【日本在住タイ人に聞いた!】知っておきたいタイの文化 ~留学、長期滞在、移住、短期滞在・旅行の参考に~

日本と東南アジアの架け橋として、近年ますます関係が深まっているタイ。観光や仕事、留学などで訪れる日本人も多い国ですが、実際の文化や習慣についてはどれだけ知っているでしょうか?今回は日本に住むタイ人の方にインタビューをして、現地の人だからこそ知る本当のタイ文化について教えてもらいました。
タイってどんな国? 日本からのイメージ
タイは東南アジアの中心に位置し、人口約7,000万人の王国です。正式名称は「タイ王国」で、立憲君主制のもと、国王を敬愛する国民性があります。バンコクを中心とした都市部は高層ビルが立ち並び、近代的な発展を遂げている一方で、地方には伝統的な暮らしも残っています。
日本からは「微笑みの国」「親日国」「リゾート地」「おいしい料理」「仏教国」などのイメージを持たれることが多いようです。実際、タイ人は温かくフレンドリーな国民性を持ち、日本人に対しても好意的な印象を持っている人が多いのが特徴です。
タイで暮らす/行くメリットについて
タイに住んだり、旅行に行ったりするメリットって何だと思う?
タイに住むことのメリットはたくさんあるよ!まず物価が安いから、日本と比べると生活費が抑えられるんだ。特に食事や交通費、家賃などは日本の半分以下の場合も多いね。
それから気候が温暖で一年中暖かいこと。寒さが苦手な人には住みやすい環境だと思うよ。ただし、暑季は本当に暑くなるから、それは覚悟しておいた方がいいかも(笑)
あと、タイ人はとても親切でフレンドリーだから、外国人にも温かく接してくれるんだ。「マイペンライ」(気にしないで)の精神で、何事も柔軟に対応してくれるのがいいところだね。
観光に関しては、タイは自然、文化、食べ物、ショッピングなど様々な楽しみ方ができるのがメリット。バンコクのような近代的な都市から、チェンマイのような伝統的な街、プーケットやサムイ島のようなビーチリゾートまで、多彩な魅力があるんだ。
あと、日本からのアクセスも良くて、直行便も多いから気軽に行けるのも魅力だと思うよ。
① 知っておきたいタイの文化(歴史)
タイの歴史で、日本人が知らないけど知っておくべきことってある?
タイの歴史で日本人があまり知らないけど、知っておくと面白いのは、タイが東南アジアで唯一、西洋の植民地支配を受けなかった国だってことかな。周りの国々がイギリスやフランスに支配されていた時代に、タイは独立を守り抜いたんだよ。これはラーマ4世とラーマ5世という2人の賢明な王様のおかげと言われていて、タイ人にとってはすごく誇らしいことなんだ。
あとは、タイの国名は1939年に「シャム」から「タイランド」に変わったんだけど、これはピブーン首相の時代に国の近代化と民族意識の高揚を図るためだったんだよ。「タイ」は「自由」という意味もあるから、この名前には国民の誇りが込められているんだ。
それから、アユタヤ王朝の時代(14世紀〜18世紀)には日本との交流もあって、山田長政というサムライが活躍したことも有名だね。アユタヤには日本人町があったほど、昔から日本とは深い関係があったんだよ。
日本人が知らないかもしれないけど、タイには独自の暦があって、現在は仏暦2568年なんだ。西暦に543年を足すと仏暦になるよ。公的な書類ではこの仏暦が使われていることが多いから、旅行中に日付を見て混乱しないように気をつけてね。
タイと日本の関係について、これまでどんな歴史があった?
タイと日本の関係は600年以上の長い歴史があるんだよ。15世紀にはすでに琉球を通じた交易があったって記録もあるんだ。
特に有名なのは、17世紀初頭にアユタヤ王朝で活躍した山田長政の話だね。彼は日本人傭兵隊を率いてタイの王様に仕え、大きな功績を残したんだ。当時、アユタヤには「日本人町」があって、数千人もの日本人が住んでいたんだよ。
明治時代になると、タイのチュラロンコーン王(ラーマ5世)が日本を訪問して明治天皇と会見したり、日本とタイの間で正式な外交関係が結ばれたりしたんだ。
第二次世界大戦中は複雑な時期もあったけど、戦後はすぐに友好関係を回復して、1955年には当時のプミポン国王と美智子皇后(現上皇后)が訪日されたりもしたよ。
現代では経済面での結びつきも強くて、たくさんの日本企業がタイに進出しているし、日本の文化や食べ物もタイでは大人気なんだ。逆に、日本でもタイ料理やタイ古式マッサージなどが広まっていて、お互いの文化交流がますます盛んになっているよ。
② 知っておきたいタイの文化(コミュニケーション)
タイ人のコミュニケーションの特徴って何かある?日本と違うところは?
