現地人が教えるオーストラリアで人気のカフェ5選

オーストラリアといえば、世界トップクラスのコーヒー文化を誇る国として知られています。スターバックスが苦戦を強いられるほど洗練されたカフェ文化を持ち、「フラットホワイト」発祥の地としても有名です。メルボルンは「世界一のコーヒー都市」と称されることもあり、シドニーと並んでカフェ激戦区となっています。
そこで今回は、シドニー在住8年のジェームズさん(仮名、オーストラリア人)に、観光ガイドには載っていない、現地人だからこそ知るオーストラリアのカフェ文化と本当に美味しいカフェを5つ教えてもらいました。オーストラリアのコーヒー文化の歴史から正しいオーダー方法まで、オーストラリアのカフェ体験を完全ガイドします。
オーストラリアのカフェ文化の基本と背景
――オーストラリアのカフェ文化って、オーストラリア人からするとどんな意味を持ってるの?簡単に説明してもらえる?
オーストラリアのカフェ文化は、実は第二次世界大戦後にイタリア系移民によって持ち込まれたんだ。1950年代から60年代にかけて、イタリア系移民が本格的なエスプレッソマシンを持ち込んで、それまでのインスタントコーヒー中心だったオーストラリアのコーヒー文化を一変させたんだよ。
特にメルボルンは「リトル・イタリー」と呼ばれる地区があって、そこを中心にカフェ文化が花開いたんだ。1980年代にはオーストラリア独自のコーヒー「フラットホワイト」が誕生して、これが後に世界中に広まることになったんだよ。
オーストラリア人にとってカフェは、単にコーヒーを飲む場所じゃなくて、コミュニティの中心的な存在なんだ。朝の通勤前に立ち寄って「レギュラー」(いつものコーヒー)を注文したり、週末には友達と長時間おしゃべりしたり、ビジネスミーティングをしたりする場所でもあるんだ。
オーストラリアのカフェの特徴は、コーヒーの品質に対する妥協のない姿勢だね。バリスタは職人として尊敬されていて、多くのカフェでは自家焙煎のコーヒー豆を使っているんだ。そして何より、「ミルクアート」の技術が世界トップレベルなんだよ。
――オーストラリアのコーヒーの種類や、日本人との飲み方の違いは?
これは本当に重要な違いなんだ!オーストラリアでは、コーヒーの種類が非常に細かく分類されているんだよ。
まず、オーストラリア発祥の「フラットホワイト」は、エスプレッソにミルクを加えたもので、カプチーノよりもミルクの泡が少なく、ラテよりも濃いコーヒーなんだ。これがオーストラリア人の一番人気だね。
「ロングブラック」は、お湯にエスプレッソを注いだもので、アメリカンコーヒーに似ているけど、エスプレッソベースだから味が全然違うんだ。「ショートブラック」はエスプレッソそのもので、イタリア系の人たちがよく飲んでいるよ。
日本人との飲み方の違いで言うと、オーストラリア人は砂糖をあまり入れないんだ。コーヒー本来の味を楽しむことを重視していて、甘さよりもコーヒーの品質やミルクの質感を大切にしているんだよ。
それから、オーストラリアでは「デカフェ」(カフェインレス)の需要も高くて、どのカフェでもデカフェのオプションがあるんだ。健康志向の人が多いからね。
あとは、オーストラリアのカフェでは「テイクアウェイ」と「フォーヒア」(店内飲食)で値段が違うことが多いんだ。店内で飲む方が少し高くなるけど、その分ゆっくりくつろげるんだよ。
現地人おすすめ!人気のカフェ5選
1. Single O(シングル・オー)- シドニー
――まず最初におすすめのカフェを教えて
Single Oは、シドニーを代表する自家焙煎カフェの一つなんだ。2003年に設立されて、オーストラリアのスペシャルティコーヒーシーンをリードしてきた存在だよ。
Single Oの特徴は、コーヒー豆の品質に対する徹底したこだわりなんだ。世界中の農園から直接仕入れた豆を、熟練のロースターが丁寧に焙煎している。特に彼らの「シーズナル・エスプレッソ」は、季節ごとに最高の豆をセレクトしているから、いつ行っても新鮮な驚きがあるんだよ。
