「テクノロジー先進国の意外な官僚主義」ポーランド人が見た日本の価値観

30代のKacper Kurzejamskiさんは、ポーランド出身で日本での滞在が1年未満になります。ヨーロッパとは大きく異なる日本の文化や社会システムに驚きながらも、短期間で多くの発見と成長を遂げてきました。今回のインタビューでは、彼の目に映る日本の姿と、自身の変化について語っていただきました。

――日本での滞在はどれくらいになりますか?

「1年未満です。30代になってから来日しました。」

――日本に来てから、ご自身の中で何か変化を感じることはありますか?

「周りの人たちをより意識するようになり、特に電車などの混雑した場所ではより注意深くなりました。ヨーロッパでは人々は他人の快適さをそれほど気にかけませんが、ここでは最近、リュックサックを下ろすなどの小さなことを自動的にするようになりました。

また、より自信を持てるようになりました。日本語が話せないので、最初は食べ物を注文したり、誰かと話したりするのが難しく、特に一人でいる時は大変でした。日本に来て2ヶ月半が経ち、いくつか役立つフレーズを覚えて、それらを使うときのストレスが減りました。」

――来日前の日本のイメージと、実際に経験した日本との間にギャップはありましたか?

「官僚主義とデジタル化の遅れには大きなショックを受けました!日本は技術的に非常に先進的だというイメージを持っていましたが、銀行や政府機関などはポーランドよりもずっと遅れていることがわかりました。

ヨーロッパでは、銀行口座の開設や基本的な政府関連の手続きはすべてオンラインで行います。日本では書類の山に記入する必要があります。ゆうちょ銀行には『オンライン申請』のオプションがありますが、それを使っても印刷して直接提出しなければなりません。そして実際にやってみると、タブレットで全ての情報を再度記入させられました。

また、日本語が話せないのも問題で、Google翻訳をかなり頻繁に使わなければなりません。」

――日本人の価値観や考え方で驚いたことはありますか?

「伝統と日常的なルールの重要性の高さは、実際に日本に来てからでないと見えてきません。特定のルールが長い間存在していて、効率的な社会を維持するのに役立っていますが、そのために日本人や企業は変化を導入することに非常に慎重になっています。

また、ルールの背景にある理由の説明を得るのも困難です。銀行で特定の手数料がなぜ適用されるのかを尋ねたところ、『それがルールです!』という答えしか得られませんでした。

この経験は、日本社会の構造的な特徴を理解する上で非常に興味深いものでした。」

――日本でまた訪れたい場所はありますか?

「京都の伏見稲荷大社には絶対にもう一度行きたいです。非常に美しく、宗教と自然が一体となったスピリチュアルな体験ができる場所でした。

築地市場も再訪したい場所です。とても忙しい場所ですが、これまでに味わったことがないほど新鮮な海鮮を食べることができました!

渋谷のスクランブル交差点周辺も魅力的です。活気に満ち溢れ、近くの居酒屋やレストランも素晴らしく、大きくて人が多い都市を愛する人には最高の場所です。」

――逆に、もう訪れたくないと思う場所はありますか?

「秋葉原は少し期待外れでした。中古電子機器市場以外には、他の地区にないもの、むしろ他の地区の方が良いものが多いです。アニメショップは楽しいですが、一度訪れれば十分な場所だと思います。

ドン・キホーテの店舗はひどくうるさく、感覚の過負荷が保証されています。

ディズニーランドも、最初は行きたいと思っていましたが、より良いテーマパーク(ワーナーブラザーズパークや江戸ワンダーランドなど)があるようです。」

Kacperさんの話からは、ヨーロッパとは大きく異なる日本社会のシステムと価値観に戸惑いながらも、その背景にある文化的な意味を理解しようとする姿勢がうかがえます。デジタル化の遅れに驚きながらも、日本人の他人への配慮や社会的なルールの重要性を学び、自身の行動を変化させています。伝統的な場所での精神的な体験と現代的な都市の活気の両方を楽しむ一方で、商業化されすぎた場所への批判的な視点も持っているのが印象的です。短期間の滞在ながら、日本社会の複雑さと多面性を深く観察している様子が読み取れます。

この記事を書いた世界人

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