【ベトナムの文化を学ぶ!】ベトナムの食文化の日本との違い5選 ~留学、長期滞在、移住、短期滞在・旅行の参考に~

ベトナムってどんな国? 日本からのイメージ

ベトナムは東南アジアに位置し、南北に細長いS字型の国土を持つ国です。北は中国、西はラオスとカンボジアと国境を接し、東と南は南シナ海(ベトナムでは東海と呼ばれています)に面しています。人口は約9,700万人で、首都はハノイ、最大の商業都市はホーチミンシティです。

日本人からのイメージとしては、「フォー」などの美味しい料理、「バイクであふれる道路」、「コーヒー文化」、「親日国」、「ベトナム戦争」などが挙げられるでしょう。また最近では「経済成長が著しい」「若い世代が多い活気ある国」「観光地としての魅力」といったポジティブなイメージも定着してきています。

ベトナム料理の特徴としては、新鮮なハーブを豊富に使うこと、魚醤(ヌクマム)を基本的な調味料とすること、バランスの取れた健康的な食事であることなどが知られています。特にフォー(米粉の麺料理)、生春巻き、バインミー(フランスパンのサンドイッチ)は日本でも人気のあるベトナム料理です。

ベトナムで暮らす/ベトナムに行くメリットについて

ベトナムで暮らすメリットとしては、まず物価の安さが挙げられます。特に食費は日本に比べて格段に安く、毎日外食しても経済的な負担は少なめです。ローカルの食堂では1食300〜500円程度で満足できる食事ができます。

また、食文化の豊かさも大きな魅力です。各地方で異なる料理や味付けがあり、長く滞在していても飽きることがありません。朝食から深夜食まで、時間帯によって様々な食文化があり、特に路上での食事文化は日本では体験できない魅力があります。

気候も温暖で、特に南部では一年中フルーツや野菜が豊富に手に入ります。新鮮な食材を使った健康的な食生活を送ることができるのも魅力です。

旅行者にとっては、本場のベトナム料理を楽しめることはもちろん、フランスや中国など様々な国の影響を受けた多様な食文化を体験できるのが魅力です。特に屋台やローカルレストランでの食事体験は、ベトナム文化に触れる最高の方法といえるでしょう。

 

 

① ベトナムの食文化の日本との違い(食事)

— ベトナムと日本の食事スタイルって何が違うの?

ベトナムと日本の食事スタイルには大きな違いがいくつかあります。まず、ベトナムでは共同の大皿から各自が取り分けて食べるスタイルが基本です。テーブルの中央に複数の料理が並び、家族や友人全員でシェアします。日本の定食のように一人一人に料理が配膳されるスタイルとは異なります。

また、ベトナムではお箸とスプーンを同時に使うことが一般的です。スープや汁気のある料理はスプーンで、固形物はお箸で食べるという使い分けをします。さらに興味深いのは、フォーなどの麺類を食べる際に、お箸とレンゲを両手に持って食べる文化です。右手にお箸、左手にレンゲを持つスタイルは、日本の「片手でレンゲを持ちながら箸で食べる」スタイルとは異なります。

ベトナムの食事では「バランス」が重視されます。一食の中で、主食、タンパク質、野菜がバランスよく摂れるよう意識されています。特に、生野菜やハーブを多く摂るのが特徴的で、フォーなどの麺料理にも必ずモヤシやパクチーなどの生の野菜やハーブが添えられます。日本では生野菜を食べる量が比較的少ないのと対照的です。

— ベトナムの食事マナーで日本と違うところってある?

ベトナムの食事マナーには日本とは異なる点がいくつかあります。まず、ベトナムでは食事中にスープを啜る音を立てることはマナー違反とされています。日本ではラーメンなどを音を立てて食べることもありますが、ベトナムではフォーなどの麺類も静かに食べるのがマナーとされています。

また、箸の置き方も異なります。日本では食事の途中で箸を器の上に置きますが、ベトナムでは直接テーブルの上に置くことが一般的です。そして、取り箸の文化があまりなく、自分の箸で直接共有の大皿から料理を取ることが普通です。

興味深いのは、ベトナムでは目上の人が最初に食べ始めるまで待つという習慣があることです。家族や会食の場では、年長者や主賓が「どうぞ」と言うまで、他の人は食べ始めないというマナーがあります。

また、ベトナムのレストランでは、注文していない料理(例えば生野菜の盛り合わせなど)がテーブルに運ばれてくることがありますが、これは基本的にサービスであり、勝手に食べても追加料金はかかりません。日本ではこのようなサービスはあまりないので、最初は戸惑うかもしれません。

— ベトナムで人気のレストランや料理はどんなもの?

