【日本在住カナダ人に聞いた!】知っておきたいカナダの文化 ~留学、長期滞在、移住、短期滞在・旅行の参考に~

カナダってどんな国? 日本からのイメージ

カナダは北米大陸の北側に位置し、世界で2番目に広い国土を持つ国です。東はアメリカと国境を接し、北は北極海、東はグリーンランド、西はアラスカに囲まれています。10の州と3の準州から成り、英語とフランス語の2つの公用語を持つ多言語・多文化国家です。

日本人からはよく「自然が豊か」「人が優しい」「多文化共生が進んでいる」「社会保障が充実している」といったポジティブなイメージを持たれています。また、メープルシロップやアイスホッケー、モミの木、カナディアンロッキーの美しい山々も、カナダを代表するイメージとして広く知られています。

カナダで暮らす/カナダに行くメリットについて

カナダで暮らす最大のメリットは、世界中から多様な文化的背景を持つ人々が集まっている点です。特に大都市では、様々な国の料理や文化を楽しむことができ、多様性が尊重される社会で生活できます。

また、広大な自然も大きな魅力です。都市部から少し離れれば、手つかずの大自然が広がっており、アウトドア活動を存分に楽しむことができます。教育制度や医療制度も充実しており、子育て環境としても優れています。

旅行者にとっても、雄大な自然景観を楽しめる国立公園や、歴史的な街並みが残る都市、様々な文化が融合した独自の食文化など、多彩な魅力にあふれています。

 

 

① 知っておきたいカナダの文化(歴史)

— 日本人が知らなくてびっくりするようなカナダの歴史ってある?

カナダの歴史で多くの日本人が知らない点は、まず先住民の歴史の深さです。カナダには数千年にわたる先住民の歴史があり、ファーストネーションズ、イヌイット、メティスなど、様々な先住民グループが独自の文化や言語を発展させてきました。

また、カナダが正式に独立国として認められたのは比較的最近で、1982年のカナダ憲法制定によって完全な独立を果たしました。それまではイギリスの法的な支配下にあったことも、多くの日本人にとって意外かもしれません。

さらに、第二次世界大戦中には日系カナダ人の強制収容という暗い歴史もあります。1988年にカナダ政府は公式に謝罪し、賠償金を支払いましたが、この歴史的事実を知らない日本人も多いです。

— 日本人がびっくりするようなカナダの習慣って何かある?

カナダ人の時間感覚は日本人とはかなり異なります。約束の時間に10〜15分程度遅れることは比較的許容されることが多く、「カナダ時間」と呼ばれることもあります。特にプライベートな集まりでは、時間にかなりルーズなケースもあり、日本の時間厳守の文化とのギャップに驚く日本人は多いです。

また、チップの文化も日本人にとっては馴染みがないものです。レストランやタクシー、ホテルなど様々なサービス業でチップを支払うことが一般的で、通常はサービス料金の15〜20%程度を支払います。チップを支払わないことは非常に失礼とみなされることもあります。

さらに、他人と会話する距離感の違いも驚きの一つかもしれません。カナダ人は初対面でも比較的フレンドリーに接することが多く、個人的な話題(家族のこと、週末の予定など)にも気軽に触れることがあります。

② 知っておきたいカナダの文化(コミュニケーション)

— カナダ人のコミュニケーションスタイルってどんな感じ?日本と違う点は?

カナダ人のコミュニケーションスタイルの大きな特徴は直接的であることです。遠回しな表現ではなく、自分の意見や考えを率直に伝えることが重視されます。特に否定的な意見でも、「申し訳ないけど…」と前置きしつつも、はっきりと伝えることが一般的です。

また、カナダ人は会話の中で相手の目をしっかり見ることが重要とされています。日本では目を合わせすぎないことが礼儀とされる場面もありますが、カナダではアイコンタクトが薄いと「興味がない」「信頼できない」と受け取られることがあります。

カナダでは初対面の人とでも、気軽に冗談を言い合ったり笑ったりするカジュアルな雰囲気があります。この点は日本の「初対面ではやや改まった態度で接する」という文化とは異なります。

— カナダで「これやったら失礼」って思われることってある?