バリスタの技術も世界レベルで、ミルクアートはもちろん、一杯一杯のコーヒーに対する情熱が伝わってくるんだ。特にフラットホワイトは、クリーミーでなめらかなミルクとエスプレッソのバランスが絶妙で、「これぞオーストラリアのコーヒー」という味わいを楽しめるよ。
シドニー市内に複数店舗があるから、観光の合間に立ち寄りやすいのも魅力だね。朝の7時頃から夕方まで営業していて、朝食メニューも充実しているから、モーニングコーヒーにもおすすめだよ。
場所: シドニー市内に複数店舗(サリーヒルズ本店、シドニーCBD等)
営業時間: 月-金 7:00-16:00、土日 8:00-16:00
おすすめメニュー: フラットホワイト($4.50)、シーズナル・エスプレッソ、アボカドトースト
2. Patricia Coffee Brewers(パトリシア・コーヒー・ブリュワーズ)- メルボルン
――2番目のカフェは?メルボルンの代表的なカフェを教えて
Patricia Coffee Brewersは、メルボルンのコーヒー文化を象徴する老舗カフェなんだ。2009年にオープンして以来、地元の人たちに愛され続けている名店だよ。
ここの魅力は、まさに「メルボルンスタイル」のカフェ体験ができることなんだ。狭い店内に小さなテーブルが並んでいて、常連客とバリスタが気軽に会話している、とてもアットホームな雰囲気なんだよ。
Patricia Coffee Brewersのコーヒーは、酸味と苦味のバランスが絶妙で、特に彼らのハウスブレンドは多くのカフェ愛好家から高い評価を受けているんだ。ミルクの泡立ても芸術的で、一杯のコーヒーを飲むのがもったいなくなるほど美しいミルクアートを描いてくれるよ。
メルボルンのカフェ文化では、バリスタとの会話も楽しみの一つなんだ。Patriciaのスタッフは皆フレンドリーで、コーヒーについて質問すれば丁寧に教えてくれるから、オーストラリアのコーヒー文化をより深く理解できるはずだよ。
場所: メルボルン市Little Bourke Street
営業時間: 月-金 7:00-17:00、土日 8:00-17:00
おすすめメニュー: ハウスブレンド・フラットホワイト、カプチーノ、クロワッサン
3. The Grounds of Alexandria(ザ・グラウンズ・オブ・アレクサンドリア)- シドニー
――3番目のカフェはどこ?もう少し観光客にも人気のスポットは?
The Grounds of Alexandriaは、シドニーで最もインスタ映えするカフェとして有名で、地元の人にも観光客にも大人気のスポットなんだ。元々は1940年代のパイ工場だった建物を改装した、ユニークな空間が魅力だよ。
ここの特徴は、単なるカフェを超えた総合エンターテイメント施設のような存在なんだ。敷地内には花屋、ベーカリー、バー、レストランが併設されていて、さらに動物園まであるんだよ。豚のケビン、ヤギのグウィネス・パルトロウ(名前が面白いよね)などの動物たちがいて、特に週末は家族連れで賑わっているんだ。
コーヒーの品質も一流で、自家焙煎の豆を使ったエスプレッソは深い味わいと芳醇な香りが楽しめるんだ。特に彼らの「グラウンズ・ブレンド」は、チョコレートのような甘い香りとナッツのような後味が特徴的で、多くのリピーターを生んでいるよ。
朝食やランチメニューも豊富で、特にアボカドトーストやエッグ・ベネディクトは絶品なんだ。インスタ映えする見た目だけじゃなく、味も本格的だから、写真を撮った後も美味しく楽しめるよ。
場所: シドニー・アレクサンドリア
営業時間: 月-日 7:00-16:00
おすすめメニュー: グラウンズ・ブレンド・フラットホワイト、アボカドトースト、パンケーキ
4. Market Lane Coffee(マーケット・レーン・コーヒー)- メルボルン
――4番目のカフェは?
