【カナダの文化を学ぶ!】カナダの食文化の日本との違い5選 ~留学、長期滞在、移住、短期滞在・旅行の参考に~

カナダってどんな国? 日本からのイメージ
カナダは北米大陸北部に位置する世界第2位の国土面積を持つ広大な国です。イギリス連邦に属し、英語とフランス語を公用語とする多文化国家として知られています。東はアメリカと国境を接し、北は北極海に面しています。
日本人からのイメージとしては、「広大な自然」「フレンドリーな国民性」「多文化共生」「安全な国」といったポジティブなものが多いでしょう。また、メープルシロップやアイスホッケー、モミの木などもカナダを象徴するものとして認識されています。10の州と3つの準州から成り、それぞれの地域が独自の文化や特色を持っています。
カナダで暮らす/カナダに行くメリットについて
カナダで暮らすメリットとしては、まず多様性を尊重する社会環境が挙げられます。様々な文化的背景を持つ人々が共存しているため、外国人でも比較的受け入れられやすい環境です。また、治安の良さや充実した社会保障制度も大きな魅力です。
教育面では世界トップレベルの大学が複数あり、質の高い教育を受けることができます。さらに、永住権の取得システムが整備されており、将来的に移住を考えている方にとっても魅力的な国です。
旅行者にとっては、ナイアガラの滝やカナディアンロッキー、トロント、バンクーバー、モントリオールなどの魅力的な観光地が数多くあります。四季折々の美しい自然を体験できるのも大きな魅力です。
① カナダの食文化の日本との違い(食事)
— カナダと日本の食事スタイルって何が違うの?
カナダと日本の食事スタイルには大きな違いがいくつかあります。まず、カナダでは朝食をしっかり食べる文化があります。パンケーキやフレンチトースト、卵料理、ベーコンなど、カロリーと栄養がたっぷりの朝食が一般的です。特に週末のブランチは重要な食事時間で、家族や友人と一緒に遅めの朝食を楽しみます。
日本では一人分ずつ料理が提供されることが多いですが、カナダではファミリースタイルが一般的です。大きな皿に盛られた料理を各自が取り分けて食べる形式で、特に家庭での食事やカジュアルなレストランでよく見られます。
また、カナダでは食事のポーションサイズ(量)が日本に比べて格段に大きいです。レストランで提供される料理は一人で食べきれないほどの量であることも珍しくなく、「doggy bag」や「to-go box」と呼ばれる持ち帰り用の容器を頼むのは一般的な習慣です。
— カナダの食事マナーで日本と違うところってある?
カナダの食事マナーでは、テーブルでの音の出し方が日本とは大きく異なります。日本ではラーメンをすする音などは許容されますが、カナダでは食事の音(すする音、咀嚼音など)は控えるべきとされています。
また、カナダでは食事中のスマートフォン使用もマナー違反と見なされることが多いです。特に家族との食事やフォーマルな食事の場では、電話やメッセージのチェックは避けるべきとされています。
そして、レストランでのチップの習慣も大きな違いです。カナダではサービス料金の15〜20%程度のチップを支払うのが一般的で、これを怠ると非常に失礼とみなされることがあります。日本ではチップの習慣がないので、この点は特に注意が必要です。
— カナダで人気のレストランや料理はどんなもの?
カナダ各地には特色あるレストランが数多くあります。大都市では様々な国際料理が楽しめるエスニックレストランが人気です。特にトロントやバンクーバーでは、世界各国の本格的な料理を提供するレストランが豊富にあります。
地元のカナダ人に人気のレストランとしては、「パブ」や「ダイナー」と呼ばれるカジュアルな食堂が挙げられます。パブではビールやウイングス(手羽先の唐揚げ)、ナチョスなどを楽しみ、ダイナーでは朝食メニューやハンバーガー、サンドイッチなどのカジュアルな料理が提供されます。
カナダを代表する料理としては、ケベック州発祥のプーティン(フライドポテトにチーズカードとグレイビーソースをかけた料理)、モントリオールスタイルのスモークミート、大西洋岸のシーフード料理(特にロブスター)、メープルシロップを使った様々なデザートなどが人気です。
② カナダの食文化の日本との違い(会話)
— カナダでは食事中にどんな話題で盛り上がるの?日本と違うところは?
