【スペインの文化を学ぶ!】知っておきたいスペイン生活のリアル ~留学、長期滞在、移住、短期滞在・旅行の参考に~

スペインってどんな国? 日本からのイメージ
スペインは、ヨーロッパの南西部に位置するラテン文化圏の国です。フラメンコ、闘牛、サッカー、情熱的な人々、美味しい食事、シエスタなど、様々なイメージがあるでしょう。しかし、実際に暮らしてみると、そのイメージを超えた多様な文化や生活習慣に触れることができます。スペインは17の自治州からなり、それぞれが独自の文化や言語を持っています。カタルーニャ州、バスク州、ガリシア州などでは、スペイン語(カスティーリャ語)以外の言語も公用語として使われています。
スペインで暮らすメリットについて
スペインで暮らす大きなメリットは、温暖な気候と豊かな自然環境、そして人々の温かさです。また、生活コストも比較的低く、医療制度も充実しています。特に食文化は世界的に有名で、地中海式の健康的な食事が日常的に楽しめます。さらに、世界遺産も多く、歴史的建造物や美術館など、文化的な刺激も豊富です。
① 知っておきたいスペイン生活のリアル(買い物)
日本人がびっくりするようなスペインでの買い物の仕方とかある?
スペインでの買い物は日本とは大きく異なります。まず、スーパーマーケットでは野菜や果物を自分で袋に入れて重さを量り、値段シールを貼る必要があります。これを知らずにレジに持っていくと、戻されてしまいます。
また、日曜日はほとんどの店が閉まっているため、事前に計画を立てておく必要があります。伝統的な市場(メルカド)では、店主との交渉も楽しめますし、量り売りが基本なので、少量から購入できるのも魅力的です。
スペインでは、服や靴などの買い物は「バラタス(セール)」の時期に行うのが一般的です。夏と冬の年2回、大規模なセールが行われ、最大70%以上値引きされることもあります。
② 知っておきたいスペイン生活のリアル(食事)
日本人がびっくりするようなスペインの食事って何かある?
スペインの食事時間は日本人からするととても遅いです。昼食は14時頃から、夕食は21時以降に食べるのが一般的で、レストランも22時や23時まで営業しています。
また、スペインでは食事を非常に重視し、特に昼食は一日で最も重要な食事とされています。昼食後には「シエスタ」と呼ばれる昼寝の時間があり、多くの商店は14時から17時頃まで閉店します。
食事のスタイルも異なり、「タパス」と呼ばれる小皿料理を複数人でシェアして食べることが多いです。また、パエリアやイベリコ豚、ガスパチョなど日本ではあまり馴染みのない料理も日常的に楽しめます。
スペインでは、食事のときに何について話すことが多い?
スペイン人は食事の時間を家族や友人との会話を楽しむ大切な時間と考えています。政治や経済、サッカーなどのスポーツ、地域のゴシップなど、あらゆる話題が食卓に上ります。特に家族の近況や仕事の話は定番です。
日本ではあまり食事中に政治や宗教の話はしませんが、スペインではそれらもオープンに議論されます。また、食べている料理自体についての話題も多く、材料の産地や調理法についての会話が弾むことも珍しくありません。
③ 知っておきたいスペイン生活のリアル(休日)
スペインでは休日ってどんな風に過ごすのが一般的?
スペイン人にとって休日は家族や友人と過ごす大切な時間です。日曜日には家族総出で長い昼食を楽しむことが一般的で、これが午後遅くまで続くことも珍しくありません。
天気の良い日には、公園や広場で過ごしたり、ビーチに行ったりすることが人気です。カフェでコーヒーを飲みながら友人とおしゃべりを楽しむ「テルトゥリア」と呼ばれる文化もあります。
また、スペインには多くの地域祭りがあり、それぞれの街や村で伝統的な祭りを楽しむことも休日の過ごし方として一般的です。バレンシアの「ファジャス祭り」やパンプローナの「サン・フェルミン祭り」などは世界的にも有名です。
スペインでは家の中でどんな風に過ごすのが一般的?