ベトナム国内で人気のレストランとしては、まず「クアンゴック」(Quán Ngọc)のような地元の人で賑わう大衆食堂が挙げられます。こういった店では、「コムタム」(Cơm tấm、砕米のご飯に焼き豚などを添えた料理)や「ブンチャー」(Bún chả、焼き豚と米麺のつけ麺風料理)などのベトナム定番料理が手頃な価格で楽しめます。

特にホーチミンシティで人気なのが「コムタム」の専門店です。砕けた米(タム)を使ったご飯に、グリルした豚肉、目玉焼き、野菜などを添えた料理で、ローカルの人々の日常食として愛されています。

ハノイでは「ブンチャー」の老舗店が多くあります。特に「ブンチャーフオンリエン」(Bún chả Hương Liên)は、元アメリカ大統領のオバマ氏が訪問したことで有名になりました。ハノイ名物のブンチャーは、グリルした豚肉とつけ汁、ライスヌードルを組み合わせて食べる料理です。

ベトナムを代表する料理としては、地域ごとに特色があります。北部のフォーは澄んだスープと控えめな薬味が特徴ですが、南部のフォーはスープが甘めで、たっぷりの香草を加えて食べます。中部のフエでは、「ブンボーフエ」(Bún bò Huế、牛肉の辛い麺料理)や「バインクオン」(Bánh cuốn、蒸し春巻き)などの宮廷料理の影響を受けた繊細な料理が人気です。

② ベトナムの食文化の日本との違い(会話)

— ベトナムでは食事中にどんな話題で盛り上がる?日本と違うところは?

ベトナムでの食事中の会話は、日本に比べてよりオープンで活発な傾向があります。特に家族や友人との食事では、大きな声で笑いながら会話を楽しむことが一般的です。日本の「食事中は静かに」という文化とは対照的に、ベトナムでは食事と会話は切り離せない楽しみとなっています。

話題としては、やはり食べ物自体についての会話が多いです。「この料理はどう作るの?」「このソースの調味料は何?」といった料理のレシピや味付けについての議論が頻繁に行われます。食材の質や値段についても率直に意見を交換することが多いです。

また、家族の近況や子どもの教育、仕事の話も一般的な話題です。特に子どもの学業成績や将来の展望については、日本よりもオープンに話される傾向があります。日本では他人の前であまり子どもを褒めない文化がありますが、ベトナムでは子どもの成功や才能を積極的に話題にします。

興味深いのは、給料や収入についても比較的オープンに話されることです。「新しい仕事でいくら稼いでる?」といった質問も、親しい間柄では普通に交わされます。日本では給与やお金の話はタブー視されることが多いですが、ベトナムではより実用的な話題として扱われます。

— ベトナムでは誰と食事することが多いの?

ベトナムでは、家族との食事が非常に重要視されています。特に夕食は家族全員が集まる大切な時間です。都市部の忙しい生活の中でも、可能な限り家族揃って食卓を囲むことが重視されています。また、週末には拡大家族(祖父母、叔父叔母、いとこなど)も含めた大きな食事会が開かれることもあります。

同僚との食事も頻繁に行われます。特に昼食は職場の同僚と近くの食堂に出かけることが一般的で、これは社内のコミュニケーションを深める重要な機会となっています。また、仕事の付き合いでの夕食会やビジネスディナーも頻繁に行われます。

友人との食事も重要な社交の場です。若者たちは週末になると友人同士でカフェやレストランに集まり、何時間も食事や会話を楽しみます。特にホーチミンシティやハノイなどの都市部では、新しいトレンドのレストランやカフェを巡ることが若者の楽しみの一つになっています。

また、ベトナムには「ニャウ」(Nhậu)という飲み会文化があります。これは主に男性の間で行われる、軽食を食べながらビールなどのアルコールを飲む集まりです。職場の同僚や友人と「ディニャウ」(đi nhậu、飲みに行く)というのは、重要な社交の形式の一つです。

— 食事の時間って日本と違う?

