【韓国の文化を学ぶ!】知っておきたい韓国の文化 ~留学、長期滞在、移住、短期滞在・旅行の参考に~

韓国ってどんな国? 日本からのイメージ
日本と韓国は、わずか200キロメートルほどしか離れていない隣国であり、長い歴史の中で文化的な交流を重ねてきました。近年では、K-POPや韓国ドラマの世界的な人気により、「韓流」という文化現象が生まれ、多くの日本人が韓国文化に親しみを持つようになっています。
日本人が持つ韓国のイメージとしては、辛くて美味しい料理、美容大国、情熱的な国民性、そして近代的な都市と伝統が共存する国といったものが挙げられるでしょう。また、若者を中心に韓国のファッションやメイクのトレンドも日本で人気を集めています。
しかし、メディアを通じて伝わる韓国のイメージと、実際の韓国の文化や社会にはギャップもあります。この記事では、韓国文化の様々な側面について掘り下げていきます。
韓国で暮らす/韓国に行くメリットについて
韓国で暮らしたり、訪れたりするメリットは数多くあります。まず、地理的に近いため、日本からのアクセスが非常に良いことが挙げられます。わずか2〜3時間のフライトで到着できるため、週末旅行先としても人気です。
また、日本と韓国は文化的な類似点も多く、食事のマナーや風習に共通点があるため、初めて海外に行く方でも比較的適応しやすい環境と言えるでしょう。
韓国は技術大国でもあり、インターネット環境やデジタルサービスが充実しています。ソウルなどの都市部では無料Wi-Fiスポットが多く、交通システムも非常に発達しています。
さらに、韓国のおもてなし文化は世界的にも評価が高く、観光客に対しても親切で温かい対応をしてくれることが多いです。特に日本人観光客向けのサービスも充実しており、日本語が通じる場所も少なくありません。
留学や長期滞在を考える場合、韓国は生活コストが日本と比べて全体的に安い傾向にあるのも魅力的です。特に食費や交通費は比較的リーズナブルで、質の高い生活を送ることができます。
① 知っておきたい韓国の文化(歴史)
韓国の歴史は古く、紀元前2333年に檀君王倹(タングン・ワンゴン)によって古朝鮮が建国されたと伝えられています。その後、三国時代(高句麗、百済、新羅)を経て、統一新羅、高麗王朝、そして李氏朝鮮と続きました。
李氏朝鮮時代(1392年〜1910年)は、儒教を国教とし、科挙制度を導入するなど中央集権的な政治体制を確立しました。この時代の文化や思想は、現代韓国社会にも大きな影響を与えています。特に、目上の人を敬う文化や家族の絆を重視する価値観などは、この時代に根付いたものです。
20世紀には日本による植民地支配(1910年〜1945年)を経験し、その後の朝鮮戦争(1950年〜1953年)によって南北に分断されました。こうした歴史的経験は、韓国人のアイデンティティ形成に大きな影響を与えています。
戦後の韓国は「漢江の奇跡」と呼ばれる急速な経済発展を遂げ、農業国から工業国へと変貌しました。今日では世界有数の経済大国として、サムスンやヒュンダイなどのグローバル企業を輩出しています。
韓国人は自国の歴史と文化に強い誇りを持っており、伝統文化の保存と継承に力を入れています。世界遺産にも登録されている宗廟(チョンミョ)や昌徳宮(チャンドックン)などの歴史的建造物、そして仮面劇「タルチュム」や祭礼音楽「プンムル」などの無形文化財も大切に守られています。
② 知っておきたい韓国の文化(コミュニケーション)
韓国語(ハングル)は、15世紀に世宗大王によって作られた表音文字で、世界で最も科学的に設計された文字と言われています。ハングルは24個の基本文字(子音14、母音10)の組み合わせでできており、日本語と文法構造が似ているため、日本人にとっては比較的学びやすい言語と言われています。
韓国のコミュニケーションにおいて最も重要な概念の一つが「ヌンチ(눈치)」です。これは状況や空気を読む能力を意味し、言葉にされていない感情や意図を汲み取ることが求められます。韓国社会では、このヌンチが社会生活を円滑に進める上で非常に重要とされています。
また、韓国語には複雑な敬語体系があり、相手との関係性や社会的地位によって使い分けられます。「バンマル(반말)」と呼ばれるカジュアルな話し方と、「チョンデマル(존댓말)」と呼ばれる敬語があり、目上の人に対しては必ず敬語を使うことが求められます。
韓国人同士のコミュニケーションでは、年齢や学歴、社会的地位などの情報交換が初対面の挨拶で行われることが一般的です。これは相手との関係性を確立し、適切な言葉遣いを決めるために必要な儀式のようなものです。
非言語コミュニケーションにおいても、いくつかの特徴があります。例えば、目上の人からお酒を注がれる際には、両手でグラスを持ち、顔を少し横に向けて飲むといったマナーがあります。また、握手の際には、目上の人や年長者に対しては左手を右腕の下に添える「両手握手」が丁寧とされています。
③ 知っておきたい韓国の文化(プレゼント)
韓国では、贈り物の文化が非常に発達しています。特に、家を訪問する際には手土産を持参するのがマナーとされており、果物や高級お菓子、健康食品などが一般的です。特に果物は「健康と幸福」の象徴とされ、贈り物として高く評価されます。
