お寿司の進化は「スシロー」などの回転寿司に留まらず。海外の寿司事情も調べてみた

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今回のテーマは「お寿司」。常に何かと話題になる「スシロー」は、ドバイ万博で行列を作るほど海外でも人気です。ただし、回転寿司がどんな国でも受け入れられるとは限りません。すでにローカライズされたお寿司が根付いている国もあるからです。そんなお寿司の海外事情を紹介します! 

江戸の「ファストフード」だったお寿司が多様化

お寿司の起源は、魚とお米、塩を発酵させて酸味を出した保存食「なれずし」です。しかし、作るのに時間も手間もかかるため、江戸時代になると酢飯に生魚をのせる「早ずし」が生まれました。

注文したらすぐに出来たてが楽しめる「早ずし」は、江戸っ子の間で大流行。屋台などで気軽に楽しめるファストフードとして愛されました。値段も安く、軽食やおやつのような感覚で食べられていたと言われています。

やがて江戸時代の終わり頃になると、高級路線を打ち出す店が出てきます。値段が高いことで有名になった「松が寿司」などがその代表です。その一方、屋台のお寿司は公衆衛生上の問題などから徐々に消えていきます。

そうして高級な寿司店のみが残りましたが、1958年に回転寿司の元祖「廻る元禄寿司 1号店」が大阪に誕生します。1970年の大阪万博への出店などをきっかけにブレイクし、再び安くて気軽に食べられるお寿司が楽しめるようになりました。

「回転寿司」でトップを走る「スシロー」は海外にも進出

大阪で誕生し日本全国に広まった回転寿司は、現在では海外でも人気です。回転寿司チェーン店の「スシロー」は海外進出も果たし、海外店舗数は韓国で14店舗、台湾で9店舗、香港とシンガポールで1店舗(2019年9月時点)。今後も海外出店を積極的に展開していく予定だそうです。

また、スシローは2021年10月に開幕したドバイ万博でも人気を博しました。92席もの席数があったにも関わらず、タイミングによっては7時間も待つほど大人気だったようです。

注目したいのは、ドバイ万博に出店したスシローのメニューはすべてイスラム法上で食べることができる食品「ハラル」に対応したこと。お寿司は魚が基本ですが、「かっぱ巻き」などの野菜を使ったものもあり、ベジタリアンやヴィーガンでも食べられるメニューがあります。

こういったお寿司の特徴は、世界各国の食生活にフィットしやすく、受け入れられる要因になっているかもしれません。 

お寿司は日本を飛び出し、「アメリカ」でも独自に発展

海外には日本と同じメニューの「寿司」もありますが、その土地で好まれる味に工夫され、独自の進化を遂げた「Sushi」も生み出されています。

お寿司の変化や進化をより詳しく知るため、日本在住の外国人講師に母国のお寿司事情を聞いてみました。

アメリカ人のデイヴ(Dave)によると、「アメリカでも本格的な握りよりも、裏巻きにしたロールが定番」なのだとか。

アメリカに限らず、多くの外国では、「握り」よりも「巻き寿司(Sushi roll,  Maki)」が人気。最大の特徴は、海苔が内側でご飯が外側になる巻き方(裏巻き)です。海外では海苔を食べる習慣がなく、黒い海苔が食欲をそそらないことから、この巻き方が定番。シャリ(ご飯)が主役になる見た目がきれいで、日本の巻き寿司とは違った触感になります。

デイヴ(Dave)によると、アメリカでの人気メニューはカニカマやアボカドなどを巻いた「カリフォルニアロール」、マグロのぶつ切りをスパイスにつけた「スパイシーツナロール」だそうです。 

クレープで巻いたり衣をつけて揚げたりする「ヨーロッパ

ヨーロッパにもお寿司は浸透していて、なかでもフランスはヨーロッパ最大の寿司消費国です。人気の寿司ネタは、サーモン、マグロ、タイ、エビなど。さらにアボカド、クリームチーズなども定番で、サーモンと組み合わせることが多いようです。

フランス人のハリム(Halim)は「寿司クレープ(Sushi crepe)」というデザート系お寿司の存在を教えてくれました。フルーツやチョコレートなどをシャリとクレープで巻いたもので、チェーン系の寿司屋には必ずといっていいほどある人気メニューなのだとか。

また、ドイツ人のアナ(Anna)によると、ドイツでは少し前に「揚げ寿司(Deep fried sushi roll)」が流行ったそう。「カリフォルニアロールのような巻き寿司に衣をつけて揚げたもので、中にはサーモンやアボカドなどが入っているお寿司」だそうです。外側の衣のサクサク感と中身の具とのコントラストが美味しいポイント。そう聞くと、食べてみたくなります。

 

日本からの出店が多い「アジア」でも文化に合わせてアレンジ

アジア圏でもお寿司は浸透しています。インドネシア出身のタカ(Taka)によると、インドネシアでは日本チェーンや日本人オーナーが経営しているお店も多く、本格的なお寿司を楽しめるお店も多くあるのだとか。

特徴的なのは、インドネシアはムスリムが多く「ハラール」の文化があること。甲殻類や貝類を避ける人も多いため、カニ寿司などを見かける機会は少ないようです。

寿司はそのまま「SUSHI」で通じるほどグローバル

海外でも人気が広がっているお寿司は、英訳してもそのまま「Sushi」となります。それほどまでに市民権を得ている食べ物ということです。「巻き寿司」も「Sushi roll」が一般的ですが、「Maki」という表現も浸透しつつあります。

また、グルメの間では「握り(Nigiri)」、「ガリ(Gari)」、「たまり醤油(Tamari)」など、お寿司に関する日本語の知名度も上がっています。さらに、お箸を上手に使える人も増えているそうです。

 

ちなみに「回転寿司」を英語で表現すると…

では、「回転寿司」は英語でどのように表すのでしょうか?  「回転寿司」の英語はいくつかあり、一般的に以下のように表現します。
 
  • conveyor belt sushi
  • sushi-go-round
  • rotation sushi
  • revolving sushi
  • sushi train

地域によって表現は異なりますが、英訳としてもっとも一般的なのは「conveyor belt sushi」です。物をのせて移動させる「ベルトコンベヤー(conveyor belt)」に「Sushi」を加えて言い回しになります。

また、「sushi-go-round」は「メリーゴーランド(merry‐go‐round)」から来ています。お寿司が回る様子からメリーゴーランドを連想するのは海外ならではの発想です。

「rotation」は、「軸を中心に回転する」という意味で、「revolving」は、「くるくる回る」という意味です。「回転寿司」の直訳に近い表現で、誰にでもわかりやすいのではないでしょうか。

 

【まとめ】英語を活用して世界を広げませんか? 

日本の食文化であるお寿司が世界でどのように受け入れられているのか、少し理解が深まったのではないでしょうか。

この記事を読んで、日本の食文化がどのように海外に浸透しているのか気になった方は、自信でも調べたり、体験したりしてみてください。お寿司のほかにも世界で愛されている日本食はありますので。その際は「英語」を学ぶことが、世界を知る手助けになるはずです。

英会話スクール「ワンコイングリッシュ」では、日本在住の外国人が英語だけでなく文化などについても教えてくれます。他の先生や生徒とコミュニケーションが取れるイベントも盛りだくさんで、外国人の友人を作りたい方におすすめの英会話学校です。

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この記事を書いた世界人

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