スペイン人は外出を好む傾向がありますが、家の中では家族と一緒にテレビを見たり、食事の準備をしたりして過ごします。特に日曜日の昼食後は、家族でテレビを見ながらくつろぐことが多いです。
また、スペインの家庭では、リビングルームが家族の集まる中心的な場所となっています。キッチンも家族が集まる重要な場所で、料理をしながら会話を楽しむことも多いです。
④ 知っておきたいスペイン生活のリアル(家族)
スペインでは家族ってどこまでが含まれて、どんなことをする?おじいちゃんおばあちゃんとの付き合い方とか教えて!
スペインでは家族の概念が非常に広く、祖父母、叔父叔母、いとこなども含めた拡大家族が一般的です。特に祖父母は孫の世話をよく見て、共働きの親をサポートする重要な役割を担っています。
日曜日の家族の集まりは伝統的で、祖父母の家に子どもや孫が集まって一緒に食事をするのが一般的です。また、夏休みなどの長期休暇も家族全員で過ごすことが多いです。
スペインでは三世代同居も珍しくなく、おじいちゃんおばあちゃんが孫の面倒を見ることで、若い親世代の社会進出を支えています。家族の絆を非常に大切にする文化があり、家族間の支え合いが社会保障の一部として機能しているとも言えます。
スペインでは、クリスマスや新年はどう過ごす?
スペインのクリスマスは12月24日の「ノーチェブエナ(聖夜)」と25日の「ナビダッド(降誕祭)」を中心に祝われます。24日の夜に家族で豪華な夕食を取り、25日には親戚が集まって祝います。
特徴的なのは、1月6日の「レイェス・マゴス(東方三博士の日)」で、これはスペインの子どもたちにとってサンタクロース以上に重要な日です。この日に子どもたちはプレゼントをもらいます。前日の5日には東方三博士のパレードが各地で行われ、子どもたちはキャンディーをもらうために集まります。
新年は「ノーチェビエハ(大晦日)」に家族や友人と集まり、新年を迎える瞬間に「ラス・ドセ・ウバス(12粒のぶどう)」を食べる伝統があります。時計が12回鳴る間に12粒のぶどうを食べると、新年に幸運が訪れるとされています。
スペインには日本にはない休日とかある?そのときは何するの?
スペインには「サン・フアン(夏至祭)」という6月23日の祭りがあります。この日は浜辺で焚き火をしたり、海に飛び込んだりして夏の到来を祝います。願い事を書いた紙を燃やすと願いが叛えられるとも言われています。
また、各地域には守護聖人の日があり、その日は地域の祝日となります。例えばマドリードでは5月15日が「サン・イシドロ」の日で、伝統的な衣装を着て踊ったり、特別な菓子を食べたりして祝います。
「セマナ・サンタ(聖週間)」もスペイン独特の祝日で、特にアンダルシア地方では豪華な行列が街中を練り歩き、キリストの受難を再現します。この期間は多くのスペイン人が旅行や帰省をします。
⑤ 知っておきたいスペイン生活のリアル(その他)
日本人が知らずにびっくりするようなスペインの歴史ってある?
スペインの歴史で多くの日本人が知らないのは、711年から1492年までの約800年間、イベリア半島の大部分がイスラム教徒の支配下にあったことです。この「アル・アンダルス」と呼ばれた時代は、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の三つの文化が共存し、科学や芸術、建築などが大いに発展しました。現在のスペイン文化の多くの側面に、このイスラム文化の影響が見られます。
また、スペインは世界初の「グローバル帝国」とも言われ、16世紀には「太陽の沈まない国」と呼ばれるほど広大な領土を持っていました。南北アメリカの大部分、フィリピン、そして一時期は日本との交易も盛んでした。この時代の影響で、現在世界で5億人以上がスペイン語を話しています。
日本人がびっくりするようなスペインの習慣ってある?
スペイン人の時間感覚は日本人と大きく異なります。約束の時間に30分程度遅れても全く問題とされないことが多いです。また、スペイン人は非常にオープンで直接的なコミュニケーションをします。知り合ったばかりでも、プライベートな質問をすることも珍しくありません。
挨拶の際には、女性同士または男性と女性の場合は頬にキスをします(実際には頬を触れ合わせて「チュッ」という音を出すだけですが)。これは初対面でも行われることがあり、驚く日本人も多いです。
また、スペイン人は公共の場でも大きな声で話すことが多く、レストランやカフェはいつも賑やかです。静かに食事をすることはあまりなく、会話を楽しみながら食べるのが一般的です。
スペインで、お袋の味と言えば?
