現地人が教える台湾で人気のおすすめ夜市グルメ5選

台湾といえば、世界有数の夜市文化を誇る国として知られています。台北だけでも100以上の夜市があると言われ、手頃な価格で本格的な台湾グルメを楽しめる夜市は、現地の人々の生活に欠かせない存在となっています。

そこで今回は、台北在住15年のリンさん(仮名)に、観光ガイドには載っていない、現地人だからこそ知る本当に美味しい夜市グルメを5つ教えてもらいました。定番の屋台料理から隠れた名品まで、本物の台湾夜市体験をお届けします。

台湾の夜市文化の基本と背景

――台湾の夜市文化って、台湾人からするとどんな意味を持ってるの?簡単に説明してもらえる?

台湾人にとって夜市は単なる食事の場所以上の意味があるんです。まず「生活的一部分」(生活の一部)として、日常的に利用される場所なんですよ。

特に台湾では「夜市文化」が本当に根付いていて、家族との食事、友達との集まり、デート、さらには一人での軽食まで、ほとんどの食事シーンで夜市が利用されるんです。日本人がコンビニを利用するように、台湾人は夜市で日常の食事を解決することが多いんですね。

それから、夜市は「平民美食」(庶民グルメ)の宝庫なんです。高級レストランでは味わえない、昔ながらの家庭の味や屋台料理が、手頃な価格で楽しめる場所なんですよ。多くの名店も、実は夜市の小さな屋台から始まっているんです。

社会的な側面も重要で、夜市は異なる世代や職業の人々が集まる「社交場所」でもあります。お店の人との会話、隣に座った人との交流など、人と人とのつながりを大切にする台湾文化の象徴的な場所なんです。

――日本人と台湾人では、夜市に対する考え方ってどう違うと思う?

とても興味深い質問ですね!日本人と台湾人では夜市の使い方が結構違うと思います。

まず、利用頻度が全然違うんです。台湾人は平均的に週に2〜3回は夜市に行くのが普通で、特に仕事帰りや学校帰りに軽食を取るために立ち寄ることが多いです。日本人にとっては「特別なイベント」や「観光体験」という感覚が強いかもしれませんね。

それから、食べ方のスタイルも違います。台湾人は「邊走邊吃」(歩きながら食べる)のが当たり前で、一つの店で座ってゆっくり食べるよりも、複数の店を回りながら少しずつ色々なものを食べる「試食文化」があります。

価格に対する感覚も異なりますね。台湾人にとって夜市は「經濟實惠」(経済的で実用的)な食事場所で、一食30〜50台湾ドル(約150〜250円)で済ませることも多いです。日本人観光客はもう少し高めの予算を考えることが多いようですが、実際はとても安く楽しめるんです。

あとは、季節性や時間帯への意識も違います。台湾人は「什麼時候吃什麼」(いつ何を食べるか)をよく知っていて、夏は「剉冰」(かき氷)、冬は「薑母鴨」(生姜鴨鍋)といった具合に、季節に合わせた食べ物を選びます。

音楽や雰囲気に対する感じ方も台湾人の方が慣れているかもしれません。夜市の騒々しさや活気を「熱鬧」(にぎやか)として楽しむ文化があるんです。

現地人おすすめ!台湾夜市グルメ5選

1. 胡椒餅(フージャオビン)- 饒河街夜市

――まず最初におすすめの夜市グルメを教えて

饒河街夜市にある「胡椒餅」は、間違いなく外せない台湾夜市グルメですね。特に「福州世祖胡椒餅」は1949年から続く老舗で、現地人の間では「胡椒餅の王様」として愛され続けているんです。

観光客には士林夜市が有名ですが、現地人の間では饒河街夜市の胡椒餅が圧倒的に人気なんですよ。この胡椒餅は、豚肉と青ネギを胡椒で味付けした餡を、特製の生地で包んで窯で焼いたもので、外はカリカリ、中はジューシーな食感が特徴です。

窯から出したばかりの胡椒餅は本当に熱々で、最初の一口で口の中を火傷しそうになりますが、その熱さも含めて胡椒餅の醍醐味なんです。胡椒の香りと豚肉の旨味、そして生地の香ばしさが口の中で完璧に調和します。

一個35台湾ドル(約175円)という手頃な価格で、お腹もしっかり満たされます。現地の人たちは仕事帰りに買って帰ることも多く、まさに庶民の味なんです。

場所: 饒河街夜市(松山區饒河街)
営業時間: 毎日 17:00-24:00
価格: 35台湾ドル

2. 蚵仔煎(オアジェン)- 寧夏夜市

――2番目のおすすめは?

