと思うんだ。彼らに仕事の機会が与えられているからね。
知っておきたい台湾生活のリアル(食事)
――日本人にびっくりされた台湾の食事はある?
さっきちょっと話に出たけど、臭豆腐かな。ほとんどの人が好きじゃないよね。でも台湾では人気のある食べ物なんだ。中には辛いもの、甘いものもあって、いろんなフレーバーが楽しめるよ。もし嫌いじゃなければぜひ試してみて。
あと、これもあまり知られてないかもだけど、台湾料理ではパクチーを多く使うんだ。トッピングとしても具材としても。日本人にはパクチーが嫌いな人も多いよね。これにはびっくりするかもしれないかな。

次に意外とびっくりされるのは、台湾にはベジタリアンが多くて、ビーガンレストランがめちゃくちゃ多いということ。でも台湾で暮らしていると、ビーガンレストランはとても一般的なんだ。
道を歩いていれば、1ブロックに2つくらいはビーガンレストランを見つけられるよ。ほとんどの人は健康上や宗教的な理由でベジタリアンになるんだ。日本にはビーガンレストランがほとんどないから、彼らが日本に来たら食べるものに困っちゃうかもね。
――台湾で記念日に食べる食事は?
生後1ヶ月記念の時が一番わかりやすいんだけど、この時には油飯をお弁当箱に入れて食べるのが伝統的なんだ。なんでお弁当箱を使うか、正確にはわからないけど、必ずお弁当箱に入れるんだ。この中には玉子とチキンスティックも必ず入っているんだよ。
あと、お年寄りのための記念日にはラーメンを食べるのが一般的かな。麺を食べることは長生きすることを意味するんだ。ちょっと想像できるよね。
そして台湾の新年の料理といえば、魚。絶対に魚料理を食べるんだ。これは毎年笑って過ごせるように。という意味があるんだ。理由はわからないけど。

――台湾でお袋の味と言えば?
ほとんどの台湾人は、「ルーロー飯」と呼ばれるご飯の上に甘辛く煮込んだ豚肉が乗った料理が大好きだね。日本でも有名なんじゃないかな?伝統的な休日やお祭りの時は必ず出される料理だし、どの家庭のお母さんも、作り方を知っているよ。
あとは、肉まんや餃子かな。ほとんどの台湾人は餃子の作り方を知っているんだ。日本では焼き餃子がメジャーだと思うけど、台湾では水餃子の方が良く食べられているよ。スープに入っているやつね。
そして台湾ミートボール。これはとっても小さいミートボールで、しかも弾むんだ。 落とすとピンポン球のようにバウンドするんだよ。

知っておきたい台湾生活のリアル(休日)
――台湾には日本にない休日はある? そのときにすることは?
一つ目は先祖のための祝日だね。大体4/4くらいにあるんだけど、家族によってその日にちは微妙に異なるんだ。この時はみんなで線香をあげてお祈りをするんだよ。
次に建国記念日だね。これは10/10。多くの国と同じように、政府によるパフォーマンス、軍事パレードが行われるよ。
最後は旧正月。1/1は太陽暦のお正月でしょ? 旧正月は太陰暦のお正月だから、毎年違う日にちになるんだけど、これが一番大きな祝日かな。家族や親戚がみんな集まって、ちまきを食べるのが伝統的な過ごし方かな。あとは鍋を食べながら話をしたり、夜には大きな花火が打ち上がるんだよ。爆竹もね!

――台湾では休日どのように過ごすことが一般的ですか?
これに関しては日本人とほぼ同じだと思います。台湾と日本は本当に文化が似ているからね。友達と遊んだりショッピングに行ったり食事に行ったり。そんなに変わらないと思うよ。
でも、一つ違うとすれば、台湾人は頻繁に家族や親戚たちと集まって一緒に時間を過ごすんだ。日本人は年に数回しか実家に戻らない人がほとんどだって聞いたけど、僕は台湾に住んでいたときは週に1回は実家に帰っていたよ。
もちろん、日本は大きいから帰るのが大変なのかもしれないけどね。あと、僕の家族や親戚はみんな台北に住んでいて、車で30分で会うことができたから楽だったんだけど。
知っておきたい台湾生活のリアル(人付き合い)
――日本に来てびっくりしたコミュニケーションがあれば教えて。
日本では話をするときに周りくどい言い方をしたり、ダイレクトで話題に入ることは少ないよね。それにはびっくりしたよ。いろんな説明を細かくしてから、最後に結論を話すやり方だよね。台湾ではそういう人はあんまりいないかな。基本的には直接トピックに入ることがほとんどだよ。
特に日本の”クレーマー”はその傾向が強いイメージがあるかな。台湾ではこういう人はほとんど見たことがなくて、本当にストレートに話したいことを話すし、何かダメなことをしたら、何がダメなのかをすぐに伝えてくれるんだ。台湾の人は、このダイレクトなコミュニケーションに慣れているから、日本人からしたらちょっと直接的すぎるコミュニケーションの仕方なのかもしれない。