Market Lane Coffeeは、メルボルンが誇るスペシャルティコーヒーの専門店なんだ。2009年に設立されたこのカフェは、「コーヒーを通じて農園とお客様を繋ぐ」という理念のもと、世界中の優秀な農園と直接取引をしているんだよ。
Market Lane Coffeeの最大の特徴は、「シングルオリジン」コーヒーへのこだわりなんだ。エチオピア、コロンビア、ブラジルなど、世界各地の単一農園の豆だけを使用したコーヒーを提供していて、産地ごとの味の違いを楽しむことができるんだ。
バリスタは皆、コーヒーに関する深い知識を持っていて、どの豆がどんな味わいなのか、どの淹れ方が最適なのかを丁寧に説明してくれるよ。コーヒー初心者でも、自分好みの一杯を見つけることができるはずだ。
店内には焙煎機が設置されていて、新鮮な豆の香りが常に漂っているんだ。コーヒー豆の購入もできるから、お土産としても人気が高いよ。特に彼らの「フィルターコーヒー」は、豆本来の味を最大限に引き出した、クリアで上品な味わいが楽しめるんだ。
場所: メルボルン市内複数店舗(Prahran本店、Collins Street等)
営業時間: 月-金 7:00-17:00、土日 8:00-17:00
おすすめメニュー: シングルオリジン・フィルターコーヒー、エスプレッソ、コーヒー豆(お土産用)
5. Toby’s Estate Coffee(トビーズ・エステート・コーヒー)- シドニー
――最後の5番目のカフェは?
Toby’s Estate Coffeeは、1997年にシドニーで創業された、オーストラリアのスペシャルティコーヒー業界のパイオニア的存在なんだ。現在はニューヨークにも進出していて、オーストラリアのコーヒー文化を世界に広めている代表的なブランドだよ。
Toby’s Estateの特徴は、「農園から一杯まで」のすべてのプロセスにこだわっていることなんだ。コーヒー農園との直接取引から、焙煎、抽出まで、一貫した品質管理を行っているから、常に安定した美味しさを提供できるんだよ。
特に彼らの「Woolloomooloo Blend」は、シドニーの地名を冠したハウスブレンドで、バランスの取れた味わいと豊かな香りが特徴なんだ。フラットホワイトにすると、ミルクとエスプレッソが完璧に調和した、まさにオーストラリアンスタイルのコーヒーを楽しめるよ。
店内ではバリスタトレーニングも行っていて、コーヒー作りに興味がある人には短期間のワークショップも提供しているんだ。オーストラリアのカフェ文化をより深く理解したい人にはおすすめだね。
チッペンデール本店では、焙煎の見学もできるから、コーヒー好きにはたまらない体験ができるはずだよ。
場所: シドニー・チッペンデール本店他、市内複数店舗
営業時間: 月-金 6:30-16:00、土日 7:30-16:00
おすすめメニュー: Woolloomooloo Blend・フラットホワイト、コールドブリュー、バリスタワークショップ
オーストラリアでのカフェでのオーダー方法とマナー
――オーストラリアのカフェでオーダーする時のコツや、日本人が知っておくべきマナーは?
オーストラリアのカフェでのオーダーは、実はとてもシンプルで気軽なんだ。特別な作法やマナーがあるわけじゃなくて、自然体で楽しむことが一番大切だよ。
基本的なオーダー方法:
- カウンターに行って、コーヒーの種類を伝える
- サイズ(レギュラー/ラージ)を選ぶ
- ミルクの種類(通常のミルク、ソイミルク、アーモンドミルク等)を指定
- 「フォーヒア」(店内)か「テイクアウェイ」かを伝える
例えば、「One flat white, regular size, for here, please」(フラットホワイトのレギュラーサイズを店内でお願いします)みたいな感じだね。
オーストラリアのカフェ文化では、バリスタとの軽い会話も楽しみの一つなんだ。「How’s your day going?」(今日はどう?)なんて気軽に話しかけてくれることが多いから、緊張せずに「Good, thanks!」って答えればいいよ。
チップの習慣はないから、会計時に悩む必要もないんだ。ただし、特別に良いサービスを受けたと感じたら、小銭をチップジャーに入れることもあるけど、これは完全に任意だよ。
――オーストラリアのコーヒーの種類や、注文時の注意点は?