ベトナムの食事時間は日本とかなり異なります。まず、朝食の時間が非常に早く、多くのベトナム人は5時半から7時の間に朝食を取ります。特に都市部では、出勤前に路上の屋台や小さな食堂でフォーやバインミーなどの朝食を取る光景がよく見られます。

昼食も日本より早く、11時から12時30分の間に取ることが一般的です。多くの会社やオフィスでは昼休みが1時間半から2時間設けられており、食後に短い昼寝(シエスタ)をする習慣もあります。特に南部や中部の暑い地域では、この昼寝の時間が日常生活の一部となっています。

夕食は17時30分から19時頃に食べることが多く、日本の夕食時間よりも1〜2時間早い傾向があります。夕食後は家族で団らんしたり、友人と出かけたりして、比較的早い時間(21時〜22時頃)に就寝する生活リズムの人が多いです。

また、ベトナムでは日本のような「3食」の概念だけでなく、間食や夜食の文化も発達しています。特に若者たちの間では、夕食後に友人と集まって「チェー」(Chè、スイーツのようなデザート)や「バインチャンチョン」(Bánh tráng trộn、ライスペーパーサラダ)などの軽食を楽しむことが一般的です。

 

 

③ ベトナムの食文化の日本との違い(記念日/祝日)

— ベトナムの祝日や記念日にはどんな特別な食事があるの?

ベトナムの祝日や記念日には、特別な料理が欠かせません。最も重要な祝日は「テト」(旧正月)で、この時期には特別な料理がたくさん準備されます。代表的なのは「バインチュン」(Bánh chưng)という、もち米を笹の葉で包み、豚肉と緑豆を中に入れて蒸した四角い餅です。これは新年の幸運を願う重要な食べ物で、家族全員で作ることも多いです。

テトには他にも、「ティットコー」(Thịt kho、豚肉とゆで卵の角煮)、「ザーチャーフオン」(Giò chả、ハムに似たソーセージの一種)、「ヌンマム」(Nem rán、揚げ春巻き)なども定番です。また、「ムットテト」(Mứt Tết)と呼ばれる果物や野菜の砂糖漬けも、客人に出されるお菓子として欠かせません。

中秋節(8月15日の満月の夜)には、「バインチュンチュー」(Bánh Trung Thu、月餅)が食べられます。これは中国の影響を受けた伝統菓子で、様々な餡(ロータス、豆、卵黄など)が入っています。子どもたちはこの時期、提灯を持って行列をしたり、月餅をもらったりして楽しみます。

結婚式では「ソイチャー」(Xôi gấc、赤い色のもち米)が幸運の象徴として振る舞われます。このもち米は「ガック」という果物の赤い色素で染められており、幸福と繁栄を象徴しています。

— ベトナム特有の祝日や行事ってある?そのときは何を食べる?

ベトナム独自の祝日としては、「フンヴオン王記念日」(Giỗ Tổ Hùng Vương、4月の第10日)があります。これは伝説上の建国の祖である雄王をたたえる日で、この日には「バインチュン」と「バインザイ」(Bánh giầy、丸い白いもち米のケーキ)が供えられます。これらは雄王時代の食べ物を再現したもので、国の起源を象徴しています。

「ブイ」(Bữi、忌日)も重要な行事で、亡くなった家族の命日には家族が集まって特別な料理を準備し、先祖の祭壇に供えます。一般的には故人が生前好きだった料理や、「チャーザオ」(Chả giò、揚げ春巻き)、「ガーロイスオン」(Gà luộc、茹で鶏)などの特別な料理が作られます。