スペインのお袋の味としては、「トルティージャ・デ・パタタス(スペイン風オムレツ)」が最も代表的です。じゃがいもと玉ねぎを炒めて卵と混ぜ、両面を焼いた料理で、各家庭によって作り方が異なります。玉ねぎを入れるか入れないか、中をどれくらい固めるかなど、家庭の好みによって変わります。
地域によっても異なりますが、「レンテハス(レンズ豆の煮込み)」や「ポタヘ(野菜と豆のスープ)」なども家庭料理の定番です。寒い冬に温かいスープを食べるのはスペインでも日本と同じです。
また、「カルド・デ・ラ・アブエラ(おばあちゃんのスープ)」という鶏肉や野菜を使った優しい味のスープも、多くのスペイン人が子どもの頃から慣れ親しんだ味です。
スペインで人気のスポーツや人気のエンターテイメントって何?
スペインで最も人気のあるスポーツはサッカーで、特にレアル・マドリードとFCバルセロナの対戦「エル・クラシコ」は国中が熱狂します。バスケットボールも人気があり、ラファエル・ナダルの活躍でテニスへの関心も高まっています。
エンターテイメントとしては、「フラメンコ」ショーが有名ですが、これは主に観光客向けで、地元の人々は特別な機会にしか見に行きません。代わりに、地元の人々は「ベルベナス」と呼ばれる地域の祭りや「コンシエルト」(コンサート)を楽しみます。
最近では「エスケープルーム」や「ルータ・デ・タパス」(タパスを食べ歩くイベント)なども人気のアクティビティです。また、夏には野外映画祭や音楽祭も多く開催されます。
スペイン人に人気の観光地はどこ?外国人があまり行かないところで教えて!
スペイン人に人気だが外国人観光客にはあまり知られていない場所として、アストゥリアス州の「プラヤ・デル・シレンシオ(沈黙のビーチ)」があります。断崖絶壁に囲まれた美しいビーチで、静かに自然を楽しむことができます。
また、エクストレマドゥーラ州の「ラス・フルデス」という地域も魅力的です。険しい山々と渓谷が織りなす風景は「スペインの秘境」とも呼ばれています。ここでは伝統的な石造りの村々を訪れたり、ハイキングやバードウォッチングを楽しんだりできます。
カスティーリャ・イ・レオン州の「ラス・メドゥラス」も見逃せません。古代ローマの金鉱跡で、独特の赤土の地形が広がっています。世界遺産にも登録されていますが、外国人観光客はまだ少ないです。
スペイン人に人気のレストランってある?外国人があまり行かないところで教えて!
マドリードには「カサ・ボティン」という1725年創業の世界最古のレストランがありますが、地元の人が日常的に利用するのは「カサ・ラビオス」のような伝統的な「タスカ」(居酒屋のような小さなレストラン)です。ここでは手頃な価格で本格的なスペイン料理を楽しめます。
また、バルセロナの「メルカド・デ・ラ・ボケリア」市場内にある「エル・キム・デ・ラ・ボケリア」も地元の人に人気です。新鮮な食材を使った創作タパスが評判で、市場で買い物のついでに立ち寄る地元客でいつも賑わっています。
セビリアでは「エル・リンコンシージョ」という1670年創業の老舗タパスバーが地元民に愛されています。壁にはシェリー酒の樽が並び、カウンターで地元の人々と肩を並べて本場のタパスとシェリーを楽しめます。
まとめ
スペインは多様な文化と豊かな歴史を持つ国で、食事や家族の時間を大切にする温かい国民性が魅力です。日本とは異なる時間感覚やコミュニケーションスタイルに戸惑うこともあるかもしれませんが、その違いを楽しむことで、より充実したスペイン滞在が実現できるでしょう。
スペインの魅力は、有名な観光地だけでなく、地元の人々が日常的に訪れる場所や、家庭で大切にされている習慣の中にもたくさん隠れています。ぜひ現地の人々と交流しながら、本当のスペインの姿を発見してください。
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