「ルールと変化への抵抗」アメリカ人女性が4年暮らして感じた本当の日本

東京在住4年目を迎えるアメリカ人20代女性ヘイリー・プライスさんにインタビュー。故郷から遠く離れた日本での生活で見つけた新たな自分と、期待と現実のギャップについて率直に語ってもらいました。
――まず、あなたの背景について教えてください。
「私はアメリカ合衆国生まれアメリカ育ちで、日本に移り住んでからは4年が経ちました。」
――日本に住んで、自分自身の中で変化を感じることはありますか?
「正直に言うと、日本に来てから自分自身について変わっていないことを考えるのは難しいです。私は20歳でアメリカを離れ、韓国で6ヶ月間勉強し、2020年に一人で日本に来て以来ずっとここにいます。初めての一人暮らしのアパート、大学卒業、初めてのフルタイムの仕事、パンデミックの中での生活、そして大人になる方法を学びました。
アメリカを離れる前は、飛行機に乗ったことも東海岸を出たこともありませんでした。人間的に可能な限り自分の快適ゾーンから飛び出したと思います。もし20歳の自分に会えるなら、私たちは全く違う人間になっていると思います。」
――来日前のイメージと実際の日本の印象に違いはありましたか?
「日本の官僚主義や変化への抵抗のレベルを本当に過小評価していました。市役所や入国管理局への訪問、そして今でも広く使われている時代遅れの技術などの話は聞いていましたが、本当に準備ができていませんでした。
最初のアルバイトでは、ファックス機と物理的なタイムカード(?!)を使っていました。銀行は通帳を発行し、当時はオンラインバンキングのオプションはありませんでした。テクノロジー先進国というイメージとは大きく異なる経験でした。」
――日本に来て驚いた日本人の価値観や考え方はありますか?
「ここでの人々が『規則通り』にルールに従う様子にとても驚きました。レストランでの注文をカスタマイズできないこと、特定の役割以外の問題を処理できないこと、そして意見を自由に提供しないことなどです。
アメリカでは、『お客様は常に正しい』という考え方があり、要望に応えるための柔軟性が期待されます。しかし日本では、ルールや手順が個人の要望よりも優先されることが多いと感じました。決められた枠組みの中でしか動けないという制約が、時に不便さを感じさせますが、一方で社会の秩序を保つ重要な要素でもあるのだと理解するようになりました。」
――日本でまた訪れたい場所はありますか?
「最初の6ヶ月間は京都にいました。京都は素晴らしい場所で、本当に素敵なお菓子と写真スポットがあります。歴史的な寺社と現代的な街並みが共存する空間に魅了されました。特に季節ごとに表情を変える景色は何度でも見たいと思います。
沖縄も大好きです。海が大好きで、シュノーケリングができ、人々がとても歓迎的でリラックスしていたからです。本土とは全く異なる文化や雰囲気があり、まるで別の国にいるような感覚を味わえました。
そして栃木県も再訪したいですね。地元の小さな地域の旅館で素敵な休暇を過ごしたからです。都会の喧騒から離れ、日本の伝統的なおもてなしを体験できる貴重な場所でした。」
――もし時間や予算に限りがあるとしたら、優先度が低いと感じる場所はどこですか?
「東京駅周辺のどこでも避けたいですね。そこで乗り換えをしなければならないたびに大変な思いをします。複雑な構造と人の多さで、毎回ストレスを感じてしまいます。
鎌倉の海岸も特に汚染のために再訪は考えていません。期待していた美しい景色とは異なり、環境問題を目の当たりにして残念に思いました。
他に訪れた場所に対して強い否定的な感情はありませんが、世田谷の特定の通りは呪われていると確信しています(笑)。そこに行くといつも何か悪いことが起こるんです。迷信じゃないんですよ、本当に!」
海を越えて新しい生活を始められた彼女の目に映る日本は、テクノロジー先進国というイメージとは異なる「伝統とルールが支配する国」だったようです。4年間の生活を通して、彼女自身も大きく成長し、異文化への理解を深めてきました。
東海岸から一度も出たことがなかった若い女性が、一人で太平洋を越え、パンデミック下の日本で大人になるという経験は、彼女にとって自分自身を再発見する旅でもあったのでしょう。異文化での暮らしは時に戸惑いをもたらすこともありますが、新たな発見と自己成長の機会でもあるようです。