【イギリスの文化を学ぶ!】知っておきたいイギリス生活のリアル ~留学、長期滞在、移住、短期滞在・旅行の参考に~

グローバル化が進む中、異文化を理解することは、私たちの視野を広げ、新しい発見をもたらしてくれます。日本人にとっての当たり前が、海外では違って見えるように、イギリスの日常は私たち日本人に新鮮な気づきを与えてくれるはずです。

本記事では、日本在住のイギリス人にインタビューを行い、イギリスの文化や生活について詳しく解説します。留学や長期滞在、移住を考えている方はもちろん、旅行者の方にも参考になる情報が満載です。

イギリスってどんな国? 日本からのイメージ

紅茶、フィッシュ&チップス、ロイヤルファミリー、シェイクスピア、パブ文化…皆さんはイギリスと聞いて、どんなイメージを持ちますか?

イギリス(正式名称:グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの国から構成される島国です。ヨーロッパの北西に位置し、長い歴史と伝統を持ちながらも、多文化共生社会として発展しています。

世界に影響を与えた産業革命の発祥地であり、数々の偉大な文学作品、音楽、映画を世に送り出しています。また、サッカーやクリケット、ラグビーなどのスポーツ発祥の地としても知られています。伝統を重んじながらも革新的な側面を持ち、多様性のある社会が特徴です。

イギリスで暮らすメリットについて

メリット1:歴史と現代の融合
何百年もの歴史的建造物と最新の建築が共存する街並みは魅力的です。古城や大聖堂、美術館や博物館が無料で楽しめることも多く、芸術や歴史に触れる機会が豊富にあります。一方で、最先端のアート、音楽、ファッションなどの現代文化も楽しめる、バランスの取れた環境です。

メリット2:多様性と包括性
特にロンドンなどの大都市では、世界中からの移民が集まり、多様な文化、宗教、言語が共存しています。様々な国際料理のレストランがあり、多彩な文化イベントが開催されるなど、異文化体験が日常的にできる環境です。また、LGBTQの権利保護など、社会的包括性も進んでいます。

メリット3:教育と医療の充実
世界トップクラスの教育機関(オックスフォード大学、ケンブリッジ大学など)があり、質の高い教育を受けられます。また、国民保健サービス(NHS)により、基本的な医療サービスが無料または低コストで受けられることも大きな利点です。教育面では批判的思考や議論を重視する教育スタイルが特徴的です。

メリット4:公共交通機関の発達
特に都市部では公共交通機関が充実しており、車がなくても生活しやすい環境です。電車、バス、地下鉄などが網羅的に整備されており、週末には郊外や他の都市への小旅行も簡単にできます。また、ヨーロッパ大陸へのアクセスも良く、休暇を利用して気軽に国際旅行を楽しむことができます。

 

 

① 知っておきたいイギリス生活のリアル(買い物)

―日本と違う!と思った買い物の仕方とか、買ったものってある?

スーパーマーケットの「セルフレジ」システムが最初は新鮮でした。日本のセルフレジより何年も前から一般的で、商品のバーコードを自分でスキャンして支払いまで完結させるシステムです。最近は顔認証付きの完全無人レジも増えていて、テクノロジーの導入が早いんですよ。

あと、「チャリティーショップ」の文化も特徴的です。古着や中古品を販売する店舗で、その収益が慈善団体に寄付される仕組みです。日本のリサイクルショップと似ていますが、非営利で運営されている点が違います。ヴィンテージのファッションや珍しい本、家具など、思わぬ掘り出し物が見つかることもあって、地元の人がよく利用しています。

買い物の時間も日本とは異なります。多くの店が朝9時頃から夕方6時くらいまでで、日曜日は短縮営業か休業のところも多いです。24時間営業の店は限られていて、特に小さな町では夜遅くに買い物することは難しいことがあります。その代わり、「レイトナイトショッピング」として週に1度だけ夜9時頃まで営業する日を設けているショップもあります。

面白いのは「特定の日のセール文化」です。「ボクシングデー」(12月26日)のセールは年間最大の買い物イベントで、クリスマス翌日に多くの店が大幅値下げをします。また「ブラックフライデー」もアメリカから伝わって定着しつつあります。こうしたセール日を狙って大きな買い物をする人が多いですね。

あと、イギリスでは「Bag for Life」(エコバッグ)の利用が完全に定着しています。プラスチックバッグは有料で、ほとんどの人が自分のバッグを持参します。エコバッグは丈夫で長持ちするように作られているので、壊れたら無料で新しいものと交換してもらえるシステムもあります。環境意識が日常の買い物に根付いているんです。

② 知っておきたいイギリス生活のリアル(食事)

―イギリスの食事で、え!って思ったことある?

