現地人が教える韓国で人気の隠れた絶景スポット5選

ドイツといえば、約3,000もの古城が現存する「古城の国」として知られていますが、ノイシュヴァンシュタイン城以外にも、現地の人たちが特別に愛する隠れた名城が数多く存在します。今回は、フランクフルト在住15年のハンスさん(仮名)に、観光客にはまだあまり知られていない現地の人だからこそ知る特別な古城・宮殿を5つ教えてもらいました。これらの場所は、ドイツの深い歴史と多様な建築様式を物語る、真の文化遺産です。
ドイツの古城・宮殿が持つ特別な魅力
――ハンスさん、観光地化されていない古城・宮殿には、どんな特別な魅力があるのでしょうか?
「ドイツの古城・宮殿の最大の魅力は、それぞれが異なる時代の建築様式と歴史的背景を持っていることです。10世紀初頭からの長い歴史の中で、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックと様々な様式が融合しています。特に穴場の古城では、観光地化されていない分、中世から続く本当の歴史の重みを肌で感じることができます。また、ドイツの古城の多くは今でも貴族の末裔が住んでいたり、実際に使用されているため、『生きた歴史』を体験できるのが他国にはない特徴です。」
1. エルツ城(ラインラント=プファルツ州)- 800年間一度も破壊されなかった奇跡の城
モーゼル川とライン川の間、深い森に囲まれた岩山の上に建つエルツ城は、12世紀に建設されて以来、33代にわたってエルツ伯爵家が住み続けている現役の古城です。ドイツ三大美城の一つで、500ドイツマルク紙幣の図柄としても使用されていました。
「エルツ城は本当に特別な存在です。800年以上の歴史の中で一度も戦争で破壊されたことがない、ドイツでも稀有な城なんです。現在でも33代目の当主が実際に住んでいて、訪問すると本物の生活感のある古城を体験できます」とハンスさんは語ります。
建築的特徴
ガナーベンベルク(共同相続城)という特殊な形態で、複数の家族が共同で管理してきました。ロマネスク様式から初期バロック様式まで、500年間の建築史が一つの城に凝縮されています。
見どころ
城内には当時の武器、家具、絵画がそのまま保存されており、中世の騎士の生活を垣間見ることができます。特に武器庫と宝物庫は圧巻です。
自然との調和
エルツ川の渓谷から70メートルの高さにそびえ、四季折々の美しい景色が楽しめます。特に秋の紅葉時期は絶景です。
アクセス情報
- 所在地: Burg Eltz 1, 56294 Wierschem
- アクセス: コブレンツから車で約30分
- 営業時間: 4月-10月 9:30-17:30
- 入場料: 12ユーロ
2. リヒテンシュタイン城(バーデン=ヴュルテンベルク州)- おとぎ話を現実にした夢の城
シュヴァーベン・アルプの断崖絶壁の上に建つリヒテンシュタイン城は、19世紀ロマン派の作家ヴィルヘルム・ハウフの小説『リヒテンシュタイン』に感動したヴュルテンベルク大公が、物語の世界を忠実に再現して建設した城です。
「この城は『ヴュルテンベルクのおとぎ話の城』と呼ばれていて、まさに童話の世界から飛び出してきたような美しさです。小説を基に建てられたという珍しい歴史を持ち、現実と物語が融合した唯一無二の存在なんです」とハンスさんは興奮気味に説明します。
建築的特徴
ネオゴシック様式で建設され、中世の騎士城の理想形を追求しています。塔、跳ね橋、城壁などが小説の記述に忠実に再現されています。
ロケーション
エチャツ川とホナウ村を見下ろす250メートルの断崖の上に位置し、まるで雲の上に浮かぶような神秘的な姿を見せます。
現在の状況
現在も個人所有で、30分間のガイド付きツアーで内部見学が可能です。実際の大きさは写真で見るより小ぶりですが、その分親密感があります。
アクセス情報
- 所在地: Schloß Lichtenstein 1, 72805 Lichtenstein
- アクセス: シュトゥットガルトから車で約1時間
- 営業時間: 9:00-17:30(冬季10:00-16:00)
- 入場料: 9ユーロ
3. シュヴェリーン城(メクレンブルク=フォアポンメルン州)- 湖に浮かぶ「北のベルサイユ」
シュヴェリーン湖の小島に建つシュヴェリーン城は、「北のベルサイユ」と称される壮麗な宮殿です。653室を誇るこの城は、フランスのシャンボール城をモデルとして1857年に完成しました。
「シュヴェリーン城は本当に幻想的です。湖に浮かぶ島全体が宮殿になっていて、水面に映る城の姿は息をのむ美しさです。現在も州議会の建物として使用されているので、『生きた宮殿』を体験できます」とハンスさんは推薦します。
建築様式
ネオルネサンス様式、バロック様式、ロココ様式が混在した複合建築で、外観はフランス風、内装はドイツらしい重厚な造りです。
見どころ
メクレンブルク大公の「王座の間」はイタリア大理石で装飾され、当時の豪華絢爛さを物語っています。また、湖からの城の眺めは格別です。
現在の利用