「ドアンズー」(Đoan Ngọ、端午の節句に相当)は5月5日に祝われ、この日には「コムルー」(Cơm rượu、アルコール入りのもち米)や「バインウー」(Bánh ú、ちまきに似た餅)などが食べられます。これらは体内の毒素を洗い流し、健康を祈る食べ物とされています。

また、地域独自の祭りも多く、例えばフエの「レークイドン」(Lễ Quý Đông、冬至祭)では「コムヘン」(Cơm hến、蜆とご飯の料理)が、ホイアンの「ホイクアンフルムーン」(満月祭)では「カオラウ」(Cao lầu、特殊な麺料理)が振る舞われます。

— 誕生日や記念日の食事はどんな感じなの?

ベトナムでの誕生日のお祝いは、家族や友人と共に食事を楽しむ形で行われることが多いです。特に子どもの誕生日では、「ブン」(Bún、米麺)が長寿の象徴として必ず出されます。「ブンボーフエ」や「ブンリエウ」(Bún riêu、蟹のスープ麺)などの麺料理が人気です。

誕生日ケーキも近年普及しており、特に都市部では洋風のケーキが一般的になっています。しかし、伝統的には甘いスープデザートの「チェー」(Chè)や「シンニャットケオ」(Sinh nhật kẹo、誕生日キャンディ)なども振る舞われます。

結婚記念日などの特別な日には、レストランでの食事が一般的になってきています。特に都市部の若いカップルは、記念日にはフレンチやイタリアンなどの高級レストランで食事を楽しむことが増えています。

また、「回り一年」(Thôi nôi)という子どもの一歳の誕生日は特別に盛大に祝われます。この日には「ソイシェン」(Xôi sặn、特製のもち米料理)や「ガーロイ」(Gà luộc、茹で鶏)などが振る舞われ、子どもの将来を占う伝統的な儀式も行われます。子どもの前にペン、お金、本などを置き、最初に何を掴むかで将来の職業や性格を占うという風習があります。

④ ベトナムの食文化の日本との違い(おふくろの味)

— ベトナム人のいう「おふくろの味」って何?

ベトナムの「おふくろの味」は地域によって異なりますが、多くのベトナム人にとって懐かしい家庭料理がいくつかあります。北部では「チャーカー」(Cá Kho、魚の甘辛煮)が代表的な家庭料理です。魚(主にナマズやフナなど)を魚醤、砂糖、唐辛子などで甘辛く煮込んだ料理で、土鍋で時間をかけて作られます。この料理は特に冬に家族の温かさを感じる料理として愛されています。

中部地方では「チャートム」(Chả tôm、海老のすり身)が家庭の味として親しまれています。新鮮な海老をすり身にし、レモングラスや唐辛子などと混ぜて蒸したり焼いたりする料理です。シンプルながらも手間のかかるこの料理は、祖母や母親から受け継がれる味として大切にされています。

南部のホーチミンシティ周辺では「カインチュア」(Canh chua、酸っぱいスープ)が家庭料理の代表格です。タマリンドやパイナップル、トマトなどの酸味と、魚や海老の旨味が絶妙に調和したスープで、特に暑い季節に食欲を増進させる料理として愛されています。

共通しているのは、これらの料理が単なる「おいしい」だけでなく、家族の団らんや思い出と強く結びついていることです。特にテト(旧正月)や他の祝日に家族が集まって食べる料理には特別な意味があり、その味は世代を超えて受け継がれています。

— 家庭でよく作られる料理って日本と違う?

ベトナムの一般家庭で日常的に作られる料理は、日本の家庭料理とはいくつかの点で異なります。まず、ベトナムの家庭では一回の食事で複数の料理を用意することが一般的です。主食(通常はご飯)、メインのおかず(肉や魚)、野菜炒めや煮物、そしてスープが基本的な構成となります。日本の「一汁三菜」に似ていますが、より多くの種類の料理が同時に出される傾向があります。

調理法も異なり、ベトナムでは炒め物や煮物が多い日本に対して、蒸し料理や生で食べる料理の割合が高いです。特に「ゴイ」(Gỏi、ベトナム風サラダ)は、茹でた鶏肉や海老、生野菜、ハーブ、ナッツなどを魚醤ベースのドレッシングで和えた料理で、多くの家庭で頻繁に作られます。