イギリス料理は「まずい」というステレオタイプがありますが、実際は地元の食材を活かした素朴で温かみのある料理が多いんです。ただ、日本人を驚かせるのは「料理の時間帯」ですね。

ディナーの時間がとても早いと感じる人が多いです。夕食は午後6時頃に食べることが一般的で、学校や仕事が終わってすぐに夕食という家庭も珍しくありません。レストランも早い時間帯がピークで、午後9時以降は閉まっている場所も多いです。

朝食文化も特徴的です。「フルイングリッシュブレックファスト」は週末の朝食として親しまれていて、ベーコン、ソーセージ、目玉焼き、焼きトマト、マッシュルーム、ベイクドビーンズ、ブラックプディングなど盛りだくさんの内容です。平日でもシリアルやトーストなど、しっかり朝食を食べる習慣があります。

あと、お菓子の甘さにもびっくりするかもしれません。イギリスのケーキやビスケットは日本の基準からするとかなり甘いです。特に「カスタードクリーム」や「トライフル」などのデザートは砂糖たっぷりで、最初は甘すぎると感じる日本人が多いですね。

お茶の飲み方も独特です。イギリスの紅茶は一般的に濃いめで、多くの人はミルクと砂糖を入れて飲みます。「Afternoon Tea」(アフタヌーンティー)は小さなサンドイッチ、スコーン、ケーキなどと一緒に楽しむ文化で、特別な日のお出かけとして人気です。家庭では「Tea」とは夕食のことを指すこともあり、「5時のお茶」というより「5時の夕食」という意味で使われることもあるんですよ。

―家で料理するときは、どんなものを作るの?

家庭料理の定番は「ローストディナー」です。特に日曜日の昼食として伝統的で、ローストビーフやローストチキンを中心に、ローストポテト、ヨークシャープディング(小麦粉と卵と牛乳で作る膨らませたパン状のもの)、各種野菜、グレービーソースを添えます。肉を焼く間に付け合わせを準備するので、タイミングが難しいですが、家族が集まる時間として大切にされています。

平日の夕食はもっとシンプルで、「シェパーズパイ」(ひき肉と野菜の煮込みにマッシュポテトをのせて焼いたもの)や「バンガーズ・アンド・マッシュ」(ソーセージとマッシュポテト)、「ジャケットポテト」(ベイクドポテトに各種トッピング)など手軽に作れるものが人気です。

カレーも実はイギリスの家庭料理として完全に定着していて、多くの家庭で手作りしています。特に「チキンティッカマサラ」はイギリス発祥のインド風料理で、イギリス人が最も好きな料理の一つと言われています。

最近では健康志向もあり、地中海料理の影響を受けたパスタ料理やサラダ、スティーフライなどの野菜を多く使った軽めの料理も増えています。料理番組の影響で食への関心が高まり、週末には少し凝った料理に挑戦する人も増えてきました。

 

 

③ 知っておきたいイギリス生活のリアル(休日)

―休日ってどんな感じで過ごすの?

