海外で見る「花火」!日本との違いは?オススメは?

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今回のテーマは、日本の夏の風物詩、花火~fireworks~についてです!

日本の花火大会は世界的に非常に有名となっており、特に日本三大花火大会と言われる「秋田県大仙市」「茨城県土浦市」「新潟県長岡市」で行われる花火大会には、コロナ禍前には数多くの外国人観光客が訪日したと言われています。

今ではさまざまな国で打ち上げられる花火ですが、そもそも日本と海外での花火の違いがあるのか?なぜ日本の花火が海外から称賛されているのか?文化、技術、演出の側面から解説していきたいと思います。

 

海外に誇る日本の花火を、訪日外国人の方に英語で説明できるよう、一緒に勉強していきましょう。

また、コロナ禍が落ち着きを見せる中で、海外旅行で各国の「花火」を見たい!という方もいらっしゃるでしょう。編集部のオススメもご紹介します。

日本の花火の特徴とは?

元々は、ポルトガルから種子島に鉄砲(火縄銃)が伝来したのと同時に、日本に観賞用の花火が持ち込まれたとされているようです。当初は鉄砲やのろしとして使用されましたが、江戸時代以降に現在の「花火」の形が広がっていったと言われています。

花火大会の大元と言われているのが、江戸時代の第8代将軍・徳川吉宗が、飢饉と疫病の流行による死者の慰霊と、悪疫退散を願い、東京・両国の川開きの日に水神祭で花火を上げたことがきっかけと言われています。ですが、当時は東京・隅田川以外での花火は禁止されていたようです。

日本の花火は、「丸く大きく均一に開く」「色が変化する」世界でも類を見ない特徴を持っていると言われています。日本人ならではの感性で、夜空で花を咲かし、燃え尽きるまで数秒の命、儚さに美を見いだしていますね。

日本花火の技術的特徴

球体構造による美しい円形

日本の花火の最大の特徴は、**球体状の玉皮(たまがわ)**にあります。火薬を球状に配置することで、爆発時に完璧な円形に開花します。これは日本独特の技術で、世界でも類を見ない美しさを生み出しています。

多層構造による色の変化

日本花火の構造:

  • 中心部: 割火薬(炸裂させる火薬)
  • 内層: 第一色の星(色火薬の粒)
  • 外層: 第二色の星(異なる色の火薬)
  • 玉皮: 外側を包む和紙と糊
  • 導火線: 時間差で各層を点火

 

この多層構造により、爆発の瞬間から時間差で異なる色が現れ、まるで花が咲き開くような美しいグラデーションが生まれます。

2025年現在の日本花火産業データ

項目

データ

花火製造業者数

約120社

年間生産額

約200億円

花火大会開催数

約2,000回(2024年実績)

観客動員数

年間約6,000万人

海外輸出額

約15億円(2024年)

花火師人数

約3,000人

日本独特の花火文化

「もののあはれ」の美学

日本の花火文化には、桜の花のように短い美しさを愛でる「もののあはれ」の美学が深く根ざしています。数秒で消える儚い美しさに、日本人は特別な価値を見出します。

職人技の極致

日本の花火師は代々受け継がれる職人技術を持ち、一つ一つの花火を手作業で製作します。特に以下の技術は世界で高く評価されています:

  • 型物花火: 土星、ハート、文字などの形を描く
  • 錦冠(にしきかむろ): 金銀の光が柳のように垂れ下がる
  • 千輪菊: 大輪の菊の花のように開く最高峰の技術

花火大会はもちろんですが、日本の花火の特徴かつ皆さんにとって身近なのは夏の夜にやるカラフルな手持ち花火ではないでしょうか?空中に絵や文字を書いたり、線香花火で落ちるまでの時間を勝負したり、多くの方が子供の頃に楽しみにしていたかと思います。