また、ベトナムの家庭料理では、香辛料やハーブの使用が特徴的です。レモングラス、生姜、唐辛子、ミント、パクチーなどが日常的に使われ、爽やかな香りと風味を料理に加えています。日本の家庭料理が醤油や味噌、だしなどの深い旨味を重視するのに対し、ベトナム料理は香りと風味のバランスを重視する傾向があります。

さらに、ベトナムの家庭では「自家製」の調味料や発酵食品を作ることも一般的です。例えば、「ヌクマムチャム」(Nước mắm cham、魚醤のディップソース)は各家庭でレシピが異なり、母から娘へと受け継がれる大切な味となっています。

— 子どもに人気の食べ物や家庭料理ってある?

ベトナムの子どもたちに人気の家庭料理としては、まず「コムタム」(Cơm tấm、砕米のご飯と焼き豚)が挙げられます。特に「チョンスオン」(Sườn nướng、グリルした豚のあばら肉)を添えたものは、子どもたちに大人気です。シンプルながらも甘辛いタレが食欲をそそります。

「バインクオン」(Bánh cuốn、蒸し春巻き)も子どもに人気の料理です。薄く伸ばした米粉の生地に挽肉と木耳を包み、蒸した柔らかい食感の料理で、特に朝食として好まれています。甘辛いタレをかけて食べるシンプルな味わいが子どもたちに受けています。

スイーツでは「チェートライチャウ」(Chè trái cây、フルーツミックスデザート)が定番です。色とりどりのフルーツ、タピオカやゼリーなどを甘いココナッツミルクで和えたデザートで、特に暑い季節に子どもたちに喜ばれます。

また、「バインミーチャーネム」(Bánh mì chả nem、ソーセージ入りのバゲットサンドイッチ)は、学校の昼食や間食として人気があります。フランスパンにパテやベトナムハム、野菜などを挟んだ手軽な食べ物で、路上の屋台でも多く売られています。

日本のお子様ランチのような概念はベトナムにはあまりありませんが、レストランでは子ども向けに「コムチエン」(Cơm chiên、チャーハン)や「ミーソッ」(Mì xào、焼きそば)などの比較的食べやすい料理が提供されることが多いです。ただし、辛さや香辛料は大人と同じものを食べる習慣があり、子どもの頃から様々な味に慣れ親しんでいくのがベトナムの食文化の特徴です。

⑤ ベトナムの食文化の日本との違い(その他)

— ベトナムの食事で特に健康に気を使ったものってある?

ベトナム料理は全般的にヘルシーとされていますが、特に健康を意識した料理もいくつかあります。「カインラウ」(Canh lá、葉物野菜のスープ)は、様々な葉野菜やハーブを使った栄養豊富なスープで、特に病気の回復期や産後の女性のために作られることが多いです。例えば「カインラウモドン」(Canh lá mơ đóng、インドセンダン葉のスープ)は解毒作用があるとされています。

「チェーサムボルオン」(Chè sâm bổ lượng、漢方ハーブのスイーツ)は、様々な漢方ハーブ、ナッツ、ロータスの実などを甘く煮たデザートで、滋養強壮に良いとされています。夏の暑い時期には体力回復のために頻繁に食べられます。

また、「スワチュア」(Sữa chua、ヨーグルト)も健康食品として人気があります。ベトナム人は自家製ヨーグルトを作ることが多く、腸内環境を整えるために定期的に摂取する習慣があります。特に朝食後や夕食後のデザートとして食べられます。

近年では、都市部を中心に「チェーハットチャー」(Chè hạt chia、チアシードデザート)や「シンヨットカレ」(Sinh tố cà rốt、ニンジンスムージー)などの健康志向の食べ物も人気を集めています。特に若い世代を中心に、ヨガやフィットネスと組み合わせた健康的なライフスタイルが広まっています。

ベトナム料理の基本的な考え方として「薬食同源」(医食同源に近い概念)があり、食べ物と体調の関係が重視されています。例えば「熱い」食材(唐辛子、ショウガなど)と「冷たい」食材(緑豆、瓜類など)のバランスを取ることで、体内の調和を保つという考え方があります。この伝統的な知恵は現代でも家庭料理に活かされています。

— 食材の買い物はどこでするの?日本のスーパーとは何が違う?