――台湾での家族づきあいに関して教えて。
さっきも言ったけど、台湾では家族が集まると、先祖参りをするのが一般的かな。中には毎日する人もいるし。日本でも毎日仏壇に手を合わせる人がいるでしょ? それと一緒だよ。綺麗な花を飾ったりさ。
あと、仏教徒の家族は集まってお寺にいったりもするみたい。台湾にも仏教徒はたくさんいるんだよ。これも先祖を大事にする台湾の伝統の一つかな。台湾には有名なお寺があって、多くの人は「大学受験に合格できるように」や「病気にならないように」など、何かある時にお参りに行くのが一般的だよ。日本と似てるよね?
ちょっと違うところは、台湾のお寺はオレンジ色の屋根で至る所に龍の装飾がされていること!日本ではあまり見たことがないスタイルかな。沖縄なんかは近いものがあるんじゃないかな?

――台湾では、友人・家族にどのようなプレゼントをあげる?
赤い封筒です! 何か良い仕事をしたとき、安全を求めている時、これにお金を入れて渡しているよ。日本で言うお年玉みたいなものかな。おじいちゃんやおばあちゃんの家を訪ねると、彼らはこの赤い封筒をくれるんだ。彼らはいつでも準備しているんだよ。誕生日とかお正月とかにね。結婚式でも使えるよ。あとこれは日本でもそうかもしれないけど、多くの親は子供たちに祖父母に赤い封筒をもらってくるように指示するんだ笑
そしてこの赤い封筒にはいつも希望の言葉が書いてあるんだ。それらは文字通り中国のイディオムで、「幸運」を意味しているんだよ。中にお金を入れなくても、ただの贈り物として使うことができるんだ。