カナダでの食事中の会話は、日本に比べてよりオープンで多様なトピックが取り上げられる傾向があります。政治や社会問題についての議論も珍しくなく、様々な意見が交わされます。日本では食事中に政治的な話題を避ける傾向がありますが、カナダではそうした話題も一般的です。
また、スポーツ(特にアイスホッケー)についての話題も定番です。NHLの試合結果や選手の動向などが熱心に議論されることがあります。その他にも、最近見た映画やテレビ番組、旅行の経験、仕事の話なども一般的な会話のトピックです。
食べ物そのものについての会話も多く、料理のレシピを交換したり、新しいレストランについての情報を共有したりすることがよくあります。多文化社会のカナダでは、様々な国の食文化についての知識や経験を語り合うこともあります。
— カナダでは誰と食事することが多いの?
カナダでは家族との食事が重視されています。特に夕食は家族全員が集まる重要な時間とされることが多いです。忙しい平日でも可能な限り家族で食卓を囲むことが大切にされています。
友人との食事も頻繁に行われ、週末のブランチや平日の夕食後に友人と食事に出かけることも一般的です。また、同僚との仕事のランチミーティングも一般的で、カジュアルなレストランやカフェで行われることが多いです。
特徴的なのは「ポットラック」という集まりです。これは参加者がそれぞれ一品料理を持ち寄るパーティーで、家庭や職場、コミュニティーの集まりでよく見られます。各自が得意料理や自国の伝統料理を持参することで、様々な料理を楽しむことができます。
— 食事の時間って日本と違う?
カナダの食事時間は日本よりも全体的に早い傾向があります。朝食は6時〜8時頃、昼食は11時半〜13時頃、夕食は17時半〜19時頃というのが一般的なパターンです。特に夕食の時間が日本に比べて2時間ほど早いことに驚く日本人は多いです。
また、週末のブランチ文化も特徴的です。土日は遅めの朝(10時〜13時頃)に朝食と昼食を兼ねた豪華な食事を取ることが多く、これが「ブランチ」と呼ばれています。ブランチを外食で楽しむカルチャーも根付いており、週末のブランチタイムはレストランが混雑することが多いです。
さらに、カナダでは食事にかける時間も日本とは異なります。特にランチの時間は短く、30分程度で済ませることも珍しくありません。一方で、ディナーは比較的余裕を持って楽しむことが多く、特に外食の場合は1〜2時間かけて食事を楽しみます。
③ カナダの食文化の日本との違い(記念日/祝日)
— カナダの祝日や記念日にはどんな特別な食事があるの?
カナダの祝日や記念日には、様々な伝統的な食事があります。最も代表的なのは感謝祭(10月の第2月曜日)で、七面鳥のロースト、スタッフィング(パンを使った詰め物)、クランベリーソース、マッシュポテト、パンプキンパイなどの伝統的なご馳走が楽しまれます。
クリスマス(12月25日)も重要な祝日で、七面鳥またはハムのロースト、グレイビーソース、クリスマスプディングなどの伝統的な料理が食べられます。また、様々なクリスマスクッキーやケーキなどの焼き菓子も欠かせません。
イースター(春分後の最初の満月後の日曜日)には、ハムやラム肉のロースト、彩りの良い春野菜などが定番です。子どもたちにはチョコレートの卵やイースターバニーの形のお菓子がプレゼントされます。
— カナダ特有の祝日や行事ってある?そのときは何を食べる?
