【日本在住ドイツ人に聞いた!】知っておきたいドイツの文化 ~留学、長期滞在、移住、短期滞在・旅行の参考に~

グローバル化が進む中、異文化を理解することは、私たちの視野を広げ、新しい発見をもたらしてくれます。ドイツと日本は「モノづくり大国」として共通点も多い一方で、文化や習慣には大きな違いがあります。

 

本記事では、日本在住のドイツ人にインタビューを行い、ドイツの文化について詳しく解説します。留学や長期滞在、移住を考えている方はもちろん、旅行者の方にも参考になる情報が満載です。

 

 ドイツってどんな国? 日本からのイメージ

 

ドイツと聞くと、多くの人はビールやソーセージ、BMWやベンツといった高級車、サッカー、そして環境保護への高い意識を思い浮かべるのではないでしょうか。

 

実際、ドイツはEUの中心的な存在として、環境技術や工業技術で世界をリードする一方、16の州からなる連邦制を採用し、各地域が独自の文化や伝統を大切にしています。例えば、南部のバイエルン州では伝統的な民族衣装を着る習慣が今でも残っていますし、北部のハンブルクは港町として独自の文化を育んできました。

 

 ドイツで暮らす/ドイツに行くメリットについて

 

 メリット1:多様な文化に触れられる

ドイツは歴史的に様々な文化を受け入れてきた国です。大都市では多くの国籍の人々が暮らし、異なる文化や価値観に触れる機会が豊富です。美術館や博物館も充実していて、多くが無料か格安で利用できます。

 

 メリット2:伝統と革新が共存

中世の街並みが残る一方で、最新のテクノロジーも発達しています。例えば、古い教会の隣にモダンなカフェがあったり、伝統的なクリスマスマーケットで最新のエコ商品が売られていたり。そんな面白い組み合わせを体験できます。

 

 メリット3:地域ごとの特色ある文化

北と南、東と西で全く異なる文化や習慣があり、同じ国の中でも様々な体験ができます。方言も地域によって大きく異なり、時には別の言語のように感じることも。

 

 

 

 ① 知っておきたいドイツの文化(歴史)

 

―ドイツの歴史で、日本人があまり知らないことってある?

 

東西統一の歴史は有名ですが、実は今でもその影響が残っているんです。例えば、旧東ドイツ地域では「Ampelmännchen(アンペルメンヒェン)」という独特の形の歩行者信号があって、これは統一後も残され、今では人気の観光シンボルになっています。

 

また、ドイツは州ごとの独立性が強くて、それぞれが独自の歴史を持っています。例えば、ハンザ同盟という中世の商人同盟の影響で、北ドイツの都市には似たような建築様式が見られます。ハンブルクやリューベックの赤レンガの倉庫街は、その名残なんです。

 

歴史的な反省から、ドイツでは「記憶の文化」を大切にしています。過去の出来事を直視し、次世代に伝えていくことを重視します。学校での歴史教育も非常に充実していて、生徒たちは様々な史跡を訪れ、歴史から学ぶ機会が多くあります。

 

 ② 知っておきたいドイツの文化(コミュニケーション)

 

―ドイツ人のコミュニケーションって、日本と違うところある?

 

直接的な表現を好むのが特徴です。例えば、「ちょっと難しいかもしれません」という日本的な曖昧な表現ではなく、「それは無理です」とはっきり言います。最初は厳しく感じるかもしれませんが、これは相手を尊重し、誠実に向き合うための方法なんです。

 

議論も大好きです。食事中でも政治や社会問題について熱く語り合うのは普通です。でも、それは喧嘩ではなくて、お互いの意見を理解し合うためのコミュニケーション。子供の頃から、自分の意見をしっかり持ち、表現することを教育で重視しています。

 

面白いのは、初対面の人との距離感です。例えば、電車で知らない人と座席が近くても、必ずしも挨拶する必要はありません。でも、一度会話が始まると、とても親身に話を聞いてくれたり、アドバイスをくれたりします。

 

 

③ 知っておきたいドイツの文化(プレゼント)

 

―プレゼントの習慣とか、気をつけることってある?

 

誕生日は本当に大切にします。職場でも、誕生日の人が同僚にケーキやお菓子を用意するんです。日本だと周りからもらうイメージですよね?でも、ドイツでは「自分の誕生日を周りと分かち合う」という考え方です。

 

クリスマスプレゼントは、12月6日の聖ニコラウスの日にも交換する習慣があります。子供たちは前日の夜に靴を窓際に置いておくと、朝には小さなお菓子やプレゼントが入っているんです。

 

気をつけることといえば、プレゼントは開封するタイミングです。贈り主の前ですぐに開けるのが礼儀です。「後で開けます」というのは、あまり好まれません。また、プレゼントの値段も日本ほど気にしません。むしろ、相手のことを考えて選んだ気持ちを大切にします。

 

 ④ 知っておきたいドイツの文化(食文化)

 

―食事の文化で、驚いたことは?

 

パンの種類が豊富なことに驚くと思います。1,300種類以上あるって言われていて、それぞれの地域に特徴的なパンがあるんです。朝食には必ずパンが出てきますし、夕食も「Abendbrot(パンの夕食)」という軽めの食事が一般的。

 

あと、食事のマナーも結構違います。例えば、ジャガイモは必ずフォークで潰してから食べます。ナイフを使って押し付けるんです。最初は面倒に感じるかもしれませんが、これが「育ちの良さ」を表すマナーの一つなんです。

 

面白いのは、ドイツ人は食事の席で「Guten Appetit(良い食欲を)」と言ってから食べ始めること。でも、高級なレストランではこれを言わないんです。なぜかというと、もともとは「この食事は安全です」という意味があったから。高級店では、それを言うこと自体が失礼になるんです。

 

 ⑤ 知っておきたいドイツの文化(その他)

 

―他に面白い文化や習慣ってある?

 

「Feierabend(仕事終わり)」という概念があります。仕事が終わったら、完全にオフモードになるんです。残業はあまりしないし、仕事のメールにも返信しない。これは「仕事とプライベートの切り替え」を大切にする文化です。

 

季節の行事も独特です。例えば、2月にはカーニバルがあって、特に西部のケルンやデュッセルドルフでは街中が仮装して盛り上がります。5月1日には「Tanz in den Mai(5月への踊り)」というお祭りがあって、大きなメイポール(飾り付けた柱)の周りで踊ったり、ビールを飲んだり。

 

あとは、環境への意識の高さも特徴的です。例えば、ペットボトルを買うと保証金(Pfand)がつきます。返却すると保証金が戻ってくるシステムで、リサイクル率がとても高いんです。スーパーではほとんどの人が自分の買い物袋を持参しますし、ゴミの分別も徹底しています。

 

 まとめ

 

このように、ドイツの文化は「合理性」と「伝統」が独特なバランスで共存しています。直接的なコミュニケーションは効率的である一方で、休暇や祝祭日は伝統を大切にしながらゆっくりと過ごす。環境保護は最新技術で取り組みつつ、古くからの習慣も大切にする。

 

そんなドイツの文化には、現代社会を生きる私たちへのヒントが隠されているのかもしれません。文化の違いを知ることは、自分たちの文化を見つめ直すきっかけにもなるはずです。

 

ワンコイングリッシュでは、日本在住のドイツ人が英語だけでなく文化などについても教えてくれます。他の先生や生徒とコミュニケーションが取れるイベントも盛りだくさんで、ドイツの文化を知ろうとしている方におすすめの英会話学校です。体験レッスンも受付中ですので、是非活用をご検討ください。

 

 

 

 

この記事を書いた世界人

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