手持ち花火の文化的意義

線香花火の哲学

線香花火は日本独特の文化で、4つの段階「牡丹→松葉→散り菊→のま」で火花の変化を楽しみます。これは人生の四季にも例えられ、深い精神性を持った文化的体験です。

線香花火の4段階:

  • 牡丹(ぼたん): 大きな火の玉、青年期
  • 松葉(まつば): パチパチと音を立てる、壮年期
  • 散り菊(ちりぎく): 細かい火花が散る、老年期
  • のま: 最後の一筋の光、人生の終焉

花火大会はもちろんですが、日本の花火の特徴かつ皆さんにとって身近なのは夏の夜にやるカラフルな手持ち花火ではないでしょうか?空中に絵や文字を書いたり、線香花火で落ちるまでの時間を勝負したり、多くの方が子供の頃に楽しみにしていたかと思います。

皆さんご存知、花火は英語で“fireworks”ですよね。
ちなみに手持ち花火は“small fireworks”と言います。
では、「花火を上げる」って英語で何て言うかわかりますか?
答えは“set off fireworks”
例文を見ながら勉強しましょう。

In Japan, people set off small fireworks in summer.
日本では多くの人が夏に花火をします。

I’m so impressed by the beauty of Japanese fireworks.
日本の花火の美しさにとても感動しています。
花火に関する英語
ワンポイントレッスン

ちなみに、今年は日本各所で花火大会が開催されているようです。東京の神宮外苑の花火大会はコロナ禍以降初となる、3年ぶりの開催が2022年8月20日に予定されています。お近くにお住まいの方は、久しぶりに見に行ってみてはいかがでしょうか?

海外の花火の特徴とは?

一方、海外の花火のルーツは、諸説ありますが、そもそもは古代中国の狼煙が起源となっているようです。

13世紀以降のヨーロッパでは主にイタリアで祝砲のために花火が盛んに使われていました。その後、観賞用として広く伝わり、キリスト教の祝祭や王室の結婚式、戴冠式などでも花火が使われました。17世紀に入ると、北欧の国では花火の専門学校も設立されました。

西洋花火の技術的特徴

円筒型構造による演出効果

西洋の花火は円筒型のため、一方向に強い光を放射します。これにより以下のような特徴があります:

西洋花火の特徴:

  • 構造: 円筒型、縦方向に火薬を配置
  • 開花: 扇状または一方向性
  • 色: 単色、変化なし
  • 製造: 機械プレス、大量生産
  • 目的: 祝砲、照明、軍事的合図

 

音響効果の重視

西洋の花火文化では、視覚的美しさよりも 音響効果 を重視する傾向があります。大きな爆発音で祝砲や合図としての役割を果たすことが主目的でした。

花火の歴史的発展

古代中国:火薬の発明

花火の起源(中国):

  • 紀元前2世紀: 黒色火薬の発明
  • 7世紀: 竹筒を使った原始的花火
  • 10世紀: 軍事用火薬兵器として発達
  • 12世紀: 祝祭用花火として確立

 

ヨーロッパへの伝播

ヨーロッパでの発展:

  • 13世紀: マルコ・ポーロにより西洋に伝来
  • 14世紀: イタリアで祝砲として発達
  • 16世紀: 王室行事の必須アイテムに
  • 17世紀: 花火専門学校設立(ドイツ・ニュルンベルク)
  • 18世紀: ロココ時代に芸術的花火の全盛期

海外、特に欧米の花火の特徴としては、円筒状で作られるため、日本の花火のように空中で丸くならないところです。また、一種類の色の火薬だけを機械でプレスして作るため、色の変化もありません。これは、そもそも花火を上げる目的が、海外の場合は祝砲だったり、城を照らすためだったり、主に文化の違いが大きいところでしょう。