現在もメクレンブルク=フォアポンメルン州議会として使用されており、政治の現場としても機能しています。
アクセス情報
- 所在地: Lennéstraße 1, 19053 Schwerin
- アクセス: ハンブルクから電車で約1時間
- 営業時間: 10:00-18:00(冬季10:00-17:00)、月曜休館
- 入場料: 8.50ユーロ
4. ヴァルトブルク城(テューリンゲン州)- 宗教改革の聖地となった世界遺産
アイゼナハ市街を見下ろす410メートルの山頂に建つヴァルトブルク城は、1999年にユネスコ世界遺産に登録された歴史的な城です。マルティン・ルターが聖書をドイツ語に翻訳した場所として、宗教史上極めて重要な意味を持ちます。
「ヴァルトブルク城はドイツの精神的な故郷とも言える場所です。ルターがここで聖書を翻訳したことで、ドイツ語そのものが発展し、宗教改革が始まりました。また、若きバッハもこの街で過ごしており、ドイツ文化の源流を感じられる特別な場所です」とハンスさんは語ります。
歴史的意義
1521年、ルターがここに隠れ住み、新約聖書をドイツ語に翻訳しました。その部屋には、ルターが悪魔にインク瓶を投げつけたという伝説の染みが残っています。
建築と展示
12-15世紀に建設された中世の城で、内部は19世紀に改装されました。城内の美術館には貴重な芸術品が展示されています。
文化的背景
ワーグナーのオペラ『タンホイザー』の舞台でもあり、中世の騎士たちの歌合戦の伝承地としても知られています。
アクセス情報
- 所在地: Auf der Wartburg 1, 99817 Eisenach
- アクセス: アイゼナハ駅から車で約10分
- 営業時間: 8:30-20:00
- 入場料: 11ユーロ
5. ツヴィンガー宮殿(ザクセン州ドレスデン)- バロック建築の最高傑作
ドレスデン旧市街にあるツヴィンガー宮殿は、18世紀に建設されたバロック建築の傑作です。元々は宮廷の展示ギャラリーとオランジェリーとして使用され、現在は3つの複合博物館となっています。
「ツヴィンガー宮殿は、バロック建築の美しさを極めた建物です。特に中庭の噴水と建物の調和は息をのむ美しさで、ザクセン選帝侯の権力と美学が結晶化した傑作なんです。現在は美術館として、世界最高水準のコレクションを楽しめます」とハンスさんは説明します。
建築的特徴
洗練されたバロック様式で、曲線を多用した優美なデザインが特徴です。噴水のある大きな庭園を囲むように建物が配置されています。
博物館として
現在はアルテ・マイスター絵画館、ドレスデン磁器コレクション、数学・物理学博物館として利用されています。
眺望
屋上のカフェ・レストランからは、宮殿と市街北部を一望できます。
アクセス情報
- 所在地: Sophienstraße, 01067 Dresden
- アクセス: ドレスデン中央駅から徒歩15分
- 営業時間: 10:00-18:00(月曜休館)
- 入場料: コンビネーションチケット14ユーロ
現地の人からのアドバイス
古城ホテルについて 「ドイツには古城ホテルがたくさんあります。エルツ城近くのブルクホテル・アウフ・シェーンブルクなど、実際の古城に泊まれる体験は一生の思い出になります」とハンスさんはアドバイスします。
訪問のベストシーズン 「春から秋(4月-10月)がおすすめです。特に秋は森の紅葉と古城の組み合わせが美しく、ドイツらしい情景を楽しめます。」
古城街道について 「マンハイムからバイロイトまで続く『古城街道』を利用すると、効率よく複数の城を巡ることができます。レンタカーでのんびり回るのが一番おすすめです。」
ガイドツアーの活用 「各城でドイツ語の詳しいガイドツアーが実施されています。英語ガイドがない場合でも、事前に歴史を調べておくと理解が深まります。」
古城での体験 「一部の城では中世騎士祭やコンサートなど特別イベントが開催されます。特にエルツ城の騎士の食事会は大人気なので、日程が合えば参加してみてください。」
冬季の注意 「多くの古城は冬季(11月-3月)に休館します。また、山の上にある城は積雪でアクセスが困難になる場合があるので、事前確認が必要です。」
まとめ
ドイツの古城・宮殿は、単なる観光地ではなく、千年以上にわたるヨーロッパの歴史と文化が凝縮された文化遺産です。エルツ城の生きた中世体験、リヒテンシュタイン城のロマンチックな物語、シュヴェリーン城の湖上の美、ヴァルトブルク城の宗教史的意義、ツヴィンガー宮殿のバロック美学など、それぞれが異なる魅力と価値を持っています。
これらの古城・宮殿を訪れる際は、表面的な美しさだけでなく、その背後にある歴史的背景、建築的工夫、そして現在でもそこに暮らす人々の生活に思いを馳せてください。そうすることで、ドイツという国の奥深さと文化の多様性をより深く理解できるでしょう。
次回訪問時に: 古城見学の後は、近くの古都や村を散策したり、地元のビール醸造所で伝統的なドイツビールを味わったりして、ドイツの文化をより深く体験することをお勧めします。また、古城ホテルでの宿泊体験は、中世の貴族になったような特別な思い出を作ってくれるでしょう。