寧夏夜市にある「蚵仔煎」は、台湾夜市グルメの絶対的な定番ですね。特に「圓環邊蚵仔煎」は地元で60年以上愛され続けている名店なんです。

蚵仔煎は新鮮な牡蠣を卵と地瓜粉(サツマイモ粉)で焼いた台湾オムレツのような料理で、上に小白菜(チンゲン菜の一種)がのせられ、特製の甘辛ソースをかけて食べます。

この店の特徴は、牡蠣の新鮮さと大きさです。毎朝嘉義の東石漁港から直送される牡蠣は、プリプリで海の香りが濃厚なんです。地瓜粉で作った生地はもちもちとした食感で、卵のふわふわ感との組み合わせが絶妙です。

甘辛いソースは店の秘伝で、トマトケチャップベースに醤油や砂糖、胡椒などを絶妙にブレンドしたものです。このソースが蚵仔煎の美味しさを決める重要な要素なんですよ。

現地の人たちは蚵仔煎を食べる時、必ず「蛤仔湯」(アサリスープ)も一緒に注文します。さっぱりとしたスープが蚵仔煎の濃厚な味と良く合うんです。

場所: 寧夏夜市(大同區寧夏路)
営業時間: 毎日 18:00-02:00
価格: 蚵仔煎 60台湾ドル、蛤仔湯 30台湾ドル

3. 滷肉飯(ルーローハン)- 雙城夜市

――3番目のおすすめは?

雙城夜市にある「滷肉飯」は、台湾人のソウルフードとして絶対に外せませんね。特に「雙城美食」の滷肉飯は、地元の人が「最高の滷肉飯」と認める名店なんです。

滷肉飯は豚バラ肉を醤油、砂糖、米酒などで甘辛く煮込んだものを白米にかけた丼料理です。一見シンプルですが、実は奥が深くて、肉の切り方、煮込み時間、調味料のバランスなど、すべてが完璧でないと美味しくならないんです。

この店の滷肉飯は、豚肉が口の中でとろけるほど柔らかく煮込まれていて、甘辛いタレが白米に染み込んで本当に美味しいです。肉は細かく刻まれているので食べやすく、脂身と赤身のバランスも絶妙です。

現地の人たちは滷肉飯だけでなく、「白菜滷」(白菜の煮物)や「豆腐湯」(豆腐スープ)も一緒に注文することが多いです。野菜不足を補う意味もありますが、滷肉飯の濃厚な味をさっぱりとした副菜でバランスを取るんです。

一杯たったの25台湾ドル(約125円)という驚きの安さで、お腹いっぱいになれるのも魅力です。朝食、昼食、夕食、どの時間に食べても満足できる万能料理ですね。

場所: 雙城夜市(中山區雙城街)
営業時間: 毎日 17:00-01:00
価格: 25台湾ドル

4. 小籠包(シャオロンパオ)- 臨江街夜市

――4番目のおすすめは?