最近ではアニメや漫画の影響もあり、海外でも日本の花火大会は人気があるようで、浴衣を着て花火を見るという行為が、外国人の憧れになっているという話も聞きます。

アメリカでの独自発展

アメリカでは独立戦争時代から花火が愛国心の象徴として位置づけられ、現在でも独立記念日(7月4日)には全国で花火が打ち上げられます。

最近ではアニメや漫画の影響もあり、海外でも日本の花火大会は人気があるようで、浴衣を着て花火を見るという行為が、外国人の憧れになっているという話も聞きます。

日本の花火大会は、お祭り色が強いので、英語では“fireworks festival”や“fireworks display”と訳されます。
この夏は外国人の友達を花火大会に誘ってみてはいかがですか?その際に、日本の花火の特徴や説明を付け加えると、より魅力的に伝わりそうですね。
ぜひ例文を見て、覚えて使ってみてくださいね。

Why don't we go to the fireworks festival along with the Jingu-Gaien next week?
来週開催される神宮外苑の花火大会に一緒に行かない?

Fireworks are one of the charms of summer in Japan.
花火大会は日本の夏の風物詩の1つです。

Hanabi is a compound word of ‘hana’ meaning ‘flower' and ‘bi’ meaning ‘fire.'
日本語の「花火」は「花」と「火」を合わせた言葉です。
花火に関する英語
ワンポイントレッスン

オーストラリアは「国民の日」を花火で祝う!

―各国それぞれで特徴のある花火を見る!

さて、日本の心とも言える「花火」ですが、海外の花火を知ることで、日本の花火への理解も深まるでしょう。

せっかくですので、海外旅行を花火の日程に合わせて楽しんだり、花火が定期的に打ち上げられるスポットに行くというのも良いのではないでしょうか?そこで、各国の花火事情をピックアップしてお伝えしていきます。

まずは、オーストラリアです。毎年1月26日は、オーストラリアの国民の日として「オーストラリア・デイ」と呼ばれています。この日にシドニーで花火大会が開催されます。ライトアップなども盛んで、一度は参加してみたいイベントです。是非、この日程に合わせて旅行してみてはいかがでしょうか? 

オーストラリア・デイの詳細

オーストラリア・デイ花火情報:

  • 開催日: 毎年1月26日
  • 会場: シドニーハーバー(主会場)
  • 時間: 21:00-21:30(約30分間)
  • 観客数: 約150万人
  • 特徴: ハーバーブリッジからの海上花火
  • 費用: 無料観覧エリア多数

 

その他のオーストラリア花火イベント

  • New Year’s Eve: 世界で最初に新年を迎える花火
  • Australia Day各州: メルボルン、ブリスベン、パースでも開催
  • VIVID Sydney: 5-6月の光とアートの祭典

カナダ・バンクーバーで開催された花火大会に日本代表が出場?

カナダ・バンクーバーでも花火大会が開催

バンクーバーでは「Celebration of Light」という名の花火大会が夏の風物詩となっています。1990年から30年以上続いておりましたが、2020年、2021年はコロナのため中止されていました。毎年3カ国が参加し、花火の美しさを競う花火大会で、今年は3年ぶりに開催されます。カナダ、スペイン、そして日本の花火チームが出場しています。

現地時間7/23(土)の夜に日本チームの演技があり、27(水)にカナダチーム、30(土)にスペインチームの花火が打ち上げられます。

早速今年の日本チームの映像が発信されていましたので、こちらに貼っておきますね。

意外と知られていないアメリカの花火事情

―独立記念日以外は花火禁止!