カナダ独自の祝日としては、7月1日のカナダデー(建国記念日)があります。この日は国を挙げてのお祝いムードになり、バーベキューが定番となります。ハンバーガーやホットドッグ、ステーキなどの肉料理をグリルで焼いて楽しみます。デザートには、カナダ国旗の赤と白をモチーフにしたケーキやカップケーキなどが人気です。
ケベック州では、6月24日のサンジャンバティスト祭がフランス系カナダ人のアイデンティティを祝う重要な日です。この日には、トゥルティエール(肉入りのパイ)やプーティン、メープルシロップを使ったデザートなどケベック料理が楽しまれます。
また、2月の第3月曜日に行われる「ファミリーデー」は比較的新しい祝日で、家族と過ごす時間を大切にする日とされています。特に決まった料理はありませんが、家族で一緒に料理を作ったり、お気に入りのレストランで食事をしたりして過ごします。
— 誕生日や記念日の食事はどんな感じなの?
カナダでの誕生日のお祝いは、家族や友人と共に食事を楽しむのが一般的です。子どもの誕生日パーティーではピザやハンバーガーなどのカジュアルな食事が好まれ、大人の誕生日では好きなレストランでのディナーが選ばれることが多いです。
誕生日ケーキも欠かせない要素で、キャンドルを立てて「Happy Birthday」の歌を歌いながら祝福します。興味深いのは、カナダでは誕生日の人にケーキを入刀する前に願い事をしてもらう習慣があることです。キャンドルを一度に全部吹き消せたら願い事が叶うとされています。
結婚記念日や交際記念日などの特別な記念日には、高級レストランでのディナーを楽しむカップルが多いです。フレンチやイタリアンなどの料理が人気で、シャンパンやワインと共に特別なコースメニューを楽しみます。
④ カナダの食文化の日本との違い(おふくろの味)
— カナダ人のいう「おふくろの味」って何?
カナダは多文化国家のため、「おふくろの味」は家庭の文化的背景によって大きく異なります。しかし、代表的なカナダ家庭料理としてよく挙げられるのが「マックアンドチーズ」(マカロニチーズ)です。これはマカロニにクリーミーなチーズソースを絡めた料理で、多くのカナダ人の子ども時代の思い出の味です。
伝統的なカナダの家庭料理には、ミートローフ(挽肉をパンくずや玉ねぎと混ぜてオーブンで焼いた料理)、シェパーズパイ(ひき肉とグレイビーにマッシュポテトをかけてオーブンで焼いた料理)、チキンポットパイ(鶏肉と野菜を入れたシチューをパイ生地で包んだ料理)などもあります。
ケベック州では、トゥルティエール(スパイスの効いた肉を詰めたパイ)やプーティン、ペアクリームなどがおふくろの味として愛されています。アトランティック地方ではフィッシュチャウダー(クリーミーな魚のスープ)、西部ではビーフシチューなど、地域によっても特色があります。
— 家庭でよく作られる料理って日本と違う?
カナダの家庭では、カセロール(具材を入れてオーブンで焼く料理)が頻繁に作られます。特に「タナキャセロール」(ツナとパスタのグラタン風料理)や「チキンディバン」(鶏肉とブロッコリーのカセロール)などは定番の家庭料理です。
また、スープも家庭料理の重要な部分を占めており、特に冬の寒い時期にはハーティーなスープが頻繁に作られます。チキンヌードルスープ、ビーフバーリースープ、スプリットピースープなどが代表的です。
パスタ料理も人気で、スパゲッティやラザニアなどが手軽な夕食として作られることが多いです。これらはイタリア系カナダ人の影響が強いですが、今や様々な文化的背景を持つ家庭で楽しまれています。
— 子どもに人気の食べ物や家庭料理ってある?