まとめ
いかがでしたでしょうか? 台湾に関しては、日本と共通する部分も多そうですが、その中で少し違う文化があったりと、面白いですね。台湾での生活を想像すると、とてもワクワクします! その反面、海外生活ではコミュニケーションなどでの不安がつきものです。その点、少しでも「英語」に慣れておくと、その不安が半減しますよ。
ワンコイングリッシュでは、日本在住の台湾人が英語だけでなく文化などについても教えてくれます。他の先生や生徒とコミュニケーションが取れるイベントも盛りだくさんで、台湾での生活を検討している方におすすめの英会話学校です。
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台湾と日本の文化比較
コミュニケーションスタイルの違い
項目 | 台湾 | 日本 |
話し方 | 直接的、結論先行 | 間接的、説明重視 |
政治の話 | 積極的(10代も参加) | 避ける傾向 |
批判・指摘 | ストレートに表現 | 遠回しに表現 |
食事中の会話 | 活発(政治・経済中心) | 控えめ(日常的話題) |
家族関係の違い
台湾の家族文化
実家への帰省頻度: 週1回程度
親戚との関係: 非常に密接
先祖崇拝: 定期的な墓参り、金紙を燃やす習慣
宗教行事: 家族全員での参加が一般的
日本の家族文化
実家への帰省頻度: 年数回
親戚との関係: 比較的希薄
先祖崇拝: お盆・お彼岸など特定時期
宗教行事: 個人の選択に委ねられる傾向
贈り物・お金の文化
台湾の紅包(赤い封筒)文化
使用場面:
誕生日、結婚式、新年
良い仕事をした時のお祝い
安全祈願・厄除け
祖父母から孫への定期的な贈り物
金額の目安(2025年):
誕生日:500-2,000台湾ドル(2,300-9,200円)
結婚式:2,000-6,000台湾ドル(9,200-27,600円)
新年:200-1,000台湾ドル(920-4,600円)
台湾文化を理解するための実践的ガイド
ビジネスシーンでの文化的配慮
会議・商談での注意点
好まれる行動:
直接的で明確な表現
率直な意見交換
政治・経済に関する基本知識
家族への関心を示す
避けるべき行動:
過度に遠回しな表現
曖昧な回答
中国との政治的関係への言及
個人の政治的立場への踏み込み
接待・食事での配慮
推奨される行動:
積極的な会話参加
台湾料理への関心と感想
乾杯の習慣への参加
家族や趣味の話題提供
プライベートでの交流
台湾人家庭への訪問時
持参すべきもの:
日本のお土産(お菓子、小物)
果物(偶数個は避ける)
手土産は必ず両手で渡す
マナー:
靴を脱ぐ(家庭による)
先祖の写真や仏壇に敬意を示す
子どもへの紅包を辞退されても再度勧める
台湾の祝日・記念日への参加
旧正月(春節):
赤い服装が好まれる
魚料理は必ず食べる
「恭喜發財」(コンシーファーツァイ)の挨拶
中秋節:
月餅の交換
家族での団欒重視
バーベキュー文化
台湾語・中国語の基本表現
日常挨拶
你好 (ニーハオ) = こんにちは
謝謝 (シエシエ) = ありがとう
不好意思 (ブハオイース) = すみません
再見 (ザイジェン) = さようなら
食事関連
好吃 (ハオチー) = 美味しい
我要 (ウォーヤオ) = ~が欲しいです
不要辣 (ブーヤオラー) = 辛くしないで
買單 (マイダン) = お会計をお願いします
お祝い・感謝
恭喜 (コンシー) = おめでとう
生日快樂 (シェンリークァイラー) = お誕生日おめでとう
新年快樂 (シンニェンクァイラー) = 新年おめでとう
2025年の台湾文化トレンド
デジタル化と伝統文化の融合
SNSと台湾文化
Instagram文化:
夜市グルメの投稿が人気
伝統的な寺院での「映える」写真
台湾旅行の情報共有
LINE文化:
家族グループでの密な連絡
紅包のデジタル化(LINE Pay)
政治討論の場としても活用
環境意識と伝統の変化
エコ意識の高まり
変化する習慣:
金紙燃焼の電子化(一部地域)
プラスチック製お供え物の削減
環境に配慮したお祭り運営
若者世代の文化変化
新しい傾向:
海外文化(日本・韓国)への関心
伝統的な政治討論からSNS討論へ
個人主義の台頭と家族観の変化
まとめ:台湾文化の理解を深めて豊かな交流を
いかがでしたでしょうか?日本の文化と近いと感じていた台湾ですが、意外と違うことが多くて驚いたのではないでしょうか?彼らの文化を知ると、見えていなかった自分たちの文化にも気付かされますね!
台湾文化理解の重要ポイント
1. コミュニケーションの違い:
直接的な表現を好む文化
政治的話題への積極的参加
家族関係の密接さ
2. 宗教・伝統文化:
先祖崇拝の日常的実践
紅包を中心とした贈答文化
食事と記念日の密接な関係
3. 現代的変化:
デジタル化の進展
環境意識の高まり
世代間の価値観の変化
文化理解がもたらすメリット
ビジネス面:
より効果的な商談・交渉
信頼関係の構築
文化的誤解の回避
プライベート面:
深い友人関係の構築
台湾旅行の充実
異文化理解の促進
継続的な学習の重要性
このように、異文化を知ることは、人生の幅を広げてくれます。その点、「英語」を学ぶことは、異文化を知ることを容易にしてくれるでしょう。
ワンコインイングリッシュでは、Jasonのような台湾出身の講師が英語だけでなく文化などについても教えてくれます。他の先生や生徒とコミュニケーションが取れるイベントも盛りだくさんで、台湾の文化を知ろうとしている方におすすめの英会話学校です。
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【特別付録】台湾文化体験チェックリスト
短期旅行者向け(3-7日)
[ ] 夜市での臭豆腐体験
[ ] 寺院での参拝とマナー学習
[ ] 地元の人との政治話題への参加
[ ] ルーロー飯と水餃子の食べ比べ
[ ] タクシーでの日本語会話体験
中期滞在者向け(1-3ヶ月)
[ ] 台湾人家庭への訪問
[ ] 旧正月・中秋節などの祝日参加
[ ] 中国語での基本会話習得
[ ] 地元の投資話題への理解
[ ] ビーガンレストランでの食事体験
長期滞在・移住者向け(6ヶ月以上)
[ ] 地域の宗教行事への参加
[ ] 台湾人との深い友人関係構築
[ ] 政治的議論への建設的参加
[ ] 家族ぐるみの付き合い体験
[ ] 地域コミュニティへの貢献活動