アメリカでも花火は有名で、特に7/4の独立記念日にはアメリカ全土の至る所で花火が打ち上げられています。ですが、実はアメリカの多くの州では「手持ち花火」は違法となっているんです。

主に山火事の原因になったり、火災予防の観点で、公園やビーチさらには個人の庭でも手持ち花火を使うことを禁止しています。州によっては、花火の販売を規制、製造と販売を許可制としているところもあり、個人で楽しむというよりは、何か大きなイベントの一環として遠くから観ることが、アメリカの花火の楽しみ方となっています。

他の国でも、花火に関してはさまざまなルールがあり、ベルギーでは花火が許可制のため、隣国のオランダまで花火をするために足を運ぶ人もいるとのこと。

ドイツやイギリスでは、ニューイヤーイブなど特別な日のみ。メキシコではニューイヤーのみ。ニュージーランドはそもそも花火禁止などなど、国によって花火の事情は異なってきます。

豪華?爆音?その他の国の花火事情

超豪華!ドバイのカウントダウン花火

今もっともゴージャスとされるドバイでも、毎年ニューイヤーイヴには大規模なカウントダウン花火が打ち上げられます。

当日は何時間も前から周辺エリアは激混み。地上では身動きが取れないほどのところもあり、ボートに乗って海上から楽しむ人もいるようです。


さらに、ドバイのカウントダウン花火のすごいところは、ギネス世界記録を更新し続けていること!

2018年に「世界最大の打ち上げ花火」、2019年には「最長の連鎖花火」「最長の直線花火」、2020年には、173機のドローンから同時に花火に点火され「同時に花火を打ち上げた無人空中機の数」、また3788メートル86センチもの記録を作った「最長の花火の滝」で、ギネス世界記録を5つも達成しているんです!

ちなみに、ワンコイングリッシュが提供している留学サービス「ワンコイン留学」では、ドバイの語学学校もご紹介しています。興味がある方はこちらから詳細を見てみてください♪

日本の花火にはさまざまな種類がありますよね。ロケット花火や線香花火などなど。それらの英語の名前ってなんだっけ?英語でどう説明するの?
例文を見ながら一緒に勉強しましょう。

Can you light the skyrocket?
ロケット花火に火をつけてくれない?

Sparklers, called ‘senko-hanabi’ are traditional small fireworks in Japan.
「線香花火」は日本の伝統的な手持ち花火です。

‘Nezumi-hanabi’ are round, flat fireworks that spin around while shooting out sparks.
「ねずみ花火」は火花を散らしながら回転する平らな円形の花火です。
花火に関する英語
ワンポイントレッスン

旧正月の定番。爆音の爆竹でお祝い。

New Yearになると多くの国でカウントダウンの花火が上がるのが定番となっていますが、中華圏の国では、特に旧正月(春節)に派手な花火でお祝いされます。ちなみに、旧正月によく使用される爆竹のような音がメインの花火は英語で”cracker”と言われています。

主に魔除けの意味で使われる爆竹ですが、実は鳴らす回数によって呼び名と意味が異なります。

3回は「連中三元」、4回は「福、禄、寿、喜」と呼ばれ、いずれもお祝いのめでたさを意味しています。

6回は「六六大順」と言い、六が禄(=給料)に通じることから順風満帆の意味が込められています。

また、100連発になると、「百子爆」と呼び、万事がうまくいき利益を得られるとされています。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 世界的に称賛されている日本の花火の特徴を知ることができ、いろんな人に自慢したくなったのではないでしょうか?

海外の花火との違いを知ることによって、本当の文化を体験できる気がしてきますね。そうした中で、見えていなかった自分たちの文化にも気付かされかも! このように、異文化を知ることは、人生の幅を広げてくれます。その点、「英語」を学ぶことは、異文化を知ることを容易にしてくれるでしょう。

ワンコイングリッシュでは、日本在住の多くの外国人講師が英語だけでなく文化などについても教えてくれます。他の先生や生徒とコミュニケーションが取れるイベントも盛りだくさんで、海外の文化を知ろうとしている方におすすめの英会話スクールです。

体験レッスンも受付中ですので、是非活用をご検討ください。

この記事を書いた世界人

1 thought on “海外で見る「花火」!日本との違いは?オススメは?

  1. Incredible! This blog looks exactly like my old one! It’s on a completely different subject but it has pretty much the same layout and design. Excellent choice of colors!

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