臨江街夜市の「小籠包」は、実は夜市でも本格的なものが食べられる隠れた名品なんです。「通化街小籠包」は地元の人だけが知る穴場で、有名店に負けない品質を夜市価格で提供しているんです。

小籠包といえば鼎泰豊が有名ですが、実は夜市にも素晴らしい小籠包を作るお店があるんです。この店の小籠包は、皮が薄くて破れにくく、中の肉汁がたっぷり詰まっています。

豚肉餡は程よい脂身を含んでいて、生姜の風味が効いています。一口かじると熱々の肉汁が口の中に広がり、豚肉の旨味と生姜の香りが絶妙に調和します。皮も手作りで、もちもちとした食感が特徴です。

食べ方にもコツがあって、まず小籠包を箸で持ち上げて、少し皮を破って中の熱いスープを飲んでから、黒酢と生姜の千切りをつけて食べるんです。現地の人はこの食べ方を子供の頃から身につけているんですよ。

有名店の3分の1の価格(1籠8個で120台湾ドル)で食べられるのに、味は全く遜色ありません。夜市の雰囲気の中で食べる小籠包は、また格別の美味しさです。

場所: 臨江街夜市(大安區通化街)
営業時間: 毎日 18:30-24:00
価格: 120台湾ドル(8個)

5. 芒果冰(マンゴーかき氷)- 師大夜市

――最後の5番目のおすすめは?

師大夜市にある「芒果冰」は、台湾の夏には絶対に外せないデザートですね。特に「冰讚」は1947年創業の老舗で、台湾かき氷の元祖として現地の人に愛され続けているんです。

台湾の芒果冰は、ただのかき氷とは全く違います。氷の上に新鮮なマンゴーの果肉、マンゴープリン、練乳、そして特製のマンゴーソースがたっぷりとかかっています。使用するマンゴーは台湾南部の玉井産で、甘さと香りが抜群なんです。

氷も普通の氷ではなく、ふわふわに削られた「雪花冰」で、口の中でサラサラと溶けていきます。マンゴーの自然な甘さと練乳のまろやかさ、そして氷の冷たさが絶妙にマッチして、台湾の暑い夜にぴったりのデザートです。

現地の人たちは芒果冰を一人で食べることもありますが、友達や恋人とシェアして食べることも多いです。大きなボウルに盛られた芒果冰を、スプーンを使って仲良く食べる光景は、台湾の夜市でよく見られる微笑ましい風景ですね。

季節によっては「草莓冰」(いちごかき氷)や「紅豆冰」(あずきかき氷)もありますが、やはり台湾といえば芒果冰が一番人気です。

場所: 師大夜市(大安區師大路)
営業時間: 毎日 19:00-02:00
価格: 80台湾ドル

台湾夜市の楽しみ方とマナー

――台湾の夜市を利用する時のマナーや楽しみ方で、日本人が知っておくべきことは?

台湾の夜市を楽しむ時のマナーは、それほど厳格ではありませんが、いくつか知っておくと良いポイントがあります。

まず注文する時は、指差しで「這個」(これ)と言えば大丈夫です。ほとんどの屋台では英語や日本語を話せる人はいませんが、身振り手振りで十分コミュニケーションが取れます。「一個」(イーガー、1つ)「兩個」(リャンガー、2つ)という数字だけでも覚えておくと便利ですね。

お箸やナプキンは基本的にセルフサービスです。テーブルの上や店の端に置いてあることが多いので、自分で取って使ってください。食べ終わった後の食器は、そのまま置いておけば店の人が片付けてくれます。

歩きながら食べるのは全く問題ありませんが、ゴミは必ず指定の場所に捨てましょう。夜市には所々にゴミ箱が設置されているので、食べ歩きをしながらゴミを溜めずに、こまめに捨てるのがマナーです。

あとは、写真撮影も基本的に自由ですが、店の人や他のお客さんに一言声をかけてから撮ると良いですね。「可以拍照嗎?」(写真を撮っても良いですか?)と聞けば、快く応じてくれることが多いです。

――夜市によって違う特徴や雰囲気の違いはある?

はい、それぞれの夜市に独特の特徴と雰囲気があります!