カナダの子どもたちに人気の食べ物としては、まずグリルドチーズサンドイッチ(チーズをはさんで焼いたホットサンドイッチ)が挙げられます。シンプルながらも温かく、慰めの味わいとして子どもから大人まで愛されています。
マックアンドチーズも子どもに絶大な人気を誇り、箱入りの即席タイプから手作りの本格的なものまで、様々なバージョンが楽しまれています。
スローライス(フランスタイプのシナモンシュガートースト)も子どもの朝食やおやつとして人気です。また、「キッドカスタマープレート」と呼ばれる子ども向けメニューには、チキンフィンガー(鶏肉のフライドフィンガー)やチーズバーガー、ホットドッグなどが定番として含まれています。
⑤ カナダの食文化の日本との違い(その他)
— カナダの食事で特に健康に気を使ったものってある?
カナダでも健康志向の高まりとともに、ヘルシーな食事オプションが増えています。特に都市部では、有機食品や地元産の食材を使用したレストランやカフェが人気です。「ファームトゥテーブル」(農場から食卓へ)をコンセプトにした料理も広まっています。
朝食では、オーバーナイトオーツ(一晩浸したオートミール)やアサイーボウル、グリーンスムージーなどが健康志向の人々に好まれています。昼食では、グレインボウル(雑穀と野菜、タンパク質を組み合わせた一皿)やサラダボウルが人気です。
最近ではプラントベースの食事(植物性食品中心の食事)も広まりつつあり、ビーガンやベジタリアン向けのレストランやメニューオプションが増えています。特に若い世代を中心に、環境への配慮から肉の消費を減らす傾向も見られます。
— 食材の買い物はどこでするの?日本のスーパーとは何が違う?
カナダでの食材の買い物は主にスーパーマーケットで行いますが、日本のスーパーとは規模や品揃えが大きく異なります。カナダのスーパーは非常に広く、食料品だけでなく日用品や衣料品まで扱う総合スーパーが一般的です。
また、バルク販売(大容量パック)が特徴的で、穀物や飲料、冷凍食品などが大家族向けのサイズで販売されています。これは日本の小分け販売とは大きく異なる点です。
その他の買い物場所としては、ファーマーズマーケット(農家が直接販売する市場)が週末に開催されることが多く、新鮮な地元の農産物や手作り食品を購入できます。また、専門的な食材を扱うデリカテッセンや民族系の食材店も、特に都市部では数多く存在します。
— 日本食はカナダでも人気?どんな日本食が食べられるの?
日本食はカナダでも非常に人気があり、特に都市部では様々な日本食レストランが見られます。最も人気が高いのは寿司で、回転寿司や高級寿司店まで様々なタイプの店があります。ただし、アメリカンスタイルにアレンジされた巻き寿司(カリフォルニアロールなど)が主流の場所も多いです。
ラーメンも人気が高まっており、とんこつやしょうゆ、味噌など様々なスタイルのラーメン店が増えています。また、居酒屋スタイルの店も増加傾向にあり、焼き鳥や天ぷら、お好み焼きなどの料理を楽しむことができます。
興味深いのは、日本食の健康的なイメージが強いことです。特に若い世代を中心に、ポケボウル(日本の丼をアレンジしたもの)や寿司ブリトー(寿司の具材をブリトースタイルで巻いたもの)など、日本食をベースにした新しいフュージョン料理も人気を集めています。
まとめ
カナダの食文化は多様性に富み、様々な国の影響を受けながらも独自の発展を遂げています。日本の食文化との違いを理解することで、カナダでの食事をより楽しむことができるでしょう。
朝食を重視する文化やポーションサイズの大きさ、家族や友人と食事を共にする習慣など、カナダの食事に関する様々な特徴があります。また、感謝祭やカナダデーなどの独自の祝日に楽しまれる特別な料理も、カナダ文化を理解する上で重要な要素です。
カナダへの留学や旅行、移住を考えている方は、こうした食文化の違いを知っておくことで、より豊かな滞在経験が得られるでしょう。また、カナダ人との交流の際にも、食に関する話題は会話の良いきっかけになります。
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