プレゼントを贈る際の数字にも注意が必要です。「4」という数字は「死」と同じ発音のため、不吉とされています。そのため、4個セットや4千ウォンといった金額の贈り物は避けるべきでしょう。一方、「3」や「7」、「8」は縁起の良い数字とされています。
韓国では、プレゼントを受け取る際の作法も重要です。目上の人からプレゼントを受け取る場合は、両手で受け取り、その場でむやみに開けないのが礼儀とされています。また、お返しの品を用意することも大切で、受け取ったものと同等かそれ以上の価値のあるものを贈るのが一般的です。
特別な祝い事や節目には、より意味のあるプレゼントが選ばれます。例えば、新築祝いには観葉植物(ただし、サボテンは避ける)や家電製品、結婚祝いには現金や家庭用品、出産祝いには赤ちゃん用品や金のアクセサリーなどが定番です。
最近では、「カカオフレンズ」などのキャラクターグッズや、韓国コスメ、伝統工芸品などもプレゼントとして人気です。特に外国人への贈り物としては、韓国の伝統文化を反映した品物(刺繍小物、韓紙製品、韓国茶など)が喜ばれます。
④ 知っておきたい韓国の文化(食文化)
韓国料理の基本は「バンサン(반상)」と呼ばれる食事スタイルで、主食のご飯と汁物、そして複数の副菜(バンチャン)で構成されています。キムチは最も代表的なバンチャンで、韓国の食卓には欠かせない存在です。韓国では「キムチがなければ食事ではない」と言われるほどです。
韓国料理の特徴は、発酵食品の豊富さにあります。キムチのほか、味噌に似た「テンジャン(된장)」、唐辛子味噌の「コチュジャン(고추장)」、魚介類を発酵させた「チョッカル(젓갈)」など、様々な発酵食品が料理のベースとなっています。これらは独特の旨味と栄養価の高さから、健康食として世界的にも注目されています。
韓国の食文化で特筆すべきは「シェアリング」の概念です。個人皿ではなく、大きな一つの鍋や皿から取り分けて食べるスタイルが一般的です。これは「ウリ(우리)」という「私たち」の意識を強める役割も果たしています。例えば、サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉)やプデチゲ(部隊鍋)などは、みんなで囲んで食べる代表的な料理です。
食事のマナーとしては、目上の人が箸をつけるまで食べ始めないこと、食事中は音を立てないよう注意することなどがあります。また、お酒を注ぐ際や受け取る際には両手を使い、目上の人に注ぐときは「チョンジンハムニダ(尊敬します)」と言って注ぐのが礼儀正しいとされています。
韓国では「薬食同源」の考え方も根付いており、食べ物は体を養い、病気を防ぐものと考えられています。サムゲタン(参鶏湯)やヨルムタン(骨付き肉のスープ)など、栄養価の高いスープ料理が多いのもこのためです。季節ごとの食材や体調に合わせた食事選びも、韓国の食文化の特徴と言えるでしょう。
⑤ 知っておきたい韓国の文化(その他)
韓国文化のユニークな特徴として、「ファン文化」の発達が挙げられます。K-POPアイドルや俳優のファンクラブは非常に組織化されており、誕生日を祝うための広告を地下鉄駅や繁華街に掲出したり、慈善活動を行ったりと、積極的な活動を展開しています。
韓国の「カフェ文化」も特筆すべき点です。ソウルをはじめとする都市部には個性的なコンセプトカフェが多数存在し、若者の社交場となっています。これらのカフェは単にコーヒーを飲む場所ではなく、写真撮影スポットやくつろぎの空間として機能しています。
「情(チョン、정)」という概念も韓国文化を理解する上で重要です。これは人と人との間の情緒的な絆や親密さを表し、血縁関係だけでなく、友人や同僚、さらには同郷出身者との間にも生まれる感情です。この「情」の概念が、韓国社会の人間関係の基盤となっています。
韓国では「年齢文化」も顕著で、同年齢の人同士は特別な絆で結ばれると考えられています。「同期(ドンギ、동기)」と呼ばれる同じ年に入学や入社した仲間との関係は、生涯続く重要な人間関係となることが多いです。
「急速(パリバリ、빨리빨리)」の文化も韓国の特徴です。これは「早く早く」という意味で、効率性とスピードを重視する国民性を表しています。この文化は、韓国の急速な経済発展の原動力となった一方で、時にはストレスや焦りをもたらすこともあります。
最後に、「情熱的な応援文化」も見逃せません。スポーツ観戦やコンサートなどでは、赤いTシャツを着た観客が一体となって応援する「赤い悪魔」に代表されるように、集団で一体感を持って応援する文化が根付いています。
まとめ
韓国文化は、伝統と現代が共存する多層的で魅力的なものです。歴史に根差した儒教的価値観が今も生きている一方で、最先端のデジタル技術や流行を取り入れた革新的な側面も持ち合わせています。
コミュニケーションにおける「ヌンチ」の概念、プレゼント文化での細やかな配慮、共有と絆を重視する食文化、そして「情」に代表される人間関係の深さなど、韓国文化の様々な側面を理解することで、より豊かな韓国体験ができるでしょう。
韓国文化は一見すると複雑に感じるかもしれませんが、その根底には人との絆を大切にし、情を重んじる温かい心があります。初めは戸惑うこともあるかもしれませんが、オープンな心で接することで、きっと素晴らしい経験と出会いが待っていることでしょう。
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