オーストラリアで人気のコーヒーの種類を覚えておくと、注文がスムーズになるよ:
フラットホワイト: オーストラリア発祥。エスプレッソ+ミルク、泡少なめ
カプチーノ: エスプレッソ+ミルク+たっぷりの泡
ラテ: エスプレッソ+多めのミルク、グラスで提供されることが多い
ロングブラック: お湯+エスプレッソ(アメリカーノに似ている)
ショートブラック: エスプレッソそのもの
マキアート: エスプレッソ+少量のミルクの泡
注意点としては、「アメリカンコーヒー」は通じないことが多いから、薄めのコーヒーが欲しい時は「ロングブラック」を注文するといいよ。
また、多くのカフェでは植物性ミルク(ソイ、アーモンド、オーツ等)のオプションがあるから、乳製品が苦手な人も安心して楽しめるんだ。ただし、植物性ミルクを選ぶと追加料金(50セント程度)がかかることが多いよ。
朝の通勤時間帯(7:30-9:30)は特に混雑するから、時間に余裕を持って行くか、少し時間をずらして行くことをおすすめするね。
カフェ体験をより深めるためのアドバイス
――観光客がオーストラリアでカフェを楽しむ時に、より本格的な体験をするためのコツは?
本格的なオーストラリアのカフェ体験をしたいなら、まずは地元の人が通う「ネイバーフッドカフェ」(近所のカフェ)を訪れることをおすすめするよ。
朝の7時頃にカフェに行ってみるといいね。通勤前のオーストラリア人たちが「レギュラー」(いつものコーヒー)を注文している光景を見ることができるし、本当の日常を感じられるはずだ。
バリスタとの会話も楽しんでほしいな。「What’s your recommendation?」(おすすめは何ですか?)って聞けば、喜んでその日のベストなコーヒーを教えてくれるよ。オーストラリア人は親切だから、コーヒーについて色々教えてくれるはずだ。
カフェホッピングも面白い体験だね。一日で3〜4軒のカフェを回って、それぞれの個性を比較してみるといいよ。特にメルボルンでは、一つの通りに何軒ものカフェがあるから、歩きながらカフェ巡りを楽しめるんだ。
――初心者におすすめのオーダーや楽しみ方は?
初心者の方には、まずは「フラットホワイト」を試してもらいたいね。これがオーストラリアのコーヒー文化の真髄だから、「オーストラリアに来た」という実感を得られるはずだよ。
コーヒーが苦手な人には、「ベイビーチーノ」(子供向けの泡立てミルク)や「チャイラテ」もおすすめだね。オーストラリアのカフェでは、コーヒー以外のドリンクも充実しているんだ。
朝食やランチも一緒に楽しむといいよ。オーストラリアのカフェフードは本当に美味しくて、特に「アボカドトースト」「エッグ・ベネディクト」「グラノーラボウル」は定番メニューだから、試してみてほしいな。
写真を撮るのも全然問題ないよ。美しいミルクアートや色鮮やかなカフェフードは、インスタグラムにも映えるし、思い出にもなるからね。ただし、他のお客さんの迷惑にならないよう、さりげなく撮影するのがマナーだよ。
時間があるなら、コーヒー豆も購入してお土産にするといいね。オーストラリアの高品質なコーヒー豆は、日本に帰ってからもオーストラリアの思い出を蘇らせてくれるはずだ。
まとめ
オーストラリアのカフェ文化は、イタリア系移民によって持ち込まれた伝統が、オーストラリア独自の革新と融合して生まれた、世界でも類を見ない洗練された食文化です。単にコーヒーを飲む場所ではなく、コミュニティの中心であり、日常生活に欠かせない社交の場として発展してきました。
今回紹介した5つのカフェは、それぞれ異なる魅力を持つ現地おすすめの名店ばかり。世界レベルの技術を持つバリスタが淹れる一杯から、アットホームな地元カフェの温かい時間まで、オーストラリアのカフェ文化の多様性を体験できる場所です。
重要なのは、コーヒーを通じてオーストラリアの人々の日常に触れ、現地の文化を感じることです。「フラットホワイト」という現地発祥のコーヒーを味わい、バリスタとの気軽な会話を楽しめば、オーストラリアの人々との距離もぐっと縮まるはずです。
今回紹介したカフェのまとめ:
- Single O – シドニーのスペシャルティコーヒーの代表格
- Patricia Coffee Brewers – メルボルンの老舗アットホームカフェ
- The Grounds of Alexandria – インスタ映えする総合エンターテイメント施設
- Market Lane Coffee – シングルオリジンコーヒーの専門店
- Toby’s Estate Coffee – オーストラリアコーヒー文化のパイオニア
オーストラリアのカフェ体験は、きっと忘れられない美味しい思い出となるでしょう。That’s a bloody good coffee!(最高に美味しいコーヒーだ!)