カナダでは、列に割り込むことは非常に失礼な行為とみなされます。カナダ人は列に並ぶことを重視し、順番を守ることが社会的マナーとして根付いています。

また、公共の場での大声での会話や、スマートフォンの着信音が大きい場合なども迷惑行為とされます。特に映画館や図書館、レストランなどでは静かにすることが求められます。

さらに、文化的背景や人種、性的指向などに関する差別的な発言は厳しく非難されます。カナダは多様性を重視する社会なので、こうした発言には特に敏感です。

— カナダ人の「あるある」みたいなものってある?

カナダ人があまりにも頻繁に「Sorry(すみません)」と言うことは有名な「あるある」です。ぶつかりそうになっただけでも「Sorry」と言いますし、自分が悪くない状況でも謝ることがあります。

また、天気の話題が会話の定番であることもカナダ人の特徴です。特に冬の厳しさや夏の過ごしやすさなど、季節の変化を日常的に話題にします。

さらに、アイスホッケーへの情熱も「あるある」の一つです。特にナショナルホッケーリーグ(NHL)の試合がある日は、スポーツバーが満員になったり、家族や友人で集まって観戦したりすることが一般的です。

 

 

③ 知っておきたいカナダの文化(プレゼント)

— カナダではどんなときにプレゼントをあげるの?日本と違う点はある?

カナダでは誕生日、クリスマス、結婚式、出産祝い、新居祝いなど、日本と同様の機会にプレゼントを贈る習慣があります。一方で、日本と異なる点としては、ハウスウォーミングパーティー(新居に引っ越した際のパーティー)の際にプレゼントを持参するのが一般的なことや、感謝祭などの独自の祝日にも小さなギフトを交換することがあります。

また、日本の「お中元」「お歳暮」のような季節の贈り物の習慣はなく、個人的な関係に基づいてプレゼントを贈る傾向が強いです。職場での贈り物のやり取りも、日本ほど形式化されておらず、特別な関係がある場合に限られることが多いです。

— カナダではどんなプレゼントが喜ばれる?逆にNGなものは?

カナダでは実用的なギフトや体験型のギフトが人気です。品質の良いキッチン用品、地元の特産品(メープルシロップ製品やクラフトビールなど)、アウトドア用品などが喜ばれます。また、コンサートチケットやレストランのギフトカード、スパの施術券などの体験ギフトも人気です。

一方、NGとされるプレゼントには、香水や衣類などの個人的な好みが強く出るもの(相手をよく知らない場合)、鋭利なナイフなどの縁起が悪いとされるもの、宗教色の強いアイテム(相手の信仰を知らない場合)などがあります。

また、プレゼントの包装も日本ほど重視されず、シンプルな包装紙やギフトバッグで十分とされることが多いです。

— カナダで家を訪問するときのマナーって何かある?

カナダの家を訪問する際は、招待された時間より少し(5〜15分程度)遅れて到着するのが一般的です。厳密な時間通りに到着すると、ホストがまだ準備中の場合もあります。ただし、正式なディナーパーティーなどでは、時間通りに到着することが望ましいです。

また、何か小さなギフト(ワイン、チョコレート、花など)を持参するのがマナーとされています。特にディナーに招待された場合は、飲み物や食べ物を持参することが一般的です。

家に入る際は、靴を脱ぐかどうか確認するのがベストです。カナダでは家庭によって習慣が異なり、靴を履いたまま家に上がる家庭もあれば、靴を脱ぐ家庭もあります。特に雨や雪の日には、靴を脱ぐことが多いです。

④ 知っておきたいカナダの文化(食文化)

— カナダならではの料理ってどんなものがある?

カナダを代表する料理としてまず挙げられるのがプーティンです。これはケベック州発祥の料理で、フライドポテトにグレイビーソースとチーズカードをかけたシンプルながらも満足感のある一品です。ファストフード店からフードトラック、高級レストランまで様々な場所で提供されています。

バタータルトというデザートも、カナダならではの料理です。バターと砂糖、卵をベースにした甘いタルトで、カナダ人の間で愛される伝統的なスイーツです。

また、モントリオールスタイルのベーグルやスモークミート(モントリオールスタイルのパストラミのようなもの)、アトランティックロブスター、メープルシロップを使った様々な料理など、地域ごとの特色ある料理も豊富です。

— カナダの食事のマナーで日本と違うところってある?