タイ人のコミュニケーションの大きな特徴は「マイペンライ」(気にしないで、大丈夫)の精神だね。何か問題があっても、あまり深刻に考えず、柔軟に対応する文化があるんだ。日本人は細かいことを気にする傾向があるけど、タイ人はもっと大らかでね。
あとは、タイでは「面子」を大切にする文化があるよ。人前で他人を批判したり、恥をかかせたりすることは避けるんだ。そのため、直接的な意見を言うよりも、遠回しに伝えることが多いかな。これは日本の「和を大切にする」文化と似てるところもあるね。
タイ語では「クラップ」(男性が使う)や「カー」(女性が使う)という丁寧を表す言葉を文末に付けるんだけど、これは日本語の「です・ます」みたいなもので、目上の人や初対面の人との会話では必ず使うよ。ただ、日本語よりもっと頻繁に使われるから、日本人が聞くとちょっと驚くかもしれないね。
そして、タイでは笑顔がとても大切。「微笑みの国」と呼ばれる理由だけど、怒っていたり、困っていたりしても笑顔を見せることがあるんだ。だから、タイ人の笑顔の裏にある本当の感情を読み取るのは外国人には難しいかもしれないね。
あと、タイでは最初に会った時に「何歳?」「給料はいくら?」「結婚してる?」みたいな質問をされることもあるよ。日本だと失礼に当たるようなプライベートな質問でも、タイでは普通の会話のきっかけとして使われることがあるんだ。これはただの好奇心や親しみを表す方法で、悪気はないんだよ。
タイの挨拶の仕方とか、日本と違うマナーとかって何かある?
タイと日本では挨拶の仕方が全然違うね。タイでは「ワイ」という合掌の形で挨拶するんだよ。両手を胸の前で合わせるんだけど、相手との関係によって手の位置が変わるんだ。目上の人やお坊さんには顔の高い位置で、同等の人には胸の前で、年下の人には少し低い位置でワイをするよ。
それから、タイでは頭は体の中で最も神聖な部分と考えられているから、他人の頭に触れるのはタブーなんだ。特に子供の頭をなでるのは日本では普通でも、タイではあまり良くないとされることがあるから注意が必要だよ。
逆に、足は体の中で最も低い部分とされていて、足で何かを指したり、足を誰かに向けて座ったりするのは失礼だとされているんだ。寺院に入る時などは特に気をつけた方がいいよ。
あとは、寺院やお店、家など建物に入る時には靴を脱ぐことが多いことも日本と似ているところかな。ただ、タイでは玄関で靴を揃えたりしないで、そのままポンと脱ぐことが多いよ。
王室に対する敬意も大切で、タイでは王室メンバーの批判は法律でも禁じられているんだ。映画館では映画の前に国王賛歌が流れる時は必ず起立して敬意を表すし、街中の至る所に王室メンバーの写真が飾られているのを見ることができるよ。
③ 知っておきたいタイの文化(プレゼント)
タイでは友達や家族にどんなプレゼントが喜ばれる?特別な日にはどんなものを贈る?
タイでのプレゼント文化は日本とちょっと違うところもあるよ。
まず、友達への誕生日プレゼントは、実用的なものが多いかな。ブランド物の小物や化粧品、アクセサリーなどが人気だね。特に若い人たちの間では、インスタ映えするような見栄えのするプレゼントが喜ばれるよ。
家族への贈り物としては、健康食品やサプリメントなんかも意外と人気があるんだ。タイ人は健康に気を使う人が多いから、良い漢方薬やビタミン剤なんかは特に年配の家族に喜ばれるよ。
特別な記念日には、食べ物の詰め合わせも定番だね。特に高級フルーツのバスケットは、お見舞いやお祝い事など様々な機会に贈られるよ。ドリアンやマンゴスチン、ランブータンなどのタイの果物は贈り物として喜ばれるんだ。
あとは、タイは仏教国だから、仏像や仏教関連のお守りなんかも特に年配の方へのプレゼントとしては良いかもしれないね。
でも、プレゼントをする時の注意点もあって、ハンカチは別れや悲しみを連想させることがあるから避けた方がいいし、ナイフなどの鋭利なものも「関係を切る」というイメージがあるから、あまり贈らない方がいいかな。
タイの結婚式や葬式ではどんなプレゼントやマナーがある?
