「日本の静寂が教えてくれた内なる平和」ベトナム人が見た日本の価値観

30代のThao Buiさんは、ベトナム出身で日本での滞在が2年になります。日本での生活を通じて、彼女自身の成長と日本社会への深い洞察を得てきました。今回のインタビューでは、彼女の目に映る日本の姿と、自身の変化について語っていただきました。

――日本での滞在はどれくらいになりますか?

「2年になります。30代のうちに来日しました。」

――日本に来てから、ご自身の中で何か変化を感じることはありますか?

「より自立するようになり、自分自身をより良くケアできるようになりました。料理できる料理の種類も増えましたし、日本の静寂さのおかげもあって、自分が何者であるかということにより平和に向き合えるようになりました。

日本での生活は、私にとって内面的な成長の機会となっています。一人の時間を有意義に過ごすことの大切さや、自分と向き合うことの価値を学びました。」

――来日前の日本のイメージと、実際に経験した日本との間にギャップはありましたか?

「日本人と友達になったり、参加できるバドミントンクラブを見つけたりするのがこんなに難しいとは思いませんでした。

また、果物や野菜がこんなに高いとは想像していませんでした。これは本当に憂鬱になります。通勤にも想像以上に時間がかかることに驚きました。

これらは日常生活での実用的な面での発見でしたが、同時に日本社会の構造的な特徴でもあると理解するようになりました。」

――日本人の価値観や考え方で驚いたことはありますか?

「日本人は長期的には問題につながる可能性があるとしても、対立を避けようと最善を尽くしているように見えます。これは興味深い文化的特徴だと思います。

一方で、日本の高齢者の方々が自分自身を忙しく活動的に保とうとする姿勢はとても印象的です。年齢を重ねても積極的に生活している姿に感銘を受けました。

そして、日本人がルールを守る姿勢は極端なほどです。ほとんどの人が信号無視をしたり、列に割り込んだりしません。この秩序正しさは他の国では見られないレベルだと思います。」

――日本でまた訪れたい場所はありますか?

「長野には絶対にもう一度行きたいです。夏に上高地を訪れたのですが、今度は秋の景色を見てみたいんです。長野の他の地域も訪れてみたいと思っています。あそこの自然は本当に息をのむほど美しいです。

江の島・鎌倉も再訪したい場所です。2回行きましたが、まだ時間が足りなくて探索できていない部分があります。東京に近く、平和で心地よい場所です。

奈良にも行きたいですね。従兄弟がそこに住んでいるのですが、前回訪れた時に行きたかった場所すべてを回ることができませんでした。」

――逆に、もう訪れたくないと思う場所はありますか?

「箱根は2回行きましたが、少し観光地化されすぎていると感じました。

東京の浅草も観光地化されすぎていて、すべてが商業化されているように見えます。

横浜には興味がありません。都市の景観や夜景にはあまり関心がないんです。海岸部分には行ったことがありませんが、ベトナムの海岸より美しいとは思えないので、パスします。」

Thaoさんの話からは、日本での生活を通じて「自立」と「内なる平和」という個人的な成長を遂げている様子がうかがえます。日本社会の持つ静寂さや秩序正しさに価値を見出す一方で、友人関係の築き方や物価の高さといった実用的な課題も率直に語っています。高齢者の活動的な姿勢や極端なまでのルール遵守に驚きを示しながらも、それらを日本文化の特徴として受け入れている姿勢が印象的です。自然豊かな場所への愛着と、過度に商業化された観光地への批判的な視点は、彼女の価値観の変化を表していると言えるでしょう。

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