週末の過ごし方として特徴的なのは「サンデーローストディナー」ですね。特に冬は、家族や友人と一緒にパブやレストランでローストビーフなどの伝統的な日曜料理を楽しみます。その後、天気が良ければ「サンデーウォーク」として近くの公園や田舎道を散歩するのが定番です。イギリス人は雨でも傘をさして歩くのを楽しむので、多少の悪天候でも外出する傾向があります。

土曜日は「ショッピング」や「スポーツ観戦」が人気です。特にサッカーシーズン中は、地元のチームの試合を家族で観に行ったり、パブでビールを飲みながら観戦したりします。子供のスポーツ活動も週末に集中していて、親が送り迎えや応援に奔走する姿もよく見られます。

イギリスには「銀行休日(Bank Holiday)」と呼ばれる祝日があり、年に数回の三連休があります。この時期は混雑を覚悟で「ショートブレイク」(短期旅行)に出かける人が多いです。国内のビーチリゾートや田舎の町、ヨーロッパの近隣諸国への小旅行などが人気です。

雨の日の過ごし方も独特です。「パブ」でゆっくり過ごすのはイギリスらしい休日の過ごし方で、友人と集まって食事やドリンクを楽しみながら何時間も会話することもあります。また、天候に関わらず「美術館や博物館めぐり」も定番の休日の過ごし方です。特に主要な国立美術館や博物館は入場無料のところが多く、気軽に芸術や歴史に触れることができます。

最近の傾向としては「フェスティバル文化」も盛んで、音楽、食、文学、映画など様々なテーマのフェスティバルが全国で開催されており、これを目当てに休日を計画する人も多いです。イギリス人は雨の中でもテントを張ってフェスを楽しむ忍耐強さがあります!

④ 知っておきたいイギリス生活のリアル(家族)

―家族との過ごし方って、日本とどう違うの?

イギリスの家族観は「個の尊重」がベースにあると感じます。子供が18歳になると大学進学や就職で実家を離れることが一般的で、親もそれを自然なこととして受け入れます。「巣立ち」を親子関係の切れ目ではなく、新しい関係性の始まりと捉える文化があります。独立後も定期的に連絡を取り合い、大きな祝日には集まりますが、日常的な干渉は少ない傾向があります。

祖父母との関係も日本とは異なります。同居するケースは少なく、別々に暮らしていても定期的に訪問し合う関係を保ちます。「サンデーローストディナー」に家族全員が集まる伝統もあります。祖父母は孫の面倒を見る役割を担うこともありますが、自分の生活や趣味も大切にする傾向があります。「バブシッター」(子守)として孫を預かることはあっても、常時の育児担当者になることは少ないです。

休暇の過ごし方も興味深いです。家族での休暇は年に1〜2回が一般的で、特に夏休みには1〜2週間の「ファミリーホリデー」を楽しみます。イギリス国内のビーチリゾートや田舎のコテージを借りたり、スペインやフランスなど温暖な地域に出かけたりします。両親だけで休暇に行くことも珍しくなく、子供は祖父母に預けられることもあります。家族全員が常に一緒にいなければならないという価値観よりも、それぞれが適度な距離感を持ちながら関係を育む考え方が浸透しています。

一方で、家族の絆を深める行事も大切にされています。特に「クリスマス」は最も重要な家族の行事で、離れて暮らしていても実家に帰省し、プレゼント交換やクリスマスディナーを楽しむのが伝統です。「マザーズデー」や「ファーザーズデー」も家族で祝い、感謝の気持ちを表す機会として重視されています。

子育ての考え方も特徴的です。比較的早い段階から子供の「自立」を促す傾向があり、小さな頃から自分のことは自分でする習慣を身につけさせます。学校でも議論やディベートを通じて自分の意見を表現する能力が重視され、家庭でも子供の意見を尊重する文化があります。「子供部屋」は個人の空間として尊重され、親でも無断で入ることは避けるという考え方も一般的です。

⑤ 知っておきたいイギリス生活のリアル(その他)

―イギリス人に人気のスポーツとか、観光地って何?

スポーツといえば断然「サッカー(フットボール)」がイギリスの国民的スポーツです。プレミアリーグの試合がある週末は、パブはサポーターで賑わいます。チームへの忠誠心は非常に強く、地元のチームを応援することは地域のアイデンティティの一部にもなっています。「代を継いで同じチームを応援する」という家族の伝統もよく見られます。

他にも「クリケット」は夏の定番スポーツで、テスト・マッチ(国際試合)が行われる5日間は公園のスクリーンやパブで多くの人が観戦します。試合が長いため、ピクニックを持参して友人と一日中観戦することも。「ラグビー」も人気で、特に「シックス・ネイションズ」(欧州6カ国対抗戦)の時期は国を挙げての一大イベントです。