タイの結婚式と葬式ではそれぞれ独特のマナーやプレゼントの習慣があるよ。
結婚式ではお祝い金を包むのが一般的なんだけど、日本のようにご祝儀袋ではなく、普通のカードや封筒に入れることが多いかな。金額は人間関係や自分の経済状況によって変わるけど、奇数の金額(特に9で終わる数字)が縁起が良いとされているよ。例えば、999バーツとか1,999バーツみたいな感じかな。
結婚式の服装は、最近は日本と同じような洋装の結婚式も増えてきたけど、伝統的なタイスタイルの結婚式では、明るい色の服装が好まれるよ。でも白は避けた方がいいかな。タイでは白は喪服の色だから。
葬式では、日本と逆で白や黒の喪服を着ることが一般的。僧侶への寄付(お布施)をするのが習慣になっているよ。金額は特に決まりはないけど、故人や遺族との関係によって適切な金額を選ぶといいね。
それから葬式では、参列者に小さな記念品(故人の写真や名前が入ったキーホルダーなど)が配られることもあるんだ。これは故人を偲ぶためのもので、日本にはない習慣かもしれないね。
葬式の雰囲気も日本と少し違って、もう少しオープンな感じかな。親族や友人が集まって思い出話をしたり、時には笑い声も聞こえたりする、そんな雰囲気だよ。これは「死」に対する考え方が少し違うからかもしれないね。仏教の輪廻転生の考え方が根付いているから、死はサイクルの一部として捉えられているんだ。
④ 知っておきたいタイの文化(食文化)
タイ料理のマナーや食べ方のコツって何かある?
タイの食事マナーは日本とかなり違うから、知っておくと役立つことがたくさんあるよ!
まず、タイでは基本的にスプーンとフォークを使って食べるんだ。右手にスプーンを持って、それがメインの食器。左手のフォークは食べ物をスプーンに寄せるために使うんだよ。ナイフはあまり使わないね。
お箸は中華料理やヌードル料理の時だけ使うことが多いかな。だから、すべての料理にお箸を使おうとすると、少し変に見られるかもしれないよ。
それから、タイではほとんどの料理を共有するスタイルなんだ。各自が自分の皿にご飯を盛って、みんなで真ん中の料理を取り分けて食べるんだよ。一人一皿じゃなくて、いろんな料理を少しずつ食べるのがタイ流なんだ。
そして、タイ料理はすべての味(甘い、辛い、酸っぱい、しょっぱい)のバランスを大切にするから、複数の料理を組み合わせて食べるのが正解!一品だけを食べるよりも、いろんな味を組み合わせると本当の美味しさがわかるよ。
あとは、タイではレストランでもストリートフードでも、調味料(魚醤、砂糖、唐辛子など)が卓上に置いてあることが多いんだ。これは自分好みの味に調整するためのものだから、遠慮なく使っていいんだよ。特に、パッタイ(タイ風焼きそば)などは自分で味を調整して食べるのが一般的なんだ。
タイの朝食や、夜ご飯ではどんなものを食べることが多い?
タイの朝食は日本とかなり違うんだよ。朝からガッツリとした味付けの料理を食べることが多いんだ。
朝食の定番は「カオトム」というおかゆに具材が入ったものや、「ジョーク」という中華風のおかゆ。これに揚げパンの「パトンコー」を付けて食べることも多いよ。あとは「カイジアオ」というタイ風オムレツにご飯を添えたものも人気だね。
都市部では朝食を外で買って食べる人も多くて、ストリートの屋台で「カオニャオ・ムーピン」(もち米と焼き豚)を買ったり、「カノム・パン・サンカヤー」(カスタードクリームパン)を食べたりすることも一般的だよ。
コーヒーショップ文化も広がっていて、特に若い世代はカフェでパンと一緒にコーヒーを飲む朝食スタイルも増えてきているね。
夕食はタイの食事の中で最も重要で、家族そろって食べることが多いんだ。典型的なタイの夕食は、ご飯(カオ)を中心に、カレー(ゲーン)や炒め物(パッ)、スープ(トム)、サラダ(ヤム)など数種類のおかずを組み合わせたものだよ。
夕食メニューの人気は、「トムヤムクン」(エビの酸っぱ辛いスープ)、「パッガパオ」(バジル炒め)、「ゲーンキアオワーン」(グリーンカレー)、「ソムタム」(青パパイヤのサラダ)などかな。
でも最近はタイでも共働き家庭が増えて、特に都市部では外食やデリバリーを利用することも多くなってきているんだ。日本と同じように、便利さを重視する傾向も出てきているよ。
⑤ 知っておきたいタイの文化(その他)
タイ独特の考え方や価値観って何かある?