ベトナムでの食材の買い物は主に伝統的な市場(チョー/Chợ)で行われます。これらの市場は朝の早い時間(4時頃から)から開いており、新鮮な野菜、肉、魚、調味料など、あらゆる食材が手に入ります。日本のスーパーとの大きな違いは、ほとんどの食材が量り売りで、包装がないことです。買い物客は自分の袋やバスケットを持参し、必要な分だけ購入します。

また、値段交渉が一般的なのも大きな違いです。特に観光客には高めの値段が提示されることが多いので、地元の人は常連の店主と顔見知りになり、良い価格で質の良い食材を確保します。日本の定価販売とは異なるこのシステムは、人間関係を重視するベトナム社会の特徴を反映しています。

近年では特に都市部を中心に、コープマート(Co-op Mart)やビッグC(Big C)などの近代的なスーパーマーケットも増えています。これらは日本のスーパーに近い形態ですが、生鮮食品コーナーが非常に充実しているのが特徴です。特に果物や野菜の種類が豊富で、地元の特産品も多く取り扱われています。

都市部では「コンビニ」も急速に普及していますが、日本のコンビニとは品揃えが大きく異なります。ベトナムのコンビニでは調理済み食品よりも、インスタント食品や飲料、スナックが中心で、日本のようなクオリティの高いお弁当やおにぎりなどはあまり見られません。

— 日本食はベトナムでも人気?どんな日本食が食べられるの?

日本食はベトナムでも非常に人気があり、特に都市部では様々な日本食レストランが見られます。最も人気が高いのは寿司で、高級寿司店から手頃な価格の回転寿司チェーンまで様々なタイプの店があります。ベトナム人の間で特に人気なのは、サーモン、エビ、アボカドを使ったロールなど、比較的馴染みやすい寿司です。

ラーメンも人気上昇中で、特にホーチミンシティやハノイではラーメン専門店が増えています。味噌ラーメンや豚骨ラーメンが特に人気で、ベトナム人の口に合うようにややスパイシーにアレンジされていることもあります。

「コム・ベント」(Cơm bento、日本風弁当)も、特にオフィスワーカーの間で人気があります。日本の弁当箱を模したプラスチック容器に、ご飯、焼き魚、玉子焼き、野菜の煮物などが詰められています。ただし、味付けは若干甘めでベトナム人の好みに合わせられています。

また、天ぷらや焼肉、お好み焼きなども比較的知名度の高い日本料理です。最近では抹茶フレーバーのデザートやドリンクも若者を中心に人気を集めています。抹茶アイスクリームや抹茶ラテなどは、多くのカフェやデザート店のメニューに取り入れられています。

興味深いのは、ベトナムではカップ麺などの日本の即席麺が高級品として扱われていることです。日本から輸入された「マルちゃん」や「日清」のカップ麺は、地元のインスタント麺よりも2〜3倍高い価格で販売されていますが、その品質と味の良さから人気があります。

まとめ

ベトナムの食文化は多様性に富み、地域ごとの特色や歴史的背景による独自の発展を遂げています。日本の食文化との違いを理解することで、ベトナムでの食事をより深く楽しむことができるでしょう。

大皿料理を皆で分け合う食事スタイルや、箸とスプーンを使い分ける食べ方、新鮮なハーブと香辛料を豊富に使う調理法など、ベトナム料理には多くの特徴があります。また、テトや中秋節などの祝日に楽しむ特別な料理や、地域ごとに異なる「おふくろの味」も、ベトナム文化を理解する上で重要な要素です。

食事を通じたコミュニケーションを重視する文化や、早朝から始まる活気ある食生活、伝統市場での買い物体験など、ベトナムの食に関する生活習慣も魅力の一つです。これらの違いを知ることで、ベトナムへの旅行や滞在がより豊かな経験になるでしょう。

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