最近では「フィットネス文化」も広がっています。朝のジョギングやパークランなどの市民ランニングイベントが盛んで、リーズやマンチェスターなどの街を走る「ハーフマラソン」には老若男女問わず多くの人が参加します。チャリティーのためにこうしたスポーツイベントに参加する文化も特徴的です。

イギリス人に人気の観光地は、外国人があまり行かない穴場スポットが多いんです。「コッツウォルズ」は蜂蜜色の石造りの村々が点在する田園地帯で、ロンドンからも日帰りできる距離にあり、週末の小旅行先として人気です。「湖水地方(レイク・ディストリクト)」はハイキングやボート遊びが楽しめる自然豊かな地域で、詩人ワーズワースゆかりの地としても知られています。

海岸線沿いの「コーンウォール」は地元のイギリス人に愛される夏のバケーションスポットです。サーフィンやセーリングなどのマリンスポーツが盛んで、クリーム・ティーという地元の名物(スコーンにクロテッドクリームとジャムを添えたもの)も楽しめます。そのほか、「ヨークシャー・デールズ」や「スノードニア国立公園」(ウェールズ)など、手つかずの自然を楽しむ国立公園も週末の行楽先として人気です。

―イギリス人に人気のレストランはある?(外国人があまり行かないところ)

「パブ」は今でもイギリス人の社交生活の中心です。特に「ガストロパブ」と呼ばれる料理に力を入れているパブが人気で、ローストディナーはもちろん、季節の食材を使った創作料理も提供しています。外国人観光客は中心部の有名パブに行きがちですが、地元の人は住宅街の「ローカルパブ」を好むことが多いです。そこでは常連客同士の交流があり、ダーツやクイズナイトなどのイベントも開催されています。

「フィッシュ・アンド・チップス・ショップ」も地元民に愛されています。テイクアウト専門の店が多く、新聞紙に包まれた揚げたての魚とポテトを持ち帰るスタイルが伝統的です。観光客向けのレストランよりも、住宅街にある小さな店の方が本格的な味を提供していることが多いです。地元の人は「ベスト・フィッシュ・アンド・チップス」についていつも議論しています。

「サンドイッチショップ」もランチタイムには欠かせない存在です。「プレット・ア・マンジェ」や「グレッグス」などのチェーン店は、手頃な価格で質の良いサンドイッチやペイストリーを提供しており、オフィスワーカーに人気です。地元のベーカリーがサンドイッチを提供している場所も多く、それぞれに特色があります。

「カーヴェリー」というローストミートの専門店も、地元の人に人気です。カウンターでローストビーフやターキー、ポークなどを好みの量だけカットしてもらい、付け合わせと一緒に食べるスタイルです。家族連れでのカジュアルな外食先として親しまれています。

また、「イギリス生まれの国際料理」も特徴的です。特に「インド料理」はイギリス文化に完全に溶け込んでおり、「カレーナイト」(友人と一緒にインド料理を食べる夜)は週末の定番イベントです。「チキン・ティッカ・マサラ」や「バターチキン」などは、インド系イギリス人によって生み出された本場とは異なるイギリス独自のカレーで、全国に愛されています。

まとめ

イギリスの文化を知ることで、伝統と革新、個人の自由と社会的調和のバランスを重視する価値観に触れることができます。天候に左右されず前向きに過ごす姿勢、時間を大切にしながらもゆったりとした生活を楽しむ知恵、多様な文化背景を持つ人々との共存など、私たちの日常に取り入れられるヒントが詰まっています。

特に、家族との適度な距離感を保ちながらも絆を大切にする関係性、週末のローストディナーや散歩などの小さな習慣を楽しむ姿勢、また環境への配慮や地域コミュニティへの参加など、イギリスの生活様式からは現代を生きる私たちへの示唆が多く見出せます。

イギリスへの留学や移住、旅行を考えている方は、こうした文化的背景を知ることで、より深く現地の生活を理解し、充実した時間を過ごすことができるでしょう。「違い」を楽しみながら、新しい発見の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

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