タイには「サバーイ サバーイ」という考え方があって、これは「ゆったり、のんびり」という意味なんだ。タイ人は何事も焦らず、リラックスした態度で物事に取り組むことを大切にしているよ。日本のように時間に厳格ではなくて、少し遅れることも「マイペンライ」(気にしないで)の精神で許されることが多いんだ。
あとは「ブン」と「バープ」の考え方も特徴的かな。これは「善行」と「悪行」のことで、仏教の因果応報の考えに基づいているんだ。良いことをすれば良いことが返ってくるし、悪いことをすれば悪いことが返ってくるという信念が強いよ。だから、寺院への寄付や僧侶への布施などの善行を積むことをとても大切にしているんだ。
タイでは「ピー」(年上)と「ノーン」(年下)の関係も重要で、年齢や社会的立場による階層が明確なんだよ。年下の人は年上の人を敬い、年上の人は年下の人の面倒を見るという相互関係があるんだ。名前で呼ぶ時も、年上には「ピー〇〇」(〇〇兄さん/姉さん)、年下には「ノーン〇〇」(〇〇弟さん/妹さん)と呼ぶことが一般的だよ。
それから、家族や友人のつながりを非常に大切にする文化もあるね。集団での活動や行事を重視して、一人で食事するよりみんなで食べる方が好まれるんだ。
あと、王室への敬愛と尊敬の念も強いよ。タイ人にとって国王は単なる国家元首ではなくて、道徳的な指導者としての役割も果たしているから、とても尊敬されているんだ。
タイ人が大切にしている習慣や年中行事について教えて
タイ人が大切にしている年中行事はたくさんあるけど、中でも最も重要なのは「ソンクラーン」だね。これは4月13日から15日に行われるタイの伝統的な新年のお祭りで、「水かけ祭り」としても知られているよ。この時期は暑季の始まりで、水をかけ合うことで暑さを和らげるとともに、古い年の厄や汚れを洗い流すという意味があるんだ。また、親や目上の人の手に水をかけて祝福を求める「ロットナム・ダムファ」という儀式も行われるよ。
「ロイクラトン」も美しい祭りで、11月の満月の夜に行われるんだ。バナナの葉で作ったクラトン(灯籠)に花や線香、ロウソクを飾り、川や池に流すんだよ。これは水の女神に感謝し、過去の罪や不幸を流す意味があるんだ。夜空に浮かぶランタンも放つこともあって、とても幻想的な風景になるよ。
仏教の重要な祝日もあって、「マカブーチャ」(2月か3月の満月の日)と「ウィサカブーチャ」(5月か6月の満月の日)は特に重要だね。これはそれぞれ仏陀の説法と、仏陀の誕生・悟り・入滅を祝う日なんだ。この日は多くの人が寺院を訪れて、線香やろうそくを持って僧侶の後ろを歩く「ウィアンティアン」(キャンドルライトプロセッション)に参加するよ。
王室関連の祝日も大切にされていて、「チャクリー王朝記念日」(4月6日)や現国王の誕生日(7月28日)などは国を挙げて祝うんだ。
あとは中国の影響を受けた「旧正月」(1月か2月)も、特にタイ華僑にとっては重要な行事だよ。この時期は赤い服を着たり、獅子舞が町を練り歩いたりするんだ。
日常の習慣としては、朝に僧侶に食べ物を布施する「タクバート」も大切にされているよ。オレンジ色の袈裟を着た僧侶が托鉢のために町を歩き、人々はご飯や果物、お菓子などを差し出すんだ。これは「タムブン」(功徳を積む)の一つとして、とても大事にされている習慣なんだよ。
まとめ
タイは「微笑みの国」と呼ばれるだけあって、人々の温かさと寛容さにあふれた国です。仏教の教えに根ざした価値観や、「サバーイ サバーイ」「マイペンライ」といった独自の考え方は、忙しい現代社会を生きる私たちに多くの示唆を与えてくれます。
また、豊かな食文化や色鮮やかな年中行事、王室への敬愛、家族や地域のつながりを大切にする姿勢など、グローバル化が進む現代でも伝統を守り続けているところも魅力的です。
タイへの旅行や滞在を考えている方は、ぜひこうした文化的背景を理解した上で、現地の人々と交流してみてください。きっと新しい発見と素晴らしい思い出が待っていることでしょう。
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