【ロシアの文化を学ぶ!】知っておきたいロシア生活のリアル ~留学、長期滞在、移住、短期滞在・旅行の参考に~

グローバル化が進む現代社会において、異文化理解はかつてないほど重要になっています。特にロシアは、日本との地理的な近さにもかかわらず、文化や生活習慣においては多くの違いがあります。本コラムでは、ロシアの文化や日常生活について詳しく解説し、留学や長期滞在、旅行を考えている方に役立つ情報をお届けします。
ロシアってどんな国? 日本からのイメージ
ウォッカ、マトリョーシカ人形、バレエ、厳しい冬、広大な国土…私たちが抱くロシアのイメージは様々です。実際、ロシアはユーラシア大陸に広がる世界最大の国土を持ち、11のタイムゾーンにまたがる広大な国です。モスクワやサンクトペテルブルグといった大都市から、シベリアの広大な森林地帯まで、多様な地域と文化を内包しています。
歴史的には帝政ロシア、ソビエト連邦を経て現在のロシア連邦となり、その長い歴史の中で独自の文化を育んできました。チャイコフスキーやラフマニノフといった作曲家、トルストイやドストエフスキーなどの文豪を輩出した芸術大国でもあります。
また、22の共和国を含む85の連邦構成主体からなる多民族国家であり、ロシア人だけでなくタタール人、バシキール人など多様な民族が共存しています。正教会の美しい教会建築やソビエト時代の記念碑的建造物など、建築様式も多彩です。
ロシアで暮らすメリットについて
文化的な豊かさ
ロシアは芸術や文学、音楽の国として世界的に知られています。大都市では一流のバレエやオペラを比較的手頃な価格で鑑賞できるほか、美術館や博物館も充実しています。文化的な刺激を求める方にとって、非常に魅力的な環境が整っています。
教育水準の高さ
ロシアの教育レベルは非常に高く、特に理数系教育に定評があります。大学教育も比較的手頃な費用で受けられ、モスクワ国立大学やサンクトペテルブルグ国立大学など、質の高い教育機関が多数あります。
魅力的な自然環境
バイカル湖やカムチャツカ半島など、手つかずの大自然が多く残されています。アウトドア活動を楽しむ機会も豊富で、ハイキングやキャンプ、冬季はスキーやスノーボードなど、季節に応じたアクティビティを楽しめます。
物価の安さ
特に地方都市では、モスクワやサンクトペテルブルグに比べて物価が安く、生活コストを抑えやすいのが特徴です。外食や公共交通機関の利用料金も、日本と比べると格段に安いケースが多いです。
① 知っておきたいロシア生活のリアル(買い物)
ロシアの買い物事情は、大都市と地方で大きく異なります。モスクワやサンクトペテルブルグでは大型ショッピングモールやスーパーマーケットが充実していますが、地方に行くと小さな食料品店や市場が中心となります。
特徴的なのは市場文化です。「リノク(市場)」と呼ばれる場所では、新鮮な野菜や果物、肉、乳製品などが売られており、地元の人々との交流の場にもなっています。価格交渉も可能で、固定価格のスーパーとは異なる買い物体験ができます。
また、キオスク文化も根強く、街角の小さな売店では飲み物やスナック、日用品などを手軽に購入できます。冬の厳しい寒さの中でも、これらのキオスクは日常生活を支える重要な存在です。
支払いについては、近年はクレジットカードや電子決済も普及していますが、現金を用意しておくと安心です。特に地方や小さな店舗では、現金のみの場合もあります。
② 知っておきたいロシア生活のリアル(食事)
ロシア料理といえば、ボルシチ(ビーツのスープ)やピロシキ(中に具を詰めたパン)が有名ですが、実際の食生活はもっと多様です。
朝食は比較的軽めで、カーシャ(オートミールなどの穀物のお粥)やブリヌイ(ロシア風のクレープ)、サンドイッチなどを食べることが多いです。紅茶がよく飲まれ、朝からしっかり食べる文化があります。
昼食は一日の中で最も重要な食事とされ、スープと肉料理を中心とした温かい食事を取るのが一般的です。職場や学校では、ランチタイムが確保されています。
夕食は家族と一緒に過ごす大切な時間で、肉や魚を使った料理に野菜の付け合わせ、サラダなどがテーブルに並びます。「ザクースカ」と呼ばれる前菜も豊富で、特別な日には何種類もの料理が用意されます。