士林夜市は台湾最大の夜市で、観光客向けの店も多いですが、地下美食区は現地の人にも人気です。大型ゲームセンターもあって、若い人たちのデートスポットとしても有名ですね。

饒河街夜市は観光夜市の中では比較的コンパクトで、胡椒餅をはじめとした名店が集中しています。川沿いにあるので夜風が気持ち良く、散歩気分で楽しめます。

寧夏夜市は地元密着型で、観光客は少なめですが、その分本格的な台湾グルメが味わえます。昔ながらの夜市の雰囲気を残していて、現地の人の生活文化を感じられる場所です。

師大夜市は大学が近いので学生が多く、若者向けの安くて美味しい店が集まっています。エネルギッシュで活気のある雰囲気が特徴です。

臨江街夜市(通化夜市)は住宅街の中にあるので、地元の人の利用が多く、観光地化されていない本物の夜市文化を体験できます。

雙城夜市は小規模ですが、昔ながらの味を守る老舗が多く、台湾の伝統的な夜市グルメを楽しめる穴場的存在ですね。

夜市体験をより深めるためのアドバイス

――観光客が台湾の夜市を楽しむ時に、より本格的な体験をするためのコツは?

本格的な台湾夜市体験をしたいなら、いくつかのコツがあります。

まず、観光夜市だけでなく、地元の人が通う住宅街の小さな夜市も訪れてみてください。現地の人に「你們都去哪個夜市?」(どの夜市に行きますか?)と聞いてみるのが一番確実です。彼らは喜んで教えてくれますし、時には一緒に行こうと誘ってくれることもあります。

時間帯も重要で、夜の19:00-21:00頃が最も活気があります。この時間帯に行くと、地元の人たちのリアルな夜市ライフを体験できます。

一つの店で一つのものを食べるのではなく、複数の店を回って少しずつ色々なものを試す「食べ歩きスタイル」がおすすめです。台湾人は「吃遍夜市」(夜市を食べ尽くす)という表現をよく使います。

現地の人がよく注文する組み合わせも覚えておくと良いですね。例えば、滷肉飯+味噌湯、蚵仔煎+蛤仔湯、小籠包+酸辣湯など、バランスを考えた組み合わせがあります。

――初心者におすすめの夜市グルメや試す順番は?

初心者の方には、食べやすいものから始めて、徐々に台湾独特のものに挑戦するのがおすすめです。

最初は小籠包や滷肉飯など、日本人にも馴染みのある味から始めると良いでしょう。これらは安全で美味しく、台湾グルメの基本的な特徴を理解できます。

次に、蚵仔煎や胡椒餅など、台湾独特だけれどもそれほど癖の強くない料理に挑戦してみてください。これらは台湾の代表的な味を楽しめます。

慣れてきたら、臭豆腐や豬血糕(豚血のお餅)など、より個性的な食べ物にトライしてみると良いですね。これらは好みが分かれますが、台湾夜市の多様性を実感できます。

デザートは最後に芒果冰や愛玉冰(オーギョーチかき氷)などの冷たいものを食べると、夜市での食事が完璧に締めくくられます。

大切なのは、一度にたくさん食べすぎずに、様々な味を少しずつ楽しむことです。台湾の夜市には本当に多様なグルメがあるので、きっと自分好みの味が見つかるはずです。

まとめ

台湾の夜市文化は、単なる食事の場を超えた深い社会的・文化的意味を持っています。手頃な価格で本格的な台湾グルメを楽しめる夜市は、現地の人々の生活に欠かせない存在であり、外国人観光客にとっても台湾文化を体験できる最高の場所なのです。

今回紹介した5つの夜市グルメは、それぞれ異なる角度から台湾の食文化を体験できる料理です。伝統的な庶民料理から現代的なデザートまで、現地人だからこそ知る本物の体験を楽しんでください。

重要なのは、夜市を通じて台湾の人々と交流し、その土地の文化に触れることです。言葉の壁があっても、美味しい料理を前にしての笑顔は世界共通の言語です。きっと忘れられない台湾旅行の思い出となるでしょう。

ワンコイングリッシュでは、こうした海外での体験をより豊かにするための語学力を身につけることができます。中国語はもちろん、英語でのコミュニケーション能力を高めることで、現地の人々との交流がさらに深まります。他の先生や生徒とコミュニケーションが取れるイベントも盛りだくさんで、台湾旅行をより楽しみたい方におすすめの英会話学校です。体験レッスンも受付中ですので、是非活用をご検討ください。

この記事を書いた世界人

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