カナダの食事マナーで日本と大きく異なる点の一つは、テーブルでの音の出し方です。日本ではラーメンをすすったりする音を出すことが許容される場面もありますが、カナダではテーブルでの音(すする音、口を開けて食べる音など)は避けるべきとされています。

また、カナダではアルコールの扱いも異なります。日本では「お酌をする」文化がありますが、カナダでは各自が自分のグラスを管理するのが一般的です。無理に飲ませることもマナー違反とされます。

さらに、カナダでは食事中に肘をテーブルにつくことは失礼と考えられることがありますが、日本ではそれほど厳しくないことも違いです。

— カナダの食生活や食習慣で面白いものってある?

カナダの食生活で面白い特徴の一つは、季節ごとの食習慣です。特に秋のメープルシロップシーズンには、メープルシロップ農園で「シュガーオフ」と呼ばれるイベントが開催され、新鮮なメープルシロップを雪の上に垂らして固めた「メープルタフィー」を楽しむ習慣があります。

また、ティムホートンズというコーヒーショップチェーンへの愛着も独特です。カナダ人の多くが一日をティムホートンズのコーヒーから始め、「ダブルダブル」(砂糖とクリーム各2つ)と呼ばれる注文スタイルは国民的な言葉になっているほどです。

さらに、カナダのブランチ文化も特徴的で、特に週末は家族や友人と一緒に遅めの朝食兼昼食を楽しむことが一般的です。パンケーキやフレンチトースト、ベーコン、卵料理などが定番のメニューです。

⑤ 知っておきたいカナダの文化(その他)

— カナダ人の性格や国民性ってどんな感じ?

カナダ人は一般的に礼儀正しく、寛容で、親切な国民性を持っていると言われています。「Sorry(すみません)」とよく言うことでも知られており、謙虚さや他者への配慮が重視されます。

また、多様性を尊重する姿勢も特徴的です。様々な文化的背景を持つ人々が共存する社会で育つため、異なる価値観や生活様式に対して比較的オープンな姿勢を持っています。

一方で、カナダ人は自国の独自性にも誇りを持っています。特にアメリカとの違いを強調することが多く、カナダ独自の文化やアイデンティティを大切にしています。

— カナダの若者文化や流行について教えて!

カナダの若者文化は、都市部を中心に多様性に富んでいます。特にトロント、バンクーバー、モントリオールなどの大都市では、アメリカや世界各国の影響を受けつつも、独自の発展を遂げています。

音楽シーンでは、ドレイク、ウィークエンド、ジャスティン・ビーバーなどの国際的に成功したカナダ人アーティストの影響が大きく、地元のヒップホップやインディーロックのシーンも活発です。

また、環境保護や社会正義に対する意識も高く、持続可能なファッションやライフスタイル、プラント・ベースの食事などが若者を中心に広がっています。オンラインでのアクティビズムも盛んで、SNSを通じた社会運動への参加も一般的です。

— カナダの教育や仕事の文化について教えて!

カナダの教育制度は世界的に高い評価を受けており、公教育の質が全体的に高いことが特徴です。特に高等教育では、トロント大学やブリティッシュコロンビア大学、マギル大学など世界的に知られた大学が複数あります。

教育環境では批判的思考力や創造性が重視され、暗記よりも考える力を養う教育が行われています。また、課外活動も学校生活の重要な一部とされ、スポーツや芸術活動への参加が推奨されています。

仕事の文化では、ワークライフバランスが比較的重視されています。多くの企業が柔軟な勤務時間を提供し、有給休暇の取得も促進されています。また、カジュアルな職場環境も特徴的で、多くのオフィスではビジネスカジュアルやさらにカジュアルな服装が許容されています。

まとめ

カナダは自然の豊かさと文化的多様性が調和した魅力的な国です。直接的かつ親切なコミュニケーションスタイル、多様性を尊重する社会、独自の食文化など、日本とは異なる文化的特徴が数多くあります。

カナダを訪れる際や、カナダ人と交流する際には、こうした文化的違いを理解しておくことで、より豊かな経験ができるでしょう。時間にやや余裕を持った考え方や、直接的な意見交換、多様性への敬意などは、カナダ文化を理解する上で重要なポイントです。

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