『ボーイズン・ザ・フッド』『ポケットいっぱいの涙』などのComing of Ageムービーの要素が強い作品とは異なり、エンタテイメント性の強いクライム・ムービー。スピード感のあるアクション描写とアイス・Tが手掛けたトラックが相まって見応えがあります。アメリカのドラッグ問題を克明に描き出した作品です。アイス・Tが麻薬捜査官役として出演。
原題は『Menace II Society』。menaceは「脅威」という意味。 主人公は、子どもの頃からドラッグや殺人が日常的な環境で育ちます。口論の末にカッとなって銃で相手を撃ち殺す、対立するストリート・ギャングが報復しあう……。そこに過剰な演出はなく、あっさり人が死んでいく。淡々とした主人公のモノローグが、かえって彼らの“日常”感を際立たせています。暴力的なシーンの多さに反して、全体的に静かで物憂げな印象を受ける作品です。
8マイル(2002年)
あらすじ
1995年――ミシガン州デトロイト。そこに境界線となる“8マイル・ロード”は都市と郊外、さらに白人と黒人を分ける分割ラインにもなっている。没落した貧民街に暮らすジミーは、貧しい母子家庭で母親は若い男と自堕落な暮らしを送り、幼い妹の面倒を見なければならない。(Amazon Prime Videoより)