ロシア人は甘いものも大好きで、家庭ではお菓子作りも盛んです。チャイの時間(お茶の時間)には、手作りのケーキやクッキーを楽しむことも多いです。
③ 知っておきたいロシア生活のリアル(休日)
ロシアの休日の過ごし方は、季節によって大きく変わります。夏は公園やダーチャ(郊外の別荘)での時間が重視されます。多くのロシア人は、都市部から離れたダーチャで野菜や果物を育て、自然の中でリラックスする時間を大切にしています。
冬は室内での活動が中心になりますが、アイススケートや雪遊びなど、寒さを楽しむ文化も豊かです。大都市には氷の彫刻が並ぶ冬の祭典なども開催され、厳しい寒さの中にも楽しみを見出しています。
またロシアでは、友人や家族と集まって食事をしながら長時間おしゃべりを楽しむ「シジェーチ」という習慣があります。特に誕生日や祝日には、テーブルいっぱいの料理と飲み物を囲んで、歌を歌ったり話をしたりして夜更けまで過ごすことも珍しくありません。
正教会の祝日も大切に守られており、特にクリスマス(1月7日)やパスハ(復活祭)は盛大に祝われます。このような行事の際には特別な料理が振る舞われ、家族や親戚と集まって過ごします。
④ 知っておきたいロシア生活のリアル(家族)
ロシアでは家族の絆を非常に大切にします。核家族化が進んでいる一方で、祖父母との関係も密接に保たれているケースが多いです。特に子育てにおいては、おばあちゃん(バーブシュカ)が重要な役割を果たします。仕事と育児の両立において、祖父母のサポートは欠かせない存在です。
また、親戚づきあいも盛んで、休日や祝日には大家族が集まります。家族の行事やお祝いごとは特に重視され、遠方に住んでいる親戚でも大切な行事には帰省するのが一般的です。
子育てに関しては、子供への教育熱心さが特徴的です。小さい頃から芸術、音楽、スポーツなど様々な習い事をさせる親が多く、教育への投資を惜しみません。同時に、子供の自立も促しており、例えば、モスクワなどの大都市では小学生でも一人で公共交通機関を利用するなど、日本と比べると子供の行動範囲が広いのも特徴です。
⑤ 知っておきたいロシア生活のリアル(その他)
バーニャ(サウナ)文化
ロシアには「バーニャ」と呼ばれるサウナ文化があります。単なる入浴施設ではなく、友人や家族と過ごす社交の場であり、健康法でもあります。白樺の枝でできた「ヴェーニク」で体を叩きながら汗を流す独特の習慣は、一度体験する価値があります。
贈り物の文化
ロシアでは人の家を訪問する際、必ず何か手土産を持参するのがマナーです。チョコレートや花(ただし本数は偶数を避ける)、ケーキなどが一般的です。特に初めて訪問する際は、良い印象を与えるために気の利いた贈り物を用意しましょう。
乾杯の習慣
ロシアでは食事の際、特に特別な日には乾杯のスピーチが何度も行われます。最初の乾杯は通常ホストによるもので、その後、参加者それぞれがスピーチを行うこともあります。単に飲むだけでなく、言葉を添えることを大切にする文化です。
文学と芸術への愛
ロシア人は文学や芸術を深く愛する国民性があります。プーシキンやドストエフスキーの作品は今でも広く読まれ、引用されます。また、劇場文化も豊かで、バレエやオペラ、演劇を観に行くことは、特別な日の過ごし方として定着しています。
まとめ
ロシアの文化や生活様式は、一見すると日本とは大きく異なるように感じられるかもしれませんが、家族を大切にする心や自然との共生など、共通する価値観も数多く見られます。広大な国土に広がる多様な文化と人々の温かさは、訪れる人々を魅了してやみません。
厳しい気候の中で育まれた助け合いの精神、芸術や文学を愛する豊かな感性、そして食や伝統を通じた交流の文化。これらロシアの生活様式には、現代社会を生きる私たちにとっても学ぶべき要素が詰まっているのではないでしょうか。
もし機会があれば、百聞は一見に如かず、ぜひ実際にロシアを訪れて、その文化の奥深さを体験してみてください。きっと新しい発見